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The Strokesのアルバム、好き。

 お疲れ様です。

 今回は、前回取り上げたストロークスの、超個人的アルバムランキング

 これいつかやってみたかったんですよ。ディスコグラフィをランク付けするやつ。ほんとは一枚一枚記事にしたいし、今後するかもしれない。

 ランキングはほんとに個人の好みで、一般的な評価や売り上げとは全く関係ないです。思い出補正とかかかりまくりです。容赦してください。なんとなく、今まで再生した数(そんなの数えてないけど)を基準にするつもり。



6位 Room On Fire

 これは怒られそうですね笑。最も商業的に成功した作品ともいえますから。いや好きですよ。大好きです。この作品がザ・ストロークスの音って認識の人もいるでしょうし。代表作で間違いないです。

 2003年発表の2作目。

 ソフィア・コッポラの映画にも使われた印象的なイントロの"What Ever Happned?"で幕開け。オープニングナンバーに打ってつけの曲です。ライブで超盛り上がる、勢いのMAXの代表曲"Raptilia"や、シンセみたいなギターが印象的な"12:51"など、ハイライトづくし。

 また後半の"Meet Me in the Bathroom"や"Under Control"なんかは去年のフジロックでもやってましたね。だからファンにとっても馴染み深い曲が多い作品ですし、やっぱライブで聴くと自分もこのアルバムの良さを再認識しました。"The Way It Is"はストロークスらしくて大好きだし、"I Can Win"で勢いのままあっけなく終わるラストも良き。

 衝撃を与えた前作をより洗練しつつ、馴染みやすい”従来のロック”に近づけたようなアルバムともいえます。


5位 Angles

 2011年発表の4作目。

 多分、パッとしない印象を持っている方も多いのでは。でも実はめっちゃいいアルバム!!

 この中だとハイライトは"Under Cover of Darkness"でしょう。当時はソロプロジェクトが多く、メンバー間にバラバラ感があったそうだけど、そんなの微塵も感じさせない明るいナンバー。この時期のストロークスらしい展開でメロディも良い。

 "Taken For a Fool"もこの時期のストロークスらしさ全開ですし、"Machu Picchu"ではダンサンブルな新たな顔を覗かせています。"Two Kinds of Happiness"はThe Carsみたいな、いかにもポストパンクって感じがしますね。

 いかにもストロークスらしい音色だけど、意表をつかれるスローナンバーの"Call Me Back"は、突然ミュージカルを観せられているかのような気分を味合わせてくれます。はたまた"Gratisfaction"はビリー・ジョエルのIt's Still Rock and Roll to MeとOnly the Good Die Youngを混ぜたようなポップさ(わかるかな…ボクだけかな…)。

 "Life Is Simple In the Moonlight"は、ストロークスっぽさの上に良メロが乗っかってますね。この曲めっちゃすこデス。これまでの、特に2、3作目のラストナンバーは無邪気で呆気なく締めていた感じですが、このアルバム以降はいかにもラストって感じを演出する曲にしてると思います。

 確かにまとまりはないけど、一曲一曲の個性が素晴らしい。いろんな顔の曲があるのは前作の延長線上で、シンセや80sっぽさなど次作の雰囲気にも触れられて、過渡期を楽しめる作品ですね。


4位 The New Abnormal

 ここからはもう同着すぎるので、今の気分とかで選びます。

 2020年発表の6作目。

 実はこれ、私のApple Music 2023 トップアルバムなんですよ。2023年に一番聴いたアルバムだと言えるのです。なのに4位笑。いやもう苦渋の決断ですよ。確かに発表されてからめちゃくちゃ聴いてるけど、とはいえまだ4年ですから。

 でもそれほど大好きな作品ですし、今後第1位になる可能性が大いにあるということです。グラミー賞では最優秀ロックアルバム賞を受賞しましたね。個人的には今日までの2020s最高のアルバムだと思っています。

 かつてビリー・アイリッシュがこのアルバムを何度も聴いていて大好きだと発言していました。また最近だとApple Musicにてサブリナ・カーペンターがキュレーションしたプレイリスト"On Vacation"にThe Adults are Talkingが含まれていました。若い世代にも、この作品をはじめ彼らが支持されていることがわかりますね。

 まずアートワーク、かっこよすぎんか!ジャケ買いできるほどオシャレですよね。そしてオープニングを飾る"The Adults Are Talking"。かっこよすぎだし、クセになるサウンド。歌詞も皮肉が込められてて素晴らしい。なんだろうな…この機械的で淡々と進む感じ…。良いですよね。

