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人生の黄金期とその先

NCTのGolden Ageを聴いた。この曲はベートーヴェンのピアノ曲「悲愴」をベースにしていて、子供のころからこの曲を聴くと憂鬱スイッチがオンになるんですが、今回も強力なパワーで引っ張られているのを感じます。
出だしのドヨンの歌から、針葉樹のような清涼感ある香りと、空気を含ませた繊細な氷のような声で、あのピアノのフレーズをなぞってくる。
声を3秒きいたらもう悲しいし寂しい。夜を儚む「儚みパワー」で一気に持っていかれる。
直後、マークのラップが雷のように落ちてくる。続いてジェミン、ジェノのラップが目を覚ませ!と言わんばかりに鼓舞してくれるが、なにしろ最強ゆーうつパワーの「悲愴」をベースにしているので、そうそう目が覚めない。
だからロンジュンのパートでは、またもや儚み界にひきずられ、助けに来るヘチャンやチョンジの表情も「今が一番良い、すなわち、いつかは終わる」ように見えてしまう。
ジョンウが自ら車を運転しているシーンも、僕の最善を探しにいく、僕も変わりつづけるという歌詞を表現していると思うし、今までのMVではあまり絡みのなかったテンと手を繋いで、ジェヒョンのところへ歩いて行くところも新しい展開。ジョンウが自分から何かをしているMVってあまりないと思う。Stickerのマッドなプログラマーくらい?
そして、あの意味ありげに燃えている椅子。これまでの形式や決まりごと、権威の象徴。または誰かのために用意されていた椅子だと思う。NCTの無限拡張は終わり、体制も変わったため、ここに座る者はもう来ない。
その椅子を燃やす炎を囲む3人。
ジョンウが運転してきた車の鍵には5番のキーホルダーがついている。
ジョンウのテーマナンバーで、愛犬のオボギ(五福)にちなんでつけられている。ジョンウ自身もオボギと呼ばれているコンテンツがあったし、英雄 Kick itの衣装のスタジャンにも背番号05がついていた。その鍵を炎に投じて燃やすジョンウ。与えられている役からの別れに見えた。
楳図先生の「14歳」じゃないが、MV全体に「終わる!!!」と書いてある気がしたし、だからこそ人生は素晴らしい、とも感じた。
歌詞のとおり、どんな形になっていても幸せに活動していてほしいし、実りある人生、素晴らしい日々を送っていこうぜと思うのです。

これを書いたのは「Baggy Jeans」を聞く前だったので、こんなしんみりとした印象だったが、「Baggy Jeans」後には全然印象違う。
むしろ卒業やったぜという感じかもしれない。
まったくガラッと世界が変わってしまう曲だった!!
またやられた・・・これだからNCTは最高なんだよね~。


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