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クラウド・コレクター

”さかさまに降る雨は、私たちの記憶を少しずつ削りとるようにして天に運んでゆく。それはやがて雲に結するだろう・・・雲とは忘却の結晶である。雲とはわれわれの失われた夢であり、見知らぬ懐かしさなのである”本好きでも知られるでんぱ組.incの夢眠ねむさんが好きな事でも知られる本書はメタ小説として本筋は「不思議の国のアリス」や「オズの魔法使い」からイメージされるフィクションとしてリズミカルに進みつつ、語り部の存在により導入と結末はあり得なくもない話?と読み手に思わせる説得力の構成が素晴らしい。

また写真メインの98年度版、そして今回の「手帖版」と新たに編集された2004年発刊の本書。そして著者達が”いつかもう一度”とあとがきで述べている様に、またいつか。新たな形で本ができる時にはどんな姿になるのだろうか?そんな進行形の楽しみも感じさせてくれます。

大人になった絵本好きな誰か。ブックデザイナーを目指す誰かに。そして”夢を見ながら、二兎を追い続ける”誰かにもオススメ。

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