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過去に結婚なんてしたくないと思わせられた人たちに、結婚の良さを教えてもらった話

 ことしは両親の結婚25周年ハッピーイヤーなので、私と弟から星野リゾートの宿泊ギフト券をプレゼントした。


 泊まるひと月くらい前に「松本に予約したの〜」と報告を受け、迎えた宿泊当日。

 チェックインしてすぐと思われる時間に、母から部屋にいる父の写真が送られてきて(これは通常運転)、その後はウェルカムスイーツとお茶の紹介が続いたのだが、なんと父から(セルフタイマーを使って撮影したであろう)2人の写真が送られてきた。

 母からの父の写真は、出かけた先のご飯屋さんなり、カフェなり、どこか行くたびにいつも送られてくるので、ふぅ〜ん、まただな、くらいの気に留めないレベルなのだが、父の写真は別である。

 父も出かけると母単独の写真を送ってきたりするが、(父と母で撮り合いっこしてそれを家族LINEにあげるのもなかなかだけど)、セルフタイマー使用の2人の自撮り写真?!

 別格である。

 えぇ〜!!うちの両親って、こんなに仲良し夫婦でしたっけ〜?!とびっくりたまげたレベル。

 父はわたしが中2の頃から大3まで、約8年ほど隣の県に単身赴任していたのだが、単身赴任になる前からもあまり夫婦仲が良かったようには見えず(家族仲は良かったけれど、何かある度に子どもたちはお互いに対する小言をそれぞれ聞かされていたような感じだったので)、「そんなに仲良くなさそうなのに、別れたりしないんだな〜」って子ども側は思っていた。

 父が単身赴任になったあとも、月に2回と長期休みは帰ってくるけれど、帰ってきたところで、相変わらずお互いに居心地が良さそうではなかった。

 そんな環境だったので、「一緒にいてピリつくくらいなら、別に無理して他人と暮らす必要もないし、結婚なんてしなくてもいいじゃ〜ん」とわたしは結婚願望ゼロの人間に育っていった。

 そんな中、弟が一人暮らしをすることになり、わたしもすでに家を出ていたので、父が単身赴任である必要がなくなった。

 久しぶりに一緒に住み始めた最初の頃は、父も母も個別に子どもたちに(あの人どうして〇〇なのかしら…はあ〜(ため息))みたいな愚痴を言ってきて、「大丈夫かよ、この人たち」と子どもながらに心配していたのだが、住み始めてしばらく経つと、母から“今日のご飯とお父さん”みたいな写真が送られてきたり、出かけた先で撮りあった写真が送られてきたり、なんだか楽しそうに過ごしてるじゃない。

 久しぶりに実家に帰っても、仲の良い中学生の友達みたいなやり取りしちゃってるし、突然の事態の変化に子ども側は困惑でしかなかった。

 話を聞いていると、お互いに日常の中でモヤっとしたりはあるみたいだけど、子どもたちに愚痴ったりも特になくなったし、努力してかどうかはわからないけれど、お互いに対するネガティブな感情があまり見えなくなっていた。

 子ども側のわたしは、嫌な記憶ばかり覚えてしまっているけれど、もしかしたら、この人たちは最初から、根本はこんな人たちだったのかもしれなくて、自分が気づけなかっただけか、はたまた、改めて2人で暮らすようになって、何か変わるきっかけがあったのかもしれない。

 結局のところ、何でこんなに仲良くなっていたかの正解はわからないけれど、何があっても、2人でこんな風に仲良く出かけて、楽しく笑い合える人に出会えたら最高だな〜って、1番身近な人に思わされたお話でした。

(お父さんお母さん、noteのネタにしてすみません)

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