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『投資家の日常は、いとをかし。』 #1 2024年1月 前編 ポッドキャストをリニューアル! テキスト版

rennyさんとの対話のポットキャストをリニューアル。リニューアル第一弾のテキスト版です。



ポッドキャストのタイトル変更

renny:まずは去年12月の会でもお話しましたポッドキャストのタイトル変更について。月次レポート研究所のポッドキャストというタイトルで、投資信託の月次レポートをテーマに話をしていくっていう趣旨ではじめましたが、目立ったレポートがないということで、吉田さんとの月1回の対話は月次レポートにこだわることなく話していくのがいいだろうなということで、吉田さんといろいろご相談した結果、新たなタイトルを「投資家の日常は、いとをかし。」に決めました。このタイトルについて吉田さんの考えをお聞かせいただけますでしょうか?

吉田:古典から言葉を取るなら「いとをかし」がいいかなと思って、これは現代語にすると、興味深いとか、素晴らしいという意味になります。投資先の企業だったり、投資信託だったり、これは興味深いよね、みんなに紹介したいよね、というような話を続けていくと思うので、タイトルに「いとをかし」を入れたいなと思ったんです。

renny:投資判断というか強い判断まで至らずとも、興味を持つというか、調べてみようかな、って思う原点は好奇心だと思いますし、その好奇心を大和言葉で表現すれば「をかし」というような感覚なんですよね。

吉田:そうです。

renny:吉田さんお話してくださったように個別の会社であるとか、投資信託は確かに投資っていう目線でいくと、その投資対象に巡り合うまでのプロセス、その過程で「をかし」というか、関心を持つようなことがあれば、そういうようなお話もしていきたいなというようなことですよね。

吉田:はい。

renny:また吉田さんとの毎月の対話は「投資家の日常は、いとをかし。」というタイトルになりますが、僕の運営しているポッドキャスト全体としてはですね、これからは「投資を語らう」というタイトルをメインタイトルにさせていただこうと思っています。モチーフというか、参考にさせていただいたのは、吉田さんが長く続けられてるブログのタイトル「投資を楽しむ」だったのですが、このタイトルはもう相当昔ですね、15年以上前ですかね。

吉田:もうすぐ20年ぐらいかもしれないです。

renny:いや、投資を楽しむっていうふうなのって、投資の楽しみ方はいろいろあるのかもしれないですけれども、吉田さんのような楽しみ方をされているケースはまだまだ少ないんじゃないかなと思うんですけれども。

吉田:ちょっと変態の部類かも。

renny:吉田さんご自身でどのあたりが最も変態だと思われるような感じですかね。

吉田:人生全体で考えたら投資リターンはおまけみたいなもんだよね、と考え方が根幹にあって、あまりガツガツ儲けようとかっていう感覚はなく、ただ世の中を見ていていいなと思った企業があって投資してみたら、株価が上がったみたいな、そんな投資の仕方なので。

renny:このポッドキャストでも、吉田さんのこれまでの投資家としての歩みをお聞きしましたけど、金銭的なリターンはオマケみたいなもんだ、というのは、「投資を楽しむ」ってタイトルつけられた当初からそういうふうな気持ちだったんでしたっけ?

吉田:割と最初からですね。株式投資を始めたことで、それまで推理小説しか読んでいなかった人間が、すごく幅広い分野の本を読むようになっていって、「株式投資を通じて、世の中を見つめて楽しむ」って感覚を短くして「投資を楽しむ」ってタイトル付けをしたんですよ。

renny:そういう意味では、投資の成果として取得された金融資産の時価が時間とともに評価が上がっていったところはあると思うんですけれども、それ以外に行動をしたことで、別の資産を一緒に合わせて取得されて、そこから次に新しい関心とか、そういうのが広がっていったっていうような感じですかね。

吉田:そうですね。どんどん自分が認識できる世の中が広がっていくのが楽しいみたいな。

renny:そういう意味で僕もそこの境地に達するかどうか、どれぐらい変態度合いを追求できるかわからないんですけれども、ポッドキャスト全体というか他のシリーズも合わせてですね、その投資について語らう、資産を増やす、お金を増やす以外の何かそういう機会を持ってもらえれば嬉しいな、そういうものを提供できたらなと思っています。アートワークといいますか、見てくれみたいなところも、ちょっとずつ手を加えていこうかなと思って準備してるんで、そのあたりもご期待していただきたいなとは思っています。

