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Prologue 「このまち」との出会い
2002年初夏ー大学3年生
地下鉄谷町四丁目駅に当時通っていた大学のゼミメンバー数名と担当教員で集合した。
これから「空堀(からほり)」の見学へ向かうために。
空堀に行くきっかけ
なぜ空堀に行くことになったのか、というと
私が通っていた大学は、かつて女子大で、自分たちの学年が共学と新しい学部の1期生で、なんでも「はじめて」がつきまとう。授業もテストもカリキュラムも大学にとっても手探り状態(なのに学部改編で数年後になくなり、レア学部になるw)
フィールドワークが基本のゼミ
私が選択したゼミは、フィールドワークをすることが基本になっているので、何かしらフィールドワークをした上で、卒論や卒業設計に挑むようになっている。地元の商店街を調べて新しい施設を設計したり、ヨットが停泊するマリーナのことを調べる、コーポラティブマンションの間取りを調べるなど、何人かのメンバーはゼミを選んだ時点で決めていた。私は、というと「フィールドワーク?そもそも初対面の人と話をすることなんてできないよー?!」という心境で、できることならやりたくないと思っていた笑。ゼミ選んだのも卒業設計できるところが限られていたからだっただけだし…
さておき、
「30年前にYさんという人が空堀の長屋や地蔵を調査した資料がある。これの現在比較をテーマに卒論を書いてみたい人はいないか?」
というところから、
「とりあえず一度空堀へ行きましょう」
ということになり、ゼミ有志数名で行くことになった。
集合は、谷町四丁目駅
谷町四丁目駅を出発し、谷町六丁目、すなわち、南方向へと歩く
しばらくはビルやマンションが建ち並ぶのみだったが、10分ほどすると2階建ての古い住宅や長屋が見えてきた。
安堂寺のあたりで、2階のベランダもないところに、不思議なドアのある長屋を見つけたのを覚えている(多分もう解体されてる)
路地に入る
大学の系列の短大を卒業した方が、空堀を調査した時の路地(石丸会)を通り抜けた。
そこには、まさに「生活」が息づいていた!!
大阪の郊外で生まれ育った自分からすれば大阪市内は「住む」というイメージがなく、「仕事、消費」する場所だったが、この風景を見て一変した。
洗濯物がぶら下がり、生活物品が路地にはみ出ている空堀の路地をはじめてみて『こんな大都会で人が暮らしているなんて!』という大きな衝撃を受けた。
それと同じくらい『坂道のある商店街』にも新鮮味を感じた。私の知っている商店街は、アーケードこそあるものの道路はフラットだ。
長屋再生店舗と出会う
歩いている途中に見つけた長屋改装店舗がガラス張りでショーケース(移転前の菱屋カレンブロッソ)だったり、
改装中の長屋(後の、パブデッシャロと惣)を見かけた。
『こういう改装しているお店とか調べられたら面白そうだな〜』
とか、軽く思いながらあっという間に
谷町六丁目駅に到着し、この日は解散となった。
この時はまさか、アラフォー(そんな表現当時はなかったけど)になる10数年後になっても関わってるとは夢にも思わなかった。
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