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カントーのカイラン水上マーケットツアーはマーケットだけじゃなかった

ベトナムのカントーといえば、商売が水上で行われる光景が人気だ。メコンデルタで水上マーケットと言えば、カイラン水上マーケットが一番規模が大きく、観光客にも有名なマーケット。

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朝6時頃から、売買が始まる。売り手の船は、永細い竿の先端に、自分が販売している野菜や果物を括り付け、目印にしている。

前回訪れたのは、ちょうどカイラン水上マーケットフェスティバルが開催中の数日前で、この水上マーケットをより詳しく知りたいと思い、英語で開催しているツアーを探していた。

自分の身分と状況を話し、連れて行ってくれる人を探した。ネットで検索したり、友人に聞いてみたり、多くの人々と連絡をし、もちろん見ず知らずの日本人から来たメールで断られることもあったけど、みんな代案を提示したり、とにかく返事は送ってくれた。それだけでも感謝だ。

1週間後、とても素敵なツアーガイドの男性と出会えた。メッセージの印象もすごく良く、丁寧で、迅速だった。きっとこの先、良いビジネスパートナーになることは間違いない。2年前から、イスラエルの人々を中心にカントーをガイドしており、WhatsappやTripadvisor等でメコンデルタのツアーを催行しているというベトナム人だった。

1.今回のツアー参加者
2.カイラン水上マーケット

3.カイラン水上マーケットで朝食
4.ジャングルの奥地へ
5.村の個人宅でココナッツジュース
6.ココアファーム(Vườn Cacao Mười Cương)
7.ライスペーパー工場

今回のツアー参加者

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今回、カイラン水上マーケットのツアーにはフランスからのご家族が参加。お父さん、お母さん、そして7歳の男の子だ。お母さんのご両親はベトナム人とインド人だが、お母さんはフランス・パリで生まれたので、ほとんどベトナム語を話さない。今回、初めてベトナムに旅行に来て、1週間程をホーチミンとカントーで過ごすとのこと。この後、またプーケットに戻り、3泊してからパリに戻るらしい。そして、なぜカントーにしたか尋ねると、同じくベトナム人の家族がオススメしてくれたらしい。ホーチミンには従兄弟が住んでいると言っていた。

フランスは今、学校が休みで、7歳の男の子は両親と共に旅を続けている。男の子は海が好きなので、5週間の休みのときはヨーロッパを周ったり、インドネシアやタイにいくそうだ。

ボート漕ぎの女性

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小型舟をずっと操縦してくれた女性は、ボート漕ぎとして過去30年暮らしているのだそう。ベトナム語で喋ると、とても驚いて喜んでくれる。10年ほど前、メコンデルタの橋建設に日本のODAが関わっていた頃、よく日本人をボートに乗せていたのだそう。今はめっきりに日本人が減ったと話していた。替わりに、ヨーロッパの人々がほとんどだという。

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「メコンデルタの人々はとても寛容で優しい。なぜかというと、メコンデルタは昔からフルーツや野菜、食べ物が豊富にとれ、あまり働かなくても豊かな暮らしができているから。ただ、物事には2つの側面があって、良い意味では生活が豊かでのんびりしている、大変なのはモチベーションは上がらない。」と、紹介してくれた。

1.カイラン水上マーケットへ
以前、1度だけカイラン水上マーケットのお祭りに観光局としての出展を行ったことがあるが、その際は大きなボートに乗り、ただひたすら目的地へ行く交通手段に過ぎなかった。

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今回は、小型ボートで、それこそマーケットの一部として、宝くじを販売しているボートを見かけたり、麺類やとうもろこし、キャベツ、サツマイモ、パイナップル等、多様な種類の食べ物をその場で見て、果物をたくさん食べることができた。

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小型ボートだと、市場や住居がより身近に感じられる。

ちなみに、街中でもよく見かける宝くじの販売は、1枚10000VND程らしい。

2.カイラン水上マーケットで朝食
水上マーケットでは、市場に買いにくる地元の商人や人々の為に、朝食を用意している船もある。ここで、美味しすぎる麺を頂いた。

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船に乗りながら、朝食とミルクコーヒー、食後のパイナップル丸かじりは、なんて贅沢な時間なんだろうか。

3.ジャングルの奥地へ
小型の船は、どこまでも細い運河を突き進む。どんどん辺りはアマゾンのようになってきた。

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とても静かな、村の生活があった。人々が笑いかけてくれる。子供たちが走り回り、私達を見ると”Hello”と声を掛けてくれる。

