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香港デモ 激動!200日

"本作は漫画という手法を通じて、『個性のない』香港のデモ参加者に顔と名前を与え、その個性を復元して見せてくれた(中略)数字で表される彼らは、本当はそれぞれに考えや感情を持つ個人である"2019年発刊の本書は、香港在住の日本人デモ参加者の実話を元に6月から11月までの激動の約半年を描いている一冊。

個人的には起きている事の正解は別として【今起きている事を無視しない事】また知ろうと向き合って【自分の頭で正しさを考える事】は民主主義、そして自由を守る為に大切だと普段から思っていることから、昨年テーマ読書会も主宰した”長期化し複雑化している”『香港デモ』という世界的な出来事を【漫画というわかりやすい媒体】で整理、解説してくれている本書も手にとりました。 

 さて、そんな本書は、実際にデモに参加した香港在住の日本人の実話を元にした【秋田君という架空の日本人留学生視点で】天安門事件の30周年追悼集会日から始まり、デート気分で参加した穏やかに行われていたデモが、次第に暴力の連鎖へとなっていく様子が【洗練されたイラスト、そして現代中国・香港政治専門家の解説を加えて】現地情報も豊富にダイジェスト的に紹介されていて勉強になります。

また、あとがき解説にある通り『黒服に覆面』といった匿名の記号や数字ではなく【名前や性格が与えられている事】はやはりイメージ的に大きく『香港に栄光あれ』なぜ涙がとまらないの〜なぜ怒りに震えるの🎵本書でも紹介されている香港の20代男性がネット上で発表、デモのテーマソングになった曲を聴きながら、多くの犠牲になった(なっている)市民の方々へ想いを馳せるキッカケもあらためて与えてくれました。

30分で【日本人視点での香港デモ】を知りたい誰かへ。また香港デモの遠因となっている状況を専門家にわかりやすく解説してほしい人にもオススメ。

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