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うそつきとトマト⑧


ブリエラは僕がトマトをもっている事を知っていて、トマトを取り返そうとしていた。



 

人間の世界の大きさだと僕はとてつもない巨人なので、言葉巧みに誘い出して野菜王国に連れていった。 


 

あの時あったナスの車に乗っていた使者はブリエラに操られていたようだ。 



 結局トマトはどこにあるかわからなかったので、僕ごと森へ葬りさろうとしたようだ。 



 信じられない話しだが、初めて会ったこの二匹が、今までのいきさつを知っていた上に、僕がトマトを拾ったところを詳細に話したので、信じることにした。 



 僕はトマトをこのイグアナ達にかえした。 



 イグアナ達はトマトを使ってブリエラの魔力を封じ、野菜王国はもとの平和な国にもどった。 



 僕はもといた場所にかえってきた。



 それからは何事もなかったように、毎日が過ぎていった。 

 僕はもう嘘つきではなかった。

 僕だけしか知らない世界がある。 

 そこでの冒険。 

 野菜王国の事を思い出すと、僕はいつだって強くなる事ができた。 



 それから月日が流れて僕は大人になった。



 僕は沢山努力をして立派な大人になっていた。



 そんなある日、僕は家に帰ると玄関の前にトマトが置いてあった。



 あの時のような、太陽の光を沢山浴びた綺麗な赤色をしていて、パンと張ってキラキラしていた。 



僕はイグアナをさがした。   


おわり

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