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水路の中
私は天涯孤独だ。
行儀がわるいという理由で、友達も家族もいない生活をおくっている。
幸い手先が器用なので食うには困らなかった。
けれど孤独にはかわりない。
マンホールの中には水路があるところがあるらしい。私はそこで水の音を聞くのが好きだ。
ある日、マンホールの穴を除いて見ると中に吸い込まれた。
丸いシャボン玉のようなものにつつまれて、ふわふわと水路の中を漂っていた。
気がついたら、森の中の川の辺りにいた。
そこには私と同じアライグマ族が沢山いた。
私は生まれて初めて、ぐっすりねむれた。
満たされていた。
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