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「マニュアル」をナメるな! 職場のミスの本当の原因

"さまざまな会社から事務ミスの防止策について相談を受けてきた。そのほとんどの場合で、マニュアルに深刻な欠陥を見つけた。ダメなマニュアルを使っているから、ミスが乱発しても当然だったのである"2019年発刊の本書は、マニュアル作りにすぐ使えるテクニックをわかりやすく説明した良書。

個人的にも仕事的にもミスをチェックする現場に興味があることから本書を手にとりました。

さて、そんな本書は『人間のミスと安全に関する』研究者である著者が、分かりやすいマニュアルを生み出すには、作文力だけでなく【作業の全体的かつ総合的な改善が必要だ】と、第1部でマニュアルの『目的や文章作法、在り方』といった基本を例をあげて解説したあとで、第2部においては文章の前に【正しい作業手順が必要】と『全体構造や工程』をイラストを用いて解説。第3部は具体例としての練習問題となっているのですが。

チャーチルや千利休等の歴史ネタ紹介も雑ネタとして面白く、また抱える仕事は別にしても日常において。手を抜きすぎていたり、逆に複雑すぎて【理解できないマニュアルが多数存在している】と以前から感じていることもあり、本書の内容全体に共感しきりでした。

あと、散発的に印象に残ったのは第二次大戦下のドイツ軍が男性兵士に興味を持たせるべく【戦車整備マニュアルに女性イラストを多数採用】し、それがアメリカ軍にも伝わったとかは行動経済学的で面白く、またダブルチェック等の検証回数を増やしても【同じとこしか見ないからムダ】的な話はチェック現場で起きがちなので自虐的に笑ってしまった。

マニュアル制作に携わる部署の方はもちろん、普段から目にするマニュアルにモヤモヤを抱えている方にもオススメ。

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