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同僚も言っていたけど、Wildweedと呼ばれる水上に浮かぶ葉を使い、オーガニックバッグの生産も行われているのだそう。ドイツ人やフランス人を中心に、販売しているらしい。1000名ほどのベトナム人がバッグ製作に関わっていると聞いた。また、カントー郊外には、厚手のマットの生産を行っている人々がいるが、手作業なので1日2枚ほどしか作れない。1枚40000VND程で、地元の人々に売っているらしい。なんだろう、もっとお金の価値がありそうな気がする作品だと思うのだけど、まずはもっと知りたい。会いたい。行きたい。

4.村の個人宅でココナッツジュース

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到着した先には、一軒の個人宅が。その前で、女の子がココナッツを用意してくれていた。大きなココナッツをナイフで切るところから体験させてくれた。女の子は18歳、生まれたときからずっとお邪魔した家に住んでいるのだそう。

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ココナッツを切る、小型舟の先端で写真を撮影する、地元の人々と会話をする、子供たちと挨拶をする、そんな何気ない風景が、一番のハイライトとなって思い出される旅の瞬間だ。

5.カカオファーム(Vườn Cacao Mười Cương)へ

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ここは、Lâm Thế Cương氏により創業されたカカオファーム。最初に、カカオからバターを生産する器具を考えたそうで、今では学生たちがカカオからバターやチョコレートの作り方を学びにここに訪問しているそうだ。置いてあった名刺を見ると、ホームスティも運営されているらしい。

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私は、ここでカラフルなカカオを初めて見た。殻は古くなれば真っ黒になる。赤色や緑色があるが、全て熟したら黄色になるのだそう。カカオは1つ1ドル程。チョコレートは、今やベトナムを代表する食のひとつだが、カカオ生産者にはカカオ販売の5%程しか渡らないと聞いた。カントーでも、カカオファームの生産を上手くパッケージ化できないだろうか。まだまだ未来の話が面白い。

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一通りカカオファームを見終わった後、カカオからチョコレートを作る工程を見学させてもらった。濃度100%のできたてのチョコを、フランス人家族の男の子も含め美味しく頂いた。

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そして、ドリンク、バター、チョコを試した。私達以外にも、何組かの欧米人グループがいた。カップルであったり、1人旅であったり、グループであったり。それぞれ、少人数で専属のガイドをつけ、ここに来ているようだ。

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ちなみに、このカカオファームはとても便利だ。お手洗いも何箇所かにあり、入った瞬間にWiFiのパスワードが書かれているボードが見える。FBページの紹介もあった。人々は、何も商品の売り込みをするわけでもなく、目が合うと微笑む。私達が英語で話していても、「トイレ」と聞くと指刺しで教えてくれる。

6.ライスペーパー工場へ
また小型ボートに乗船する。ボートに戻るたびに、女性は様々なフルーツを切って用意してくれている。とてもホスピタリティーに溢れる人だ。

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これも、ガイドが伝えているのだろうか。すごく学ぶ。最後に、よく他のツアーで観光客が訪れているであろうライスペーパー工場へ向かった。

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一つ一つを紹介してくれるので、今目の前にある麺が、これからどこに持っていかれて、どこで販売されているのか、朝食で食べた麺は、どのように調理されたのか、全てストーリーで繋がっていく。ライスペーパー工場は昔40軒ほどあったらしいが、現在残っているのは4軒。ここで、フーティウピザを初めて食べられることに!このフーティウピザは、以前何か別の料理をネット上で探していた際に偶然見つけた食事なのだが、実はカントーでしか食べられないらしい。フルーツ盛りだくさんで、全くお腹はすいていなかったが、このフーティウピザがとても美味しく、結局完食。ライスペーパー工場のお父さんは、3世代目。ここでも、私達がベトナム語を話すことを知ったお父さんは、とても喜んでくれた。「日本の味の素はよく使っているよ」と教えてくれた。

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最後の最後まで、同じグループの全てのメンバーに感謝。ボートの漕ぎ手の女性は、竹で風鈴やコオロギ、花々、王冠、ブレスレット等を作ってくれてプレゼントしてくれた。

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昔、何も遊ぶものが無かったとき、身近にある自然のもので、いろいろ作っていたのだそう。今でも、村ではバナナの皮で作った家があり、子供たちの憩いの場になっている。

何より、連絡してよかった。すぐに返事をくれ、すぐにツアー同行を承諾してもらい、今後のツアーにも是非と言ってくれた。その上、「マミからは、多くを学んだ」と言ってくれた。

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