2.5次元舞台『ツキステ 。』の話をします(第5幕)
https://note.com/pixivest/n/n00b753c6b919
↑第4幕のまとめはこちら
第5幕『Rabbits Kingdom』(2017.11.30~12.3(大阪)/12.7~12.22(東京)) 計30公演
―出会うはずのなかった彼らの、物語。
みなさんこんにちは、Sufayです。
今回はツキステ。第5幕『Rabbits Kingdom』を語りつくしたいと思います。大阪と東京での公演、加えてグラビverとプロセラverの2パターンがありました。
※第3幕とは違い、12人全員は全公演を通じて出演しています。
いや……まず、公演数多くね?!
めっちゃ多い。
え、そんなにいいんですか?!とこちらが謎の恐縮を感じてしまうくらい多い。当時は何も感じませんでしたが、これまでのステ。を振り返るとやっぱりボリューミー。何を隠そう筆者も第5幕は計4回ほど現地に足を運ばせていただきました。
これはイブステEP2に匹敵する観劇回数です(笑)。
そんな今回の舞台は、『兎王国』!
キタ―――――――!!!!原作ファンの方はお馴染み、『待ってました!』という感じですね!
第4幕千秋楽の日に発表がありましたが、現地劇場もライビュ会場も阿鼻叫喚でした(マジで)。当時『兎王国』をあまり履修していなかった自分でも「めちゃくちゃ重いよ」とは友人から聞いていたので「ヤバい」ことだけは何となく分かったのですが……
結論:めちゃくちゃ重かった
とりあえず抑えておくポイントとしましては
〇5幕=異世界に生きる彼らのifの物語
If、つまり「もしも」のお話です。
簡単に言うと『顔や名前が同じだけで、アイドルをやっている人間の12人じゃない』『年齢や経歴、過去も人間のみんなとは全く違うし、人間としての記憶も当然(ほぼ)ない』
ということになります。
(この辺はCLAMP作品をお好きな方だととても馴染み深いようです)
つまり。
アイドル(私たちと同じ現代、この地球the Earth🌏)に生きているみんなじゃないから、どんな展開になろうと『これはフィクションです!』で通せる!
ということです!笑
推しが作中でどんな目に遭おうと強く生きような……(ガッツポーズ)
あらすじは公式HPをご参照いただくとして。
今回は各登場人物のイチオシポイント等を語っていきたいと思います。
※重大なネタバレがあります
※全員ウサギなので、苗字は省略させていただきました。ご了承ください
~グラビ~
始:最強にして〝ハッピーエンドの王様〟
……『兎王国』に限らずほとんどの世界で〝はじまり〟を司る彼が最後に採った行動……それは、自分もまきこんで世界を0から始める、という選択でした。
いうなれば、絵本の結末が気に入らなかったので自分で作ってみました!という感じ。
この世界の始さんは民や仲間に慕われていますが、力が大きすぎるゆえに『孤高』の王様として描かれています。(この〝一人〟であるオーラに隼は惹かれたのですが)
グーパン(物理)が強すぎて、もう全世界を救える気がしてきました。
(あそこで殴った瞬間に「はじめさぁあぁん!」と全俺がスタンディングオベーションしました)
春:王を守る優しき宰相。
……そうなんです。兎王国の春は宰相として始の右腕になり日々働いています。アイドルの春よりやや控えめで、サポート役に一層徹している雰囲気もありました。
色々割愛しますが……とあるシーンについて私は言いたい。
なぜそこで手を握らない!?!?(inベッド横)
ほんと……ほんっとうに不器用なんですよ春さんは(頭抱え)。
モブ「宰相はな、あの事件のあと寝ていないんだぞ?!」
私「寝て!!」
と全員が思ったはず。でもこのあとモブが良い事を言うんですよ全く……ラストで始の名前を呼ぶ春さんの感極まった涙声には何度も泣いた(私が)。
追伸:始とディアがダンスしてる背後からそっと現れた瞬間「あ、これは殺意持ってる」って全員が思いましたよね。
新:まさかここで明かされた眼帯の秘密。
……原作(公式が当時発表した『兎王国』の情報)では明かされていなかった、新の眼帯の下がなんとアッサリ!^^ 公開されました~!!
