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ミューズの真髄

"思い出した 絵を描くことが恥ずかしいんじゃない 下手な絵しか描けないことが恥ずかしいんだ(中略)でも不思議 胸が高鳴る 体が温かくて変な感じ"2022年発刊の本書は美大コンプレを抱える23歳OLの人生リセット・ストーリー、第一弾。

個人的にはSNSで紹介されていて、気になって手にとりました。

さて、そんな本書は美大に落ちた日から5年後。"特別な私”はもう死んでしまった。と、母の決めた職場、決めた服を着て、母が自慢できるような人との"幸せ”を探す日々を暮らす23歳、独身女。瀬野美優が、ある日"もう一回だけ自分に期待してみたい"と、母と衝突して実家を出て独り暮らし、美大の予備校にも通い始めるのですが。。

まず、インタビューによると著者自身もかって美大受験に失敗したとのことで【そうした経験が活かされているのかな?】複雑なコンプレックスを抱える主人公、必ずしも悪親とまでも言いきれない母親との関係など、絵柄は可愛らしくも【登場人物それぞれにリアリティや親近感を感じる】ことができました。(合コンで知り合った鍋島も単なる嫌なヤツかと思いきや?)

また私的な話で恐縮ですが。自身も子どものときには絵画展で受賞歴はあれど。親に期待されればされるほど『上手い絵を描かなければ!』と、どんどんつまらない絵を苦しみながら描いてしまって、結局は描くのをやめてしまった【自分の過去を主人公に重ねて思い出して】流石に今はコンプレックスではなくも何だか懐かしい気持ちになってしまいました。

描くのが好きな方、等身大の人生リセットストーリーが好きな方にもオススメ。

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