 続く"Selfless"もかなりのお気に入りで一時期めちゃくちゃヘビロテしていました。80s感満載な"Brooklyn Bridge To Chorus"が来たかと思えば、原点回帰とも言える"Bad Decisions"。At The Doorは前作を踏襲しつつも今までになかった展開ですし、シンプル名曲でこれぞラストって感じの"Ode To The Mets"で最高の幕切れ。

 初期のストレートさから、ポップさ、捻りもあったりと多彩な面があり、それはアートワークに如実に表されています。とはいえごちゃごちゃしておらずスッキリしていて、The New Abnormalというコンセプトをしっかり感じますよね。ストロークスの最高傑作が更新されたとも捉えられます。

 2020年に発表されたこの作品は、The Strokesは現在進行形のバンドであること、2000年代に最も確実な成長曲線を描いたアーティストであることを証明したのです。また、コロナ禍に発表されたため、当時の時代背景もこのアルバムに意味を持たせることとなりました。予測不可能で不安定な時代において、ロックンロールの未来を模索し、自己を内省するとともに新たな世界観を提示した作品です。


3位 Comedown Machine

 2013年発表の5作目。

 再生すると切り裂くようなギター。「これはっ!」と胸が高まる中、聞こえてきたのは機械的で幾何学的な音。そしてジュリアンが高い声出してる! "Tap Out"はギターの音が超かっこよくて、めちゃくちゃシャープでDaft Punkみたいな空気感がたまらない。

 All The Timeでいったんガレージロックに回帰したかと思えば、次に聞こえてきたのはピコピコ音…。え、a-ha??一気に80sにタイムスリップ!ジュリアンのファルセットが聴ける"One Way Trigger"は80s風なのにダサくない(80sがダサいwというわけではなく!)というか、超クールで、このアルバムの雰囲気というか、世界観を決定づける曲です。

 そして筆者が大好きな曲、"Welcome To Japan"。もう素晴らしンゴ。かっこいンゴ。ギター、ベース、ドラム、全く無駄がない。しかもサビでささやくように「ようこそ日本へ」…。意味わからないんだけどっ!!

 ここからはオルタナティブになるんだけど、どれもアルバムの空気を壊す曲はなく、このRCAと大きく書かれた赤いアルバムのコンセプトに沿った内容。"50/50"、"Slow Animals"、"Partner In Crime"と切り裂くようなギターの音はやはり統一されていて、でもどこかコンピュータ感がある。

 語りかけるようなChances、途中意外な展開をみせるHappy Endingも当然素晴らしい。

 そしてラストナンバー、"Call It Fate, Call It Karma"。なんだこの、独特の質感は! レトロな空気、まるで映画のヒロインを懐古する一幕、ホームビデオみたいなザラザラとした肌触り…。隠れた名曲だと思います。最後のフェードアウトは、なんともいえない感情にさせてくれます。

 プロモーションゼロで発表し、商業的な話題を殺した作品。内容的にはそれも世界観の構築に一役買ってますよね。

 何よりね、ジャケットよ。え、どこがだよって感じですか。大きな文字でRCA、細い文字でThe Strokes…。どっちがアーティストでどっちがレコード会社だよ。何も装飾はなく、掠れたような淡い赤。

 そして、このアートワークに沿って作られたかのような曲たち。見事なコンセプトというか、ストロークスはジャケットでその作品がどういう世界観なのか、はっきり表現されているのが特徴ですね。


2位 First Impression of Earth

 これも波紋を呼ぶ選出かもしれません笑。

 2006年発表の3作目。

 1、2作目よりオルタナティブな内容となり、それまでで構築したストロークスの音というの払拭したことで賛否両論のある作品。

 "Heart in a Cage"に代表されるアルペジオや"Juicebox"の心臓を蝕むようなメタル風のリフなど、ギターのラインはかつてのストロークスになかったドラマチックな展開。極めつきは"Ask Me Anything"で、なんとメロトロンとボーカルのみ。ギター、ベース、ドラムの構成が特徴だった初期の姿からは考えられません。

 それまではジュリアン1人で曲を書いており、初期のストレートで無機質な質感というのは彼の世界観で構築されものでした。ですが今作からは、各所に他のメンバーが作曲クレジットに加わっています。アレンジも各メンバーに委ねられ、より自由で開放的に。ジュリアン自身も新しい音楽を目指し、よりメロディアスなものを目指したとか。

 だからこそ、ビートルズでいうホワイトアルバム的なものとなり、賛否あるのは当然ですが、私はストロークス全員の総合力が結集された作品とも捉えられると感じているのです。

 "Juicebox"は代表曲のひとつで、どうしたストロークスってぐらい鬼気迫るテンション、それがいい。"On the Other Side"はシンプルだけどベースが強調されてて、サビのメロディのシンプルさがなんか好き。"Fear of Sleep"はフジロックでやってて、その良さを改めて実感しました。

