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設定来の歴史を振り返ることのできる投信を選びたい

前回、リーマン・ショック前後に投資信託はどのような情報発信をしていたのか振り返りたいと書いたのだが…

まったく見つからない。それどころか新しい月次レポートが開示されると、前月分はウェブ上から消えてしまうのが普通であることが分かり、認識の差に愕然とした。

rennyさんによると、設定来の月次レポートを公開している投信もわずかながらもあるとのこと。しかしすべてリーマン・ショック後に設定された投信だ。

もうひとつ過去の月次レポートを調べたかったテーマは、東日本大震災前後の東京電力株の扱い。2000年頃から「SRI(Socially Responsible Investment)」や「エコ」を冠したテーマ型投信が流行った時期があり、クリーンエネルギーの旗手として原子力発電を評価する傾向にあった。しかし押し寄せる津波と共に、一夜にして善から悪へと転落する。

かつてのSRIやエコは現在、「ESG」という形で再びブーム化し、「名ばかりESG」が問題視されている(日経の記事朝日の記事)。もしも過去の大事件の対応を振り返る資料が公開されていれば、ESGブーム以前から真面目に向き合っていたことをアピールする材料になっただろうに…。

リーマン・ショックや東日本大震災のような危機の時の対応の積み重ねが、信頼の源になるものだと私は思う。その投信の歴史を振り返ることができるかどうか。これを資産形成に資する投信選びのポイントに加えることを検討したい。

愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ。(オットー・ビスマルク)



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