正月の過ごし方

renny:さて2024年明けて、1月も半分ぐらいが経過したんですけれども(収録日は1月17日)、吉田さん、今年の正月はいかがお過ごしでしたか。

吉田:とくにどこにも行かず、前にポッドキャストで紹介させていただいた「乃木坂しん」さんにおせち料理をお願いしていて、それを正月に美味しくいただきました。

renny:初詣とかお出かけになったりしないんですか。

吉田:人がたくさんいるところが苦手なので、結局1月5日ぐらいに七福神巡りで、品川区内の神社とお寺を七つ回りました。

renny:僕はもう初詣っていうとですねもう物心ついたときから、京都の三つの神社を参るお参りするっていうのがもうずっと続けてて、最初にお参りするのは京都の伏見稲荷神社なんですけれども、伏見稲荷神社って、お正月、ものすごい人が参拝に訪れられるっていうところで有名ですし、インバウンドで外国人の方いっぱい来るんですよね。

吉田:あれは海外の方が好きそうですよね。鳥居がいっぱいで。

renny:すごいたくさん来られてて、僕の実家から車で京都まで入って、京都の中で電車で移動するんですけどね。JR奈良線で京都駅と伏見稲荷駅の間に、東福寺って駅があってですね、ここ数年は東福寺の近くの駐車場に車停めるんですけど、その近くの神社は毎年閑散としていたのに、今年はすごい長蛇の列なんですよ。なにかと思ったら、神社の名前が瀧尾神社。名前に「龍」が入っているので辰年っていうのもあって、本殿かどこかの天井に立派な龍の彫刻があることで、辰年の縁起で人がわんさかいてですね、辰年だから今年はここだ!ということだったようです。毎年初詣に訪れる神社を変えてらっしゃる人って結構いるのかな。京都には年末にも行ったんですけど、やっぱりインバウンドの回復を実感しましたね。

renny:だから初詣は例年通りだったんですけど、今年はそういう全く予想外のことが起きてあって面白かったですね。実家から帰ってきたんですけれども、1月4日、5日は会社に仕事へ出かけて、6日の日に発熱しましてですね、ちょっと今もあんまり。。。もう熱は完全に下がったのですが体調はいまいちで、熱が下がった2日、3日後ぐらいにアルコールを摂取したのがあんまり良くなかったっぽくてですね。今はお酒も控えて、来週以降はシャキッとするように体調を整えてるところです。

新NISAでどう動いた?

renny:1月入って、あちこちでというかもうNISAをどうするかと皆さんいろいろアクション起こされてると思うんですけれども、吉田さんはどうされていますか?

吉田:まだ何もしてないです。

renny:そうなんですね。僕は少し行動しましたが、去年で期限を迎える旧NISAの商品があったんで、それを全部解約して今年の新NISAに移し替えようとしていたら、なんか年明けからすごく株価が上がってこれは何だ?という感じですが、ここ最近の株価急騰というか上昇は、吉田さん何が要因だと思われてます?

吉田:新NISAで日本株が上がるとも思えないんですよね。

renny:そうですよね。オルカンファンドが1日で2000億円とか流入しているというニュースもありましたし、日本の普通の個別株式の需要が増えたようには思えないですよね。

吉田:なんか気持ち悪い上がり方だから、とりあえず私は売りました。

renny:ただ中国で売られてる日経平均のETFか何かが、実際のバリエーションよりも高い値段で取引されていて取引停止になっているというニュースをちらっと見ましたけどね。中国の人たちが爆買いしてるという説もあったりですね。新NISAはしばらく様子見って感じですかね。

吉田:そうですね。もしかしたら積立投資枠は一切使わないかもしれないな。

renny:だからそこは悩ましいですね。ただ今の制度だと年間120万円の5年分の600万円は、積立投資枠でしか埋められないんですよね。

吉田:そうなんですよ。それを使わないと損という欲望に勝てるかどうかのせめぎあい。それに今から新規の資金を入れてまで、非課税を狙おうという気持ちもないし。日本株で本当に応援したいと思えるファンドが、新たに積立投資枠に出てきたら、って感じでいいかなと。

renny:そうですね僕は今年のつみたて投資枠のところは、ファンドを絞り込んで埋めちゃおうかなと考えているのが一つ、あともう一つ、今年は普通のネット証券にNISAの口座を開いたんですけれども、例えば来年は鎌倉投信さんに1年限定でNISAを作って、つみたて投資枠も成長投資枠も合わせて360万円分使うのもあり得るのかな、と思ってたりはするんですよね。

