雪の瀬戸内|瀬戸内2014 前編
友人と行く、瀬戸内&関西の3泊4日の旅。初日から車で東京から岡山まで行くという、結構な大移動となるため、朝5時集合予定。
・・・のはずだった。
出発前日の天気予報によると、10年に一度の大雪とのこと。雪が降ると、岡山どころか関東から出ることも難しい。そんな不安を抱えた出発前夜、友人から電話がかかってくる。
「今なら行ける。」
こうして、3泊4日の旅から4泊5日の旅へと急遽変更となる。
東京脱出
電話をもらったとき、まだ仕事の帰り道だった僕は、友人に「頼むから1時間準備のために時間をくれ」と返し、急ぎ帰宅して荷物をまとめ、友人を待った。そしてキッチリ1時間後の夜22時、迎えにきた友人の車で、東京脱出を図る。
友人曰く、箱根さえ越えてしまえば、後はどうにかなるということで、御殿場を目指すことに。急遽の出発となったため、宿を取っているわけではなく、午前1時に到着したのは御殿場の快活CLUB。
この快活CLUB、漫画喫茶とはいえ、鍵付き個室だったりフルフラット席だったり、かなり快適な場所。友人は運転手でもあり、しっかり休むためにフルフラット席へ。そして僕は、面白半分にマッサージチェア席を選んだ。理由は珍しかったからである。
翌朝目覚めると、雪が積もっている。積もって間もないため、サラサラ雪なのが不幸中の幸いではあるが、すぐにでも御殿場を出た方がよい。こちとらノーマルタイヤである。
すぐに高速道路に乗り込むと、さすが東名高速、何ともないレベル。箱根を越えたら何とかなるという、友人のファインプレーであった。
神戸異人街 大正浪漫
こうして僕らは、一路西へ。神戸に到着したときにはすでに昼時。昼食も兼ねて、神戸の異人街を散歩することに。
異人街は、江戸時代の開国以降の、日本にいた外国人の居留地であり、神戸の他には長崎、函館、横浜あたりが有名。神戸は残っている建築物が40ほどあり、数が多いため、おそらくは最も有名と思う。
時間の都合もあり、全部は見て回れず、入館したのは、風見鶏館と萌黄館の2カ所。異人街とはいえ、普通の住宅街の中にあるため、なかなかに時間がかかる。
数ある建築の多くが、明治、大正時代のもので、いわゆる大正浪漫な雰囲気が素敵。街並みを散歩するだけで楽しい場所だ。
異人街を出て、一路岡山へ、と思ったところ、神戸から岡山の山陽高速道・中国高速道が積雪のため通行止め。全国的な大雪の影響がこんなところまで。
仕方なく、下道で西を目指すものの、高速道路が止まっている影響で、神戸市内全体が渋滞に陥っている。国道をノロノロと進み、通常の倍も3倍も時間をかけて、岡山へと到着した。
高松経由直島
1日ぶりの布団でゆっくり休んだ翌朝、今度は見事に快晴。と、ここでいきなり友人とは別行動に出る。友人は、後楽園や備中松山城など、歴史たっぷりコース、僕は、直島にあるアートプロジェクトの見学だ。
岡山駅の始発で瀬戸大橋を通過し、一旦高松へと向かう。直島に向かうのに、一見遠回りに見えるが、実際遠回りである。理由は位置情報取得のためなのだから、仕方がない。
夜が明けきらない時間の、瀬戸大橋から臨む瀬戸内の島々は、街の明かりと雪の積もった風景が美しい。(瀬戸内の島々に雪が積もることは稀)
高松からフェリーに乗り、朝日に浮かぶ島々を眺めつつ、直島へ。前日の雪騒ぎがウソのように快晴でよかった。
直島 アート作品
直島の宮浦港に到着。直島は、島の北半分は、三菱マテリアルの金属製錬業、南半分はベネッセによるアートプロジェクトの島となっている。
日本中で開催される芸術祭の先駆けにして、継続して地域密着型の芸術祭を行なっている、ナイスな場所だ。このときは芸術祭期間中ではないものの、常設展示のものも多くあるので、それらを見て回る。
循環バスやレンタサイクルがあるようだったが、少し迷って徒歩でいくことにする。結果的に余裕。穏やかな島を散歩しながら、点在するアート作品を見るのが楽しい。
途中の普通の家々にもアートっぽいものがちらほら。ベネッセがバックにあるとしても、このような地域密着型でないと、芸術祭は成功しないのだろう。
以下、見て回った作品・美術館
「はいしゃ」
廃材で作られた家。ここでチケットを買う。床にちりばめられた紙?が観てて楽しい。
受付の女性によると、前日は雪により閉館だったとのこと。危ない。
「角屋」
水が張ってある上に数字が動いている。これは面白い。
「護王神社」
クリスタルっぽい階段がある。地下に入るとクリスタルの階段が地中から伸びているのが分かる。夜に来たらなお綺麗なのかもしれないね。
「南寺」
真っ暗な空間。しばらくして目が慣れてくると前方の四角に微かに光があるのが見えてくる。実はこの光、最初からあったらしく、純粋に目の慣れだけのものらしい。最後は人の影もはっきり見えたので、人体って不思議である。
「ベネッセアートミュージアム」
ベネッセによる現代美術館。海に面しており、開放的な場所で、宿泊施設も
併設されている。ベネッセの本気を見た。
また、ベネッセビーチという砂浜には、屋外展示作品もいくつかある。また、直島のシンボル的な、草間彌生作品「黄かぼちゃ」もここで見学することができた。
「李禹煥美術館」
鉄板を使った現代美術家である李禹煥の美術館。建築家安藤忠雄とのコラボ美術館とのこと。
「地中美術館」
最高。ここの子になろうと思った。
展示数は少ないものの、ここでしか観られないものが多数あるのは良い。ウォルターデマリアの石も良かったけど、一番は四角い空が見られるところか。光の使い方で時間によって変化するのは見ていて飽きない。
「Iラブ湯」
外観のみ。昔の銭湯を改装した作品。実際に入ることもできたが、タオル持ってきてないしなぁ、ということでやめる。
以上、直島をゆっくり一周し、ちょうど夕方ごろに元の宮津港に戻ることができた。1日ゆっくりできる場所というのは本当に素晴らしい。
赤穂 「赤」
宮津港からフェリーで、岡山の宇野港へ。位置情報はすでに取ったので、高松に行く必要はない。宇野駅から電車で茶屋町駅まで移動し、そこで友人と合流。車中、備中松山城の素晴らしさについて、懇々と説明を受ける。
そこから、本日の宿である赤穂まで向かう。赤穂浪士でおなじみの赤穂に到着すると、山に「赤」という文字。京都の五山送り火的なノリのようだが、この「赤」はネオン電飾。これはヒドイ。
宿のおじさんに「赤」の由来を聞くと、「赤穂の赤だから・・・」と苦笑い。これはヒドイ。
宿のテレビで地元ローカルな番組をやっており、明石焼きの特集。これは最高に美味しそうだと、翌日の昼食が決定。珍しく食事が目的になった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?