私「オッドアイ……だと」
赤い目を持っている方に眼帯を付けているそうです。
その目を見た恋君が「林檎みたい」と言ったら
新「それ、お前で3人目」
とあっさり笑っていましたが。
これ激重なのでは……(※ちなみに3人というのは、始、葵と恋の3人です)
こうさ.....あるじゃないですか。先天的に赤い目だった場合、差別的なものを避けるため、もしくは周囲から『違う存在』だと指摘されるのを避けるために自ら眼帯をしていた可能性もあるわけで。
でもそれを笑って「林檎=きれいなもの」と言ってくれる仲間に出会えた……よかったね新(すぐ深読みする)。
ついでに物語のラストで、葵がアップルパイを作って持ってくるシーンがあるんですが。
これは新の眼を葵が好んでいることの隠喩だと勝手に解釈しています。(拡大解釈)
葵:所作がマジで王子さま。
……葵は他のグラビメンバーよりも身分が少し高く、原作でも幼いころから城で暮らしていた、とあります(※理由は省きますが、黒年中なかなかにエモーショナルです)
舞台上での葵くん、お辞儀や手の動作が本当に優雅で王子様なんですよ……
最終決戦前に新と葵が交わす言葉がまた胸アツすぎて……とりあえず円盤を見てください。
まさに葵“王子”。(合掌)
恋:どの世界でも頼もしい駆の相棒
……と勝手に私が認定しました!(どや)
とりあえず自分がいちばん泣いた、恋の台詞があります。物語本当のラストにて、
『ここに居ない人いるじゃん……みんないないと意味ないんだよっ!』
4公演観たけどこのシーンで4回とも号泣していたのは私です。
明るくて、面白くて。でも人並みに〝恐怖〟も持ち合わせている恋は、私たち観客にどこか親近感を与えてくれます。「あ、みんなもちゃんと怖いんだ」と静かに教えてくれるのが恋です。
でも強いんだ...決戦前の「大切な人を守りたい」で全女子がオちたといっても過言ではない。
駆:君がいる限り希望は残る。(邦題)
......これはツイッターで見かけた感想なんですが、第5幕で兎王国に入った瞬間、第一声を発するのは駆なんです……つまり彼の言葉がスターターになっている。
『ツキウタ。』の一番星であるかけるんで物語が始まるのは本当に尊い、素晴らしい。
始さんに頭を撫でられた時に、愛犬レベルでデレているのがまた愛おしい。(飼いたい)
そ し て!
恋と駆が、最終決戦前に『朝ごはん』の話をしてくれたあの瞬間に誰もが救われたと私は勝手に思っているよ……あの話があそこで出来るのは黒年少しかいない……本当にありがとう!