 "15 Minutes"、これも好きですねー。途中からテンポを上げるなんて、それこそらしくないけど違和感はないし、こういう工夫が後半まで飽きない理由だと思います。Ize of the Worldなんか超かっこいいですよね。これも唐突に幕切れするから、意表を突かれて楽しい。"Evening Sun"もメロディが良き。

 でもやっぱり、やっぱりこのアルバムといえば"You Only Live Once"でしょう! この曲には何度も励まされたというか、歌詞もそうだけどなんか前を向ける曲調というか、そのタイトルに込められた想いを感じるんですよね。イントロ、すっごくワクワクするし、始まった!って感じするし、でもどこか安心する。正直、何度聴いても飽きない。1番好きな曲って言ったら、その時々変わるかもしれませんが、ストロークスから1曲選べと言われたら、この曲かもしれません。

 実はこのアルバムが高順位なのは、You Only Live Onceが大好きなのもあるし、高校時代勉強中にずっと聴いていたからなんですよね。高校生って多感な時期じゃないですか笑。コロナ禍で鬼のように出る課題。青春が淘汰され、やるせない気持ちを持ちながら、このアルバムを聴いて宿題をこなしていました。

 でも、なんか良い思い出というか、このアルバムを聴いているときは全く辛い気持ちにならなかった。そして今、このアルバムを聴いていると、あの時を思い出すというか、初心に戻れるというか。自分がいかに恵まれているかを再確認させられ、明日も頑張って生きようと思わせてくれるのです。

 だから思い出補正もあってこの順位。代表曲以外の評価も、私の中では相当高い訳で、アルバムトータルとして捨てるところがない。


1位 Is This It

 はい。これはもう当然ですね。

 いやー、最近そんなに聴くわけではないし、逆張りで最下位にしてやろうかとも思いました。

 でも私が初めて聴いたストロークスの作品で、ハマったきっかけでもある。

 そしてそれ以前に、巨大で大袈裟なロックがシーンを占領する中、これでもかとミニマムで無機質な音を掻き鳴らし、全てを無に還した。現在に至るまで衰えることなくインディーシーンのお手本であり理想形であり続ける存在。

 尚且つ、オールドファンすら満足させるロックンロールスタイル。彼らの「別にこれでよくね?」「ついて来れるやつだけついてこい」精神が、結果的に多くの人に支持された。

 Is This Itは、どんな条件であっても1位にせざるを得ないのです。これはもうこの界隈では、暗黙の了解です。

 元祖モータウン・ビートの4つ打ちドラムに掻き鳴らしギター、ルー・リードを彷彿とさせるボーカルの"The Modern Age"は、このアルバムを体現したような曲。"Soma"と"Barely Legal"は意外と叙情的な展開も見せてくれながらも、モノトーンな世界観が崩れることがない。"Someday"は陽気で跳ねるような人気ナンバー。

 そして代表曲"Last Nite"。日本で有名な方のモータウン・ビートが印象的で、ポップでキャッチーでロック。

 でも個人的なこのアルバムのハイライトって、"Hard to Explain"なんですよ。単純にこの曲が好きです笑。シンプルで分かりやすいメロディ、曲の構成に関してはこれぞストロークスと言える、完璧で非の打ちどころがない展開。ギターのリフも印象的、でも声が遠くて音が機械的なのが、ストロークスらしさを支えている。なんかi podのCMに使われていてもおかしくないくらいオシャレですよね。

 まあ、改めて聴くと、名盤だなぁって思いました。はい。


私のお気に入りソング Top10

 最後にお気に入りの10曲…と言いたいところですが悩みに悩んで決めきれず12曲に。私が大大大好きなストロークスですから、私の青春を彩ってきた、人生に影響を与えてきた12曲に間違いないです。なかなか絞るのは心苦しいですが、代表曲を中心に。

12. Life Is Simple in the Moonlight (Angles 収録)


11. I Can Win (Room On Fire 収録)


10. Ode To The Mets (The New Abnormal 収録)


9. Ize of the World (First Impressions of Earth 収録)


8. Call Me Back (Angles 収録)


7. Selfless (The New Abnormal 収録)


6. Call It Fate, Call It Karma (Comedown Machine 収録)


5. Under Cover of Darkness (Angles 収録)


4. The Adults Are Talking (The New Abnormal 収録)


3. Welcome To Japan (Comedown Machine 収録)


2. Hard To Explain (Is This It 収録)


1. You Only Live Once (First Impressions of Earth 収録)


 彼らは「リバイバル」と銘打ってこの世に解き放たれましたが、常に未来の音がします。時代が彼らに追いついてきた。そんな感覚ですね。

 今日もありがとうございました。

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