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中学生の国語

今年度はお誘いをうけて、中高一貫校で特別講義をしている。
前の個別指導教室からそうなんだが、中学生・高校生は卒業生か、ご紹介かに限らせてもらっている。定期考査対策は、その先生への「人読み」が効果を持つことが多いので自信がないというのが本音だ。
ある程度自由度のある中学生の勉強について考えていこう。

語彙のアップグレード

一つの目標は大学入試に向けた語彙力であろう。中学入試においても、出題者の怠慢(!)によって小学生では到底知らない概念を含んだ文章が出ることがある。その場合、その概念を深く理解していなくても解けるようにはテストは設計されていると思うが、中学生・高校生はその概念を理解しておくにこしたことはない。
文章から貪欲に語彙・表現を収集することが語彙力につながる。全体を俯瞰するという発想と対極にある考え方で、極端にいえば、ちまちました言葉の暗記と全体の要約のくり返しで国語の勉強は成立するかもしれない。

自分が文章を書くという視点

このnoteに限らず、受験国語では「作問者」「筆者」の2方面に意識を向けることが大切だと書いてきた。中学生・高校生はうまい書き手の動きを吸収してほしい。正直な話、SNSは信用できない。閲覧数・賛同者が多いだけの「煽り」を真似してはろくな文章が書けない。自分の言いたいことをそのままのサイズで、相手に伝わる語彙を選び、冷静に書く。できればすこしユーモアが加わるといい。いや、難しいんですよ。ぼくもよく失敗します。

韻文にはまると楽しい時期

唐突だが、反抗期など情緒に揺らぎある時期なので、ぜひ韻文にはまってほしい。小学生のときにはそう面白くなかった詩・短歌・俳句への理解が急速に進むことがある。立原道造や伊藤整など。ぜひ感性のしわとして刻んでほしい。

短くてもいいから毎日(してくれるといいなあ)

国語はアンテナの感度さえ上げていれば、いつでも学習できる科目である。テストの直前に勉強するものではないので、ふだんから少しでも文字・文学性のあるものふれてくれないかなあと願っている。


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