ケーキの中に薬を入れる
5/9 下北沢MOSAiC。ライブ出演。
最近、本当の希望を歌うバンドだと、自称している。
「君はもう悩まなくていいんだよ」
という歌もたくさんある。でもそれがマスになる社会は少し怖い気がする。
不感症な時代だと感じる。それゆえに、いろんなものへの感じ方が薄くなっている気もする。
僕だったらこう言う。
「もっと悩もうよ、もっと考えようよ、それが開く扉もあるよ」と。
ゼロから生まれるプラスって果たしてあるのだろうか?
マイナスがバネになるからこそ、プラスに向かってゆく跳躍力って跳ね上がるんじゃないのか?と思う。
だから、表層的な希望を歌うようなバンドにはなりたくない。だから、本当の希望を歌うバンドだと、そう言っている。
ただ、発信者である自分が、何も考えない日常を送ることは、罪だと感じる。
だから、僕は寝るその瞬間まで、なるべく多くのことに、想いを馳せている。
希望を歌うとか言ってるけど、暗い歌多いじゃない?
いや、希望にたどり着くためにはまずその倍以上葛藤しないと。
セットリストもそういうことを考えながら組んでるんだから。
必然的に、暗いゾーンはできるよ。笑
5/11 大学の授業にて
ウーマンラッシュアワーの村本大輔氏が大学にやってきた。
彼の言動は、誤解を生むこともしばしばある。
しかし、彼の持っている感覚に、学ばなくてはならない部分もある。
世の中に流布するもの、言葉に付随するイメージをそのまま受け取ってはいないか?「疑う」こと「考える」こと、その必要性を氏は説いていたように感じる。あくまで雑な要約であり、内容は多岐に及んだ。
形は違えど芸の世界に生きる人、そして第一線を走る人の言葉として胸に刺さった言葉がある。
「ケーキの中に薬を入れる」
ハッとした。まさにお笑い芸人としての彼がやっていることそのものだった。
彼の話は笑いがあり、必ずオチがあり、その話術はまさに「お笑い」の土壌で叩き上げられてきたのだということを実感させられる。
ただ、必ず1つの話題のどこかに一閃、物事の真理をつく瞬間が存在するのだ。
ポピュラーミュージックの使命って、まさにここにあるんじゃないのか?
と直感的に思った。
外見は、尖り気のない、口当たりのいい甘いケーキ。
食べ進めるうちに、今までと違う自分に気づくのだ。
そういう音楽って今どれくらい鳴っているだろうか?
まさか作り手まで不感症になって、ど直球大衆迎合な音楽ばかり鳴らしてはいないだろうな。
僕はまだ、「ロックバンド」として音楽を鳴らしている。
薬は薬のままで、あなたたちに提供しているつもり。
ケーキの中に薬ねじ込むほどの柔軟性はまだ持てていない。
残念ながら、まだ薬しか作れない。
僕らが、スタンスそのままにポピュラーミュージックの世界に殴り込む日が来たら、それはよっぽどの良薬を提供した時か、美味しい美味しいケーキを作ることに成功した時だろう。
作り手としての使命を感じた。
その授業は、割と意識の高い授業で、これからの日本を〜というテイストの授業だった。自分は非正規受講でいわゆる潜りをしていた。
僕はびっちりとメモを書いていたが、帰り際に氏が前談の流れを受けて、
「びっちりとメモを取った君たち、僕の意見をメモるということはとてつもないマイノリティだ!!」と言っていた。
それに加えて、こんなことを脳内で考えていたら僕はマイノリティオブマイノリティじゃないか。
いや、それでいいんだ、絶対にそれでいい。
そう思いながら帰路に着いた。
この文章が気に入っていただければ、ぜひ。 創作活動(執筆・音楽)のために、使わせていただき、それをまたみなさまにお披露目できればと思っています。