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うそつきとトマト①
もし道端に置いてあるトマトを見つけたらそれは拾ってはいけない場合がある。
あるあつい晴れた日、子供の僕は道端に置いてあったトマトを拾った。
それは、太陽の光を沢山浴びた綺麗な赤色をしていて、パンと張ってキラキラしていた。
あまりに綺麗なトマトだったので、思わず拾ってしまった。
そうそう、ぼくが小学生の時に起きた不思議なお話をしよう。
ぼくはいつもうそをついている子供だった。
行ったことのない場所、やった事の無い事を、ぼくは壮大なストーリーであたかも体験してきたような冒険として皆んなに話していた。
初めは面白がって聞いてた友達も、だんだんとうそだと気づくとぼくとあそばなくなった。
実際ぼくはどこにも行ったことがなかった。
お父さんもお母さんもお仕事で忙しくて、いつも近所の公園で遊んでいるか、空想にふけっていた。
ある日学校に行こうとして歩いていたら
「たすけて、、、」
と小さな声が聞こえた、、、ような気がした。
周りを見回すとナスが一個落ちていただけで他には誰もいなかった。
気のせいか。
そしてまた歩き出そうとしたとき
「助けてください」
今度ははっきりとそう聞こえた。
辺りを見回すぼく。
やっぱり何もない。
そう思った時、落ちていたナスがコロコロところがってぼくの足元で止まった。
「ここです。私はここにいます。」
そう言うとナスはぼくの靴の先にぶつかった。
②へつづく
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