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まなざしの革命; 世界の見方は変えられる

"世界を変革させる代わりに(中略)私たち自らがそれぞれ自分のまなざしの革命家になること。それこそが真の解放の第一歩である。"2022年発刊の本書はパンデミック下、何者かにまなざしをデザインされることに警鐘を鳴らし『進行形で問いかけてくる』良書。

個人的には著者の前著『まなざしのデザイン』が非常に面白かったので手にとりました。

さて、そんな本書はランドスケープアーティストにして風景異化論を研究する著者が、各章で『常識』『感染』『平和』『情報』『広告』『貨幣』『管理』『交流』『解放』と社会の広い範囲にわたるトピックを取り上げ、それぞれで【当たり前とされている見方の盲点】を指摘しつつ、全体を通して。2020年から続くパンデミックとは【一体どういうものであり、そこで何が起こっていて、どう考えればよいか】を丁寧に考察しているわけですが。

とかく、どのような物事に関しても短絡的な『答え』を手っ取り早く求め、また自分だけは『正しく』『聡明である』と日常的に誰かを SNSで非難して溜飲を下げる日々を過ごしている方には本書に書かれていることは【全く届かない】だろうし、著者が("おわりに"で書いているように)【何度も情報を確かめ、誤解がないように手をいれた】誠実にして、勇気あるテキストは『それでも』下手をすれば【陰謀論】として貶められてしまうかもしれませんが。

そういった方はさておき。普段から現代社会で『起きている』ことに【漠然とした不安や違和感を感じ】また、相手を非難する前に【自らに疑いや問いかけのまなざしを向けている】方にとっては、本書で書かれていることは(おそらくは)共感することばかりであり、『革命』を起こす一歩のために、優しく背中をおし、あるいは補助線をひいてくれるのではないか?と思いました。

。。と書く、私自身はといえば。新型コロナウイルス『パンデミック』またウクライナ侵略『戦争』とイメージが追いつかないような出来事が次々に『起きる』中、資本主義等システムに所属しつつも、個人的な疑いから片足を外して『無料で本を配る』お店を【自分で開き続ける】ことで、何とか正気を保っているような体たらくですが。前著に続き、そんな私でも本書から勇気をいただき、感謝しています。

自らの限りある人生を、他者に奪われずに『ちゃんと考えて』過ごしたい方にオススメ。

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