~プロセラ編~
隼:〝終わり〟を司る〝何か〟(真理)
……何を言っているのかと思う方もいるでしょうが、本編を見た方でしたらご納得いただけると思います。兎の耳が取り外し可能ってどういうことやねん。
自分の片割れ(※始じゃないです)と心中するのはどんな気分だい?と言いたげなくらいの激重設定。個人的に5幕は歴代ステ。の中で一番のシリアス展開だと思います(よく4回も観たな自分……)
仲間を愛し、世界を愛したが故に隼が取った行動をぜひ見届けてあげてください。
(そして見届けたけど納得いかん!となったのが始さんです)
海:大らかな白兎の王。
……そうだ思い出した、『兎王国』の海さんも過去一でシリアスなんですよ(震え声)。
なにせ一度死にかけています(9割死んでた)。原作『兎王国』のドラマCDを友人から聞かせてもらったときに、冒頭で一時停止しました。
私「(せ...戦場だと?!)」
『愛』に裏打ちされた海さんの色んな言動や行動を見届けてください。この世界にいる海の魂はある意味で綺麗すぎました...それが原因で今も生きているのですが(ここ重要)
あともう一つだけ。
春は祈るように手を握るけど、海は優しく頭を撫でるのホントしんどい(遺言)
陽:魔王様への優しさに全俺が泣いた
……やっぱりどの世界でも人がいい陽くん。『兎王国』でも隼のお世話等々を色々任されていました(くじ引きで)。だがそこがいい。
文句言いつつちゃんと面倒見てくれる陽くん、もはやチャラ男なんて呼ばせない。
早く夜くんを幸せにしてやってくれ、俺からは以上だ。
釣りは取っておきな(夕日に向かって去る)
夜:君の姿に全俺が泣いた(その2)
……原作『兎王国』設定より、この世界の夜くんは脚を怪我しているのですが。舞台上での夜が本当に健気で、でも強いんだなあ……これが。
怪我を自分の言い訳にすることなく、しっかり自立している。
これはどの世界でも共通していることかもしれないですが、白年中は一見すると
『陽が夜の表に立って腕を引っ張る』
ように見えて、
『陽の精神的支えは夜』
っていう構図が多いかなあと思いました。
いや尊すぎるでしょ。まさに〝陽と夜〟
(陰と陽) ~END~
涙:生き残った物語の記し手
……夜くんの時に書き忘れたんですが。涙と夜は、白兎たちの歴史を本にしようと日々を書き記していました。理由は『僕たちになにがあったのかを知ってほしかった』から。
この“本”は物語全体を通してとても重要なアイテムになっていきます。
どんな時でも白兎の仲間たちを思い続ける涙の姿にはもう……あのですね……しんどい。
今回もいっくんとのベストコンビ賞獲得、おめでとうございました。
郁:スパダリ10000000000点
……あんな大きな剣を振るういっくん。大切なものを守るために戦ういっくん、海を目指して強くなろうとするいっくん……イケメンかよ。
登場時の日替わりでうさぎ跳び(物理)やったり、素振りしたり、腕立てするところが毎回楽しみでした(笑)
※今回お芝居パートの中ではムツ◯くん代表格のギャグ部分がなかったので、もう笹子を召喚するしかない。シリアスクラッシャー
~ゲスト~
ディア:孤独と絶望が生んだもう一人の〝隼〟
(演:鮎川太陽)
……はい。やってきてしまいました、この人が。
名前はディア。
数千年を一人で生きていた隼が抱える〝孤独〟の感情が自我を持ち、独り歩きを始めたのがディアです。
つまり、隼の分身。
長身、銀髪という外見の特徴は確かに隼そのものですが、横暴な口ぶり、世界を呪うような言動は隼と似ても似つかない部分もあります。
ですが、あくまでディアは隼から生まれた存在、ということを肝に銘じて見て頂きたいと思います。
演じていただいたのは鮎川太陽さん。以後、ツキステカンパニーに愛されるお一人になります(バクステ見るまでディアのイメージが強烈すぎて人間じゃないと思ってましたすみません)
ラパン大臣(演:石田周作)
……ラパンさん!おちゃめだけど黒兎王国を思って一心に尽くす姿にとっても感動しました。「そんなのびーっくりサプライズ!」が好きすぎてMVPです(大好き)。
石田さんには今後のステ。ともども大変お世話になりますorz
※第8幕参照
カラヴィンカ:鳥族の女王(演:五束由衣)
……カラヴィンカさまあああああああーーーーーーーーー!!!!!
美声!美しすぎて劇場がもはやオペラハウス!
お声には今後何度も助けられます!8幕もスケステもよろしくお願いいたしますorz
『みっともない姿を見せるな!』は聞くたびにこちらの背筋が伸びました(土下座)
ステ。初の女性キャラクターでしたね!いやめちゃくちゃイケメンすぎてなんなら全キャラクターの中でいちばんカリスマかもしれない。多分全員抱いてる(おい)
狼炎:クールな狼族の王(演:鈴木翔音)
……2幕、3幕と続いてみんな大好き翔音さんです。役名はロウエンと読みます。狼族の王として、日本武士のような潔い殺陣や振る舞い、ごちそうさまでした!
