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ミーツへの道 「街的雑誌」の時代

"つまり、愉快なことと不快なこととか、陶酔と絶望みたいなものは、アナログ的に連続しているものであって、ここからが『楽しい』の領域です、こちらからは『かなしい』の方です、とデジタルに線引きしない了見が『街的』ということなのだ"2010年発刊の本書は名編集者による『ミーツ・リージョナル』創刊から退社までのつれづれ回想記。

個人的に、関西在住ということもあり楽しませていただいている雑誌として。またローカルメディアを扱うお店を運営している事もあり著者の視点に興味があって手にとりました。

さて、そんな本書はバブルの空気溢れる時に創刊された『ミーツ・リージョナル』が親会社意向による経営陣の相次ぐ交代や、阪神淡路大震災といった天災にあいながらも【情報誌】ではない特徴的な雑誌として立ち位置を確保していく様子を、その時々の編集メンバーとの思い出を振り返りながら書いているわけですが。自分が当時読んでいた【誌面の裏側を除いているような感覚】が新鮮でした。

一方で。私個人としては縁があってなじみのある大阪、岸和田出身の著者の歯に衣を着せない言動は、退社したからこそかもしれませんが、割と過激かつ【直接的な上層部批判が込められていて】驚きました。まあ、それが許される人柄と言えば、それだけなんですが(笑)

『ミーツ・リージョナル』好きな人、またメディアの立ち上げに関心ある方にもオススメ。

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