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人類狩り

"あの警告は純粋の地球語だったーなまりのない地球語だ。しびれた腕をさすりながらあたりを見回すと、その人間が目に入った。"1970年発刊の本書は、ジャンルミックスした幅広い作風で知られる著者の初期作にして『ベストセラー小説の書き方』で自らとりあげた異種族間の交流を描くSF佳作。

個人的には既読の"すべての物語は語り尽くされている。新しいプロットなどはない"と真摯な語り口が印象的だった『ベストセラー小説の書き方』に唸らされる所があったので、本書もついでに手にとってみました。

さて、そんな本書はオールドSF風味たっぷりに人類に勝利した【トカゲ型エイリアンと生き延びた地球人の子どもの逃避行】と、その道中における交流を描いているわけですが。そう言えば?かっては頻出した【トカゲ型エイリアンって最近見ないな。。】と、どこか懐かしくも無駄なくまとまっていて読みやすかった。

一方で、著者の特徴とも言える『恐るべき子供』モチーフとはいえ、地球人の子どもの【登場時からの沈着冷静さ、というかふてぶてしさ?】には多少なりと違和感を覚えましたが。。まあ、その分、トカゲ型エイリアンの心境の変化は丁寧に描かれていたので、ページ的にもそれはそれで。といった所でしょうか。

モダンホラーの人気作家としての著者の原点が気になる誰か、オールドSF好きな誰かにオススメ。

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