狼炎とその部下のやり取り、萌えたオタクは私です(小声)
(でも一緒に観た友人も同じことを言ってたので安心しました笑笑)
ムース:鼠族の王(演:高橋和久)
……名役者様。彼がいたから物語は動き出します。
ネズミ、という種族だけあって、所作がいい意味でチョコチョコしてらっしゃる!
もう本当にネズミなんです!
ディア(身長185センチ越え)と一緒に行動しているせいか、より身長差が際立ってネズミ族らしさが現れていました。好きです!
ネズミだけあってしぶとく生き残ります。
……はい!
ここまで主な登場人物(動物)の紹介とオススメポイントをさせていただきました!
本当は物語の考察等もしたいところなんですが。レポート2つ分くらいの膨大な文章量になってしまうので、ここでは割愛させていただきます。
(※一応、筆者のツイッターにまとめさせていただいた第5幕考察があります。お時間あって暇な方は覗いていっていただけたら光栄です)↓
https://twitter.com/i/events/1108317971363987456
~第5幕を100倍楽しく観劇するコツ~
・冒頭の現代におけるシーンに注目
・武器や衣装が美しいよ!
・本に注目
・お芝居パートのラストに注目
・各キャラが泣かせに来る部分では全力で泣く
以上5点をまたも漠然とまとめさせていただきました。
:古本屋で買ってきた本を一緒に読もうと覗くリダズ→ここで私たち(観客)は本の世界(『兎王国』)に入ります
※この本は、作中で涙や夜が書いていた本ではないかと推測しています
:お芝居パート最後の言葉は「めでたし、めでたし」→画面には本が閉じられる映像が流れ終了となります
=物語を読み終えた
=私たち(観客)が兎王国の一部始終を見届けた
となり、同時にアイドル軸である12人が今、目の前で〝兎王国をモチーフにした舞台を演じている現実〟にも帰ってくる事が出来る。
3つもトリックが重なったものすごく壮大な世界構造になっているのかも!?
と、観劇後一週間くらいずーーーーーーーっと考えていました(笑)
(※絶対考えすぎてる)
(※アイドルってなんだっけ)
他にも、海が隼に対して抱く感情だったり。ディアの葛藤。葵、郁や涙の複雑な立場、新しく〝生まれ変わった世界〟におけるリダズの役割など。
5幕は考察し甲斐があって本当に楽しいし、悲しいストーリーだなあと何度も思います。
『本』について、少し個人的な考察を書きますと、
:『涙と夜が途中まで書いた本をベッドに置く
→リダズが加筆
→なんらかの方法で現実世界のリダズに渡るようその本を置いた』
(≒その本の中身こそ、私たち(観客)が見た舞台の内容)
……だと思っているのですが。説明下手ですみません(汗)
もう楽しければいいんだ!!!おらぁ!
考えるな、感じろ
~まとめ~
原作『兎王国』を知っていた方も、そうでない方も。ステで兎王国を知った方も。
この壮大な物語を一度体感していただきたい。
ちょっと先の話になるのですが、第8幕ツキノ帝国が『隼の〝おわり〟とは』を描いているのだとしたら。
今回の第5幕『Rabbits Kingdom』は『始の〝はじまり〟』をよく表しているのかな、と勝手ながら感じています。
実際の公演期間中に様々なことがありましたが、それには敢えて触れません。他人の悲を感動のスパイスにするつもりはありません。
原作のある素敵な世界観を3次元まで持ってきていただいたキャストスタッフ全ての関係者様にお礼を申し上げます。
本当にありがとうございました!
結論:5幕は神話(概念)
ここまでお読みいただいた皆様、貴重なお時間をありがとうございました!小難しく色々語りましたが、ツキステ大好きです。
以上。
NEXT;縁と繋ぐ、これまでの日々を
第6幕『紅縁』へ続く
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