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vol.9 空気を支配するひとたち

こんにちは、haruです。
イベントやeスポーツ、ゲームや音楽などオンライン・オフライン問わずエンターテインメントを生業にしています。

今日はこれまで見てきたライブでとてつもないインパクトを受けた3人のアーティストについて書きたいと思います。
ちなみに、僕は過去に音楽関連の仕事をしていたこともあり、年間200〜300くらいアーティストのライブを7年程見続けるという生活を送っていましたのでそれなりに数は見てきていたりします。

空気を支配するということ

その3人には共通点がありました。それは出てきた瞬間に場の空気を支配したということ。本当に空気が変わるのです。ステージに上がったその瞬間に。

ファンだけでなく、全然興味が無い人も強烈に惹きつける。一緒のステージにどんなアーティストがいようがその人しか目に入らない。理由はわからないけど、きっとこれがスターと呼ばれるものなのかと。そう思います。

木村充揮

1人目、天使のダミ声。憂歌団の木村充揮。
2002年5月、コンサート春一番。服部緑地野外音楽堂にて。


木村さんを見たのはこのときが初めてでした。
お客さんではなく、スタッフとしてバックステージを走り回っていましたが、あまりに衝撃に思わず客席に降りて聞き惚れていました。
一声目、一言歌い出した瞬間に服部緑地が別の空間に染められたのです。
曲なんて1曲もわからないけど、あほみたいに口開けて聞き惚れていたのを覚えています。

ムッシュかまやつ

2人目。ムッシュかまやつ。
2004年3月、新宿ロフトで行われた「らも meets THE ROCKERS」(中島らものバンド)のライブにゲストで出演されていました。


このライブでもお客さんではなくスタッフとして参加しており、リハのときからそばで見ていたのですが、リハーサル時には正直ただのおじいさんにしか見えない(そしてニット帽は絶対脱がない)。

しかし本番になるとまるで違うのですよ。
中島らもさんに呼び込まれてステージに上がった瞬間に、これまた主役よりも完全に目立って、すべてを持っていってしまいました。

ああ、音楽の常に第一線で40年も50年も生きているっていうのは、こういうことなんだと。

忌野清志郎

最後はボス、忌野清志郎。
2005年5月の大阪城ホールでのライブです。

忌野清志郎https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BF%8C%E9%87%8E%E6%B8%85%E5%BF%97%E9%83%8E

その日は何かのロックフェス系のイベントでワンマンライブではなく、様々なアーティストが出演してました。
この日はお客さんとして。縁があって招待いただいたライブだったのですが、正直なところ清志郎に興味はなく、一緒に出演していたハイロウズとスカパラがお目当てでした。

ライブも中盤、お目当てのハイロウズで大変満足し、トリのスカパラとの間には清志郎バンド。外に食事をしに行くという選択肢もあったのだけどせっかくなので1曲くらいはと客席に残っておいてよかった。

バンドの演奏が始まり、MCが叫ぶ、「キング・オブ・ロォォォォォックー!」
煽りに煽ってド派手な衣装で出てきた清志郎の神々しいこと。

ステージに出てきた瞬間にすべての空気を変え、ハイロウズの余韻なんて一瞬で吹き飛びました。曲だってあの「雨あがりの夜空に」しか知らないけど、全部が全部かっこいい。こんな事あるのかと衝撃を受けました。

最後の曲でステージに飛び入りゲスト参加させられていた甲本ヒロト、奥田民生、スカパラの面々がまるで子供みたいに演奏して歌ってます。格が違いすぎる。

この時一緒に見ていた友人が「フジロックで見た井上陽水」がまったく同じだったと。
まったく興味なかったけど、初めて見たけど、お目当てのバンドよりも何よりも一番かっこよかった、と。


世の中にはスターっていうのがいて、その場にいるだけで空気が変わるっていうのは本当でした。

その3人以来、そこまでの人には残念ながら会えていないです。
(3人のうち2人は残念ながらお亡くなりになりましたね)

理屈では説明できない、そういう存在を知るということは
エンタメを作る側になった今としては非常によい経験でした。

自分は演者ではないけれど、そこまでお客さんに感じさせる舞台をいつかは作ってみたいものです。

それではまた。

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