ココアのおいしさに気が付いた冬

ツイートに書いてある通りわたしにとって、ココアはダマになる嫌な飲み物だと思い込んでいた。
小学校の頃自分でいれたココアが美味しくなく、最近に至るまでココアを好んで買うことはなかった。

しかし、だ。
冬になるとメンタルの不調を起こすようになり、精神科にも通うようになった。

Twitterで見かけた、「ココアはメンタルの不調に効く」という情報がふと頭をよぎる。
カレンダーを確認した。スーパーに行くのは明日。

急にココアが飲みたいと思った。
明日必ず買おうと、スマホの買い物メモにココアの文字を付けたしておく。

翌日、わたしは忘れずにココアを買った。ここで忘れたというオチがあれば楽しいだろうが、そうはいかなかい。

帰ってきたわたしは購入した食材をしまいつつ、お湯を沸かす。
パチン、と電気ケトルがなった。お湯が沸いたのだ。

わたしはココアの分量を量るため、袋の裏側を確認する。
分量を確認していると、ある文言が目に飛び込んできた。

「まずは少量のお湯でしっかりココアを練ってください」

わたしは手を止めた。
なんだその情報。そんなの知らないぞ。でも袋に書いてるってことは、正しい情報なんだろうな。

物は試しだと思い、少量のお湯を入れてココアを練ってみた。

ココアの甘い香りがふわっと広がる。
粉がお湯と混ざり合いドロドロになっていく。スプーンを動かすと、下のほうから混ざり切っていない粉が顔を出す。

ダマの原因はこれかと思った。混ざり切っていない粉が底にたまっていたのだ。

粉が均一に混ざったのを確認すると、残りのお湯を一気に注いでかき混ぜる。

出来た。ココアだ。ダマがない、絵にかいたようなココアがそこにあった。

わたしは期待に胸を膨らませながら一口飲んだ。
温かく甘い味。ほっと心が緩む。

今までホットドリンクの定番は、紅茶とコーヒーだけだった。そこに、ココアという選択肢が誕生した。

その日以来、わたしは15時のおやつの時間になるとココアを用意する。
漫画やゲームを楽しみながら、ココアをたしなむのがわたしの日課になっている。

お金が好きです。お金のためなら頑張れます。