お金の有意義な使い方を考える

吉田:積立投資枠については結構悩んで。たとえば今から5年間、600万円積み立てて、そこからさらに10年運用すれば、投資の成果としては結構いい額になるとは思うんですよ。でも15年後は私60歳なんで、そのときに手にするお金って嬉しいかな?って考え始めちゃって。今は45歳でまだ元気だけど、60歳になった時にお金を使って楽しめる元気は今みたいにあるのかな?って考え始めると、いまのうちにお金を使って遊んじゃうのも大事なことだなって思ったんです。だから現状からさらにNISAを使ってさらに資産を増やすとか、そんな欲を出さなくてもいいんじゃないかなって。

renny:確かにそれはそうですね。お金を使うという表現がいいのかどうかわからないですけれども、どんどん、どんどん金融資産だけを膨らましても、それどうやって使うのか?というのは贅沢な悩みかもしれないですけれども、そういう面はあるかもしれないですね。税制の優遇があるからといって、他の機会に投資をせずに、金融商品に投資しちゃうとかっていうのは、勿体ないことかもしれないですよね。

吉田:「DIE WITH ZERO」っていう本も読んで、資産ゼロで死ね、みたいな話なんですが、その中でもお金を使って経験を得られる能力は45歳をピークに減少していくと書かれていて、それなら節約して投資するくらいなら、お金を使って思い出を作ることの方が大事だなと感じたんですよね。

renny:その辺のバランスみたいなものはありますよね。「DIE WITH ZERO」はすごく売れている本で名前だけは聞いたんですけど、お読みになって、今のお話とか含めて、それなりに納得感あるような主張があったんですか。

吉田:そうですね。私も若い頃から、ここでお金を使うより、投資した方がお金が増えるみたいな感覚で続けてきちゃったところがあるので、有意義なお金の使い方をちゃんと考えてきたかな?と反省させられたっていうところはありました。

renny:そうですね。お金の使い方をどう考えるかっていうのは、その株式投資もそのお金の使い方の一部だとは思うんですけれども、それ以外に選択肢というか、意味のあるお金の使い方っていうような投資機会を探すのってまたそれも難しいですよね。

吉田:株式投資よりもたぶん難しいんじゃないですかね。

renny:たとえば年明けの地震のケースでも、寄付したいなと考えたときに、僕は普段寄付しているところで、知ってるところであるとか、あるいはコモンズ投信さんなんかが過去にイベントで取り上げられてたNPOみたいなものを紹介されてたんで、そういうところに寄付しました。NPOへの寄付っていうのも、課題はいくつもあるとは思うんですけれども、こういう天災が起きたタイミングだけお金集まっても、おそらく組織としてはなかなか難しいというか、平時にもある程度フルタイムの人がNPOにいないと、いざというときに人が動けないと思うんです。だからドカンとお金を寄付するよりも、こまめにちょこちょこ、コツコツ寄付している方が、こういうことが起きた時の備えになるんじゃないかなと思うんですよね。

吉田:そうですね。

renny:今年の正月明けて、地震以外にも羽田空港で事故があって、ちょっと考えられないような事故にも思えて、日本の安全管理とかそういうような部分が、うまくいってないところがあるのかなと思ったりもしたんですけれども、吉田さん何か感じられるところありますか。

吉田:飛行機の件は、ひっきりなしに着陸して離陸して分刻みのスケジュールで飛んでるので、ちょっと過密だったところに、災害が起きて救助に行かなきゃとスケジュールを組み込んだのも原因だと思うんですよ。企業の経営も同じで、普段から効率重視で目一杯回していると、予想外の事態が起きたときに対応しづらくなるのと似たような感じで起きた事故だったのかなっていう印象は受けましたね。

renny:それはさっきの寄付の話にも繋がるかもしれないですよね。普段からの備えっていうのは、突発的な緊急事態に対応しなきゃいけないときの対応力というか、そういうところの支えになる可能性っていうのはあるっていうことなのかもしれないですね。

後編に続く

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