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青い鳥

"なんだ、これがぼくたちさんざんさがし回ってた青い鳥なんだ。ぼくたち随分遠くまで行ったけど、青い鳥ここにいたんだな。"1908年発表の本書はノーベル文学賞を受賞した著者が【死と生命の意味】を主題に描き映画やミュージカル、アニメ化もされた不滅の無限童話劇。

個人的には私も含めて、オチというか結末については広く知られている本だと思うのですが。そこまでのプロセスについては意外に知られていないのでは?と思って手にとりました。

さて、そんな本書はチルチルとミチルの兄弟の前にあらわれた妖女に【割と強引に頼まれて】まるで桃太郎の様に?イヌやネコ、パンや砂糖を引き連れて、様々な国や場所に青い鳥を探していくのですが。会話詩的に展開する本書。予想以上に【猪突猛進なチルチルばかりが語る】一方で、ミチルにほとんどセリフがないのが予想外で驚きました。

加えて、生者が思い出すことで死者が目覚める『思い出の国』や、宝石の力で眺め方が変わった瞬間に人間に虐げられた森や動物たちが襲いかかってくる『森』のエピソードとか。またイヌこそ最初から最後まで忠実なれど、ネコを筆頭に仲間たちがチルチルとミチルの兄弟に【隙あらば裏切ろうとする】など、物語自体も【起伏に富みスリリング】なのも良い意味でびっくりしました。読んでみて、結末について、あらためて新鮮な印象となりました。

童心にかえって、不思議世界に旅立ちたい誰かへ。また生や死について考えたい方へもオススメ。

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