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女は男を前にすれば



雌のインコを飼っている。

彼女は体が大きく、力がとても強い。
指を近づけると、時々本気噛みされ流血する羽目になる。

私の前では、あまり喋らない。
こちらにはお構いなしといった感じで、ご飯を食べたり羽繕いをしたり、気ままに過ごしている。

だが父が家にいると、ご機嫌になる。
父の声とそっくりな声で言葉を喋り始め、よく鳴くようになる。
父が指を近づけると、小首を傾げカキカキをねだる。

私が彼女を掴もうとすると、必死で抵抗される。やっと掴めても、もぞもぞ動いて落ち着かない。
父が彼女を掴もうとすると、多少の抵抗はするもすんなりと手の中に収まる。どことなくしおらしくなって、またもやカキカキされるがままになる。

このあからさまな態度の違いである。
まるで女の前では冷たいのに、男の前では猫撫で声を発するような豹変系女子とそっくりではないか。


インコも人間も、女は大して違いないのかもしれない。



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