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ぴやまるビジョン2021

~ XRとロボットで実現するスマートデジタルツーリズム ~ 

2016年4月、私たち「ぴやまる」は誕生しました。2021年4月1日で6年目を迎えます。
2016年は「VR元年」と言われ、Oculus RiftやHTC Viveといったヘッドマウントディスプレイ(HMD)の登場やアミューズメント施設への導入があり、各メディアが大々的に取り上げました。これまではあまり身近でなかった一般ユーザーでも簡単にVRを体験できるようになりました。一方、産業側ではVRを活用してマーケティングなど、ビジネスに取り入れようと試み始められました。当時、これからはVRを活用したアプリや施設などが主流になリ、いろんな分野でVRが活躍するだろうと、世の中が動き始めたのが2016年です。

過去のハイプ・サイクルから見るXR関連技術のトレンド

Gartnerが公開するさまざまな新興技術に対する関心の高さや普及度合いなどをまとめた先進テクノロジのハイプ・サイクル(2020年)「Hype Cycle for Emerging Technologies, 2020」によると、XR技術関連は新しい技術の登場を示す「黎明期」「過度な期待のピーク期」「幻滅期」を超えて、既に「啓蒙活動期」に入っています。直近のハイプ・サイクルのトレンドを考察すると、XR関連技術とIoTやAIを絡めてさらに進んだ技術体系が期待されてきています。

■ 先進テクノロジのハイプ・サイクル:2018年

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■ 先進テクノロジのハイプ・サイクル:2019年

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■ 先進テクノロジのハイプ・サイクル:2020年

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ハイプサイクルは、何らかの技術が登場して期待が高まり、次第に普及していく過程を次のつのフェーズに分類するものです。
(1)黎明期(Innovation Trigger)
(2)過度な期待のピーク期(Peak of Inflated Expectations)
(3)幻滅期(Trough of Disillusionment)
(4)啓蒙活動期(Slope of Enlightenment)
(5)生産性の安定期(Plateau of Productivity)
特定の技術が成熟するまでのどの段階にあるかを見極める判断材料になる。
Gartnerは、企業経営者や投資家、マーケター、研究開発チームなどが技術を検討する際に考慮すべき情報だとしています。

​XR技術への期待

XR技術面では、AppleのARKitやGoogleのARCoreなどのSDKに加え、3Dコンテンツ開発プラットフォームやツールの充実により、XRアプリを容易に開発できる環境が整ってきました。XRが馴染みのある技術として社会的に認知されるようになりました。こうした技術進化に加え、5G普及や新型コロナウイルス流行といった要因が、XRの進化をさらに加速させつつあります。「大容量・低遅延・多接続」の5Gによるリアリティの向上や、「非接触」の実現、「三密」を避けるテレイグジスタンス体験として、XRの活用が世界的に注目されています。

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2021年現在、XR市場は指数関数的な成長段階にさしかかっています。XR技術は、いまやゲームに代表される遊びの範囲を拡大させるためのツールとしてだけではなく、様々なビジネスシーンでも活躍の幅を広げています。

「VR元年」と呼ばれた2016年を経て、XR市場は確実に勢いを増しています。IT専門調査会社IDC Japanのレポートでは、2019年~2023年の5年間におけるAR/VR市場の年平均成長率は78.3%と予測されており、その成長スピードにも加速が見られます。ここ数年で、FacebookのOculus Goが2万円台で発売されましたし、外部センサを使わずにHMDのみでVR空間を歩き回れるOculus Quest2も一般の方が手に届く価格帯になりました。VRを楽しめるハードウェアが、低価格で提供されるようになったのは、VRが市民権を得るうえで重要なファクターです。ソフトウェアの面では、同じVR空間内にログインした複数人でコミュニケーションをとれるバーチャルイベントのプラットフォームがいくつか登場してきました。こういったプラットフォームは、ひとたびユーザが増え始めると、ネットワーク効果によって爆発的に広がり、今でも急速にユーザ数が増えています。今年は、『ソーシャルVR』といった新たなプラットフォームが台頭し、市民権を得たXRはキャズムを越えて、次のステージに足を踏み入れていくでしょう。

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今般のコロナ禍により、学びや体験を提供するセミナーやツアーなどの業界では、事業継続の対策として、従来からある動画配信やGoogleストリートビューツアーに加え、オンライン/バーチャルツアーを企画/提供しています。これらの対策の注目度が高まっている理由は、「“3密”が避けられる」、「移動が不要」、「遊休施設・人材が活用可能」といったメリットがあるからです。しかしながら、これらの動画配信や Googleストリートビューツアーは、PCやスマートフォンの画面越しに視聴するため、リアルな体験と比べると没入感はありません。訪れた視聴者をさらに学びや体験の世界に引き込むには、「没入感」が必要です。この「没入感」を与えるイマーシブ・テクノロジー(没入型技術)こそ、Withコロナ観光の成功の鍵となります。また、先のGoogleストリートビューツアーには、ポップアップや追加の情報は含まれません。
そのため、映像や音声のみで理解するのは簡単なことではありません。視聴者がより理解度を深めるためには、視聴者がどこを見て何に興味を示し、どんな情報を表示するかについても重要なファクターとなります。さらに、学びや体験には重要なのが配信者と視聴者の共感です。これまでの動画配信では、視聴者側の反応が分かりにくい。視聴者のリアクションが配信側に伝わって初めて共感が生まれます。


株式会社ぴやまるは、Withコロナの時代にふさわしい次世代の「スマートデジタルツーリズム」の実現に向けて、「XRとロボットで実現するスマートデジタルツーリズム」の研究開発に邁進します。

2021年1月1日
株式会社ぴやまる
 取締役兼CTO/XR研究センター長
  島 浩章

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