ベイサイド・サンライズラン
息はしなくなったはずが、息が切れる感覚。幽霊のヤマモトは逃げていた。なんとか巻いた追っ手はかなりの数だった。
(なんだってこんなことに!あの坊主!)
ケツモチのナメリカワ和尚へ渡す上前をちょろまかしたのがバレた。バカ悪魔のジェブを信じたのを後悔したが、怒りをぶつけようにもさっき眼の前で木っ端微塵にされた。
虎の威を借りてやりたい放題していたヤマモトは、今や横濱中の霊、生者、ステイサムみたいな殺し屋、ネズミとかに追われるハメになった。捕まれば、サディスト和尚のことだ。切り刻まれてボーンピラニアの餌か、永代供養墓地闘技場の燃えヒグマゴーストと素手で戦わせられることになるだろう。
(どこにいけばいい?アテなんかねーぞ!)
「ヤマモトぉ!テメェもついにおわりだな!」
ドスのきいた声がする方に振り返ると、最悪だ。情け容赦のない金貸しカタツムリのドラゴが仁王立ちしていた。
【続く】
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