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島田
2020年10月31日 20:29
個室を二部屋ほど挟んだ先には、強化ケブラーのコートと俺の相棒だった住吉が穴あきチーズになって転がっている。「お客様、切符を拝見いたします」 カチカチ検札鋏を鳴らす車掌長。 楽な仕事ではないのはわかりきっていたが、ここでの最悪の事態に俺はいらつき、焦る。 緩急車は目の前だが、あと数分もすればこの列車を止める機会は失われる。 俺は腰の銃に手を伸ばすが、弾はもう殆どない、切り札もこいつ