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しましま石のなぞ


山の上にある「たかい村」にはとっても珍しい石があった。



この石は白石と呼ばれ、白地に赤の縞模様の石で古くから大地を象徴するものだと言われ祀られてきた。

七月三十日に産まれたものが守り役となりそれはそれは大切に大切にされてきた。



一方山の下にある「ひくい村」には古くから土地の守り神とされる石があった。
その石は赤石と呼ばれて、赤地に白の縞模様の石で大変珍しい石だった。



この村では七月三十日に産まれたものが守り役として所有し代々うけつがれていた。



実はこの石もとはひとつの石だった。



そしてたかい村も低い村もひとつの村であっだ。



その村の名前は「やまの村」



この村は山の中にあった。
季節によって山の上、下に移動しながら豊かに仲良くくらしていた。



そんなある日村人が



「この石は、赤い石なんじゃろか?
白いいしなんじゃろか?」



といった。



大人達は考えた。

考えたがわからなかった。

そのうち、赤い石だと言うものがあらわれると。

いや白い石だと言うものもあらわれた。

村人はいがみ合うようになった。

いつしか何故争ってるのかもわすれて、
いがみ合った。



村はボロボロになった。
そしてある日石が二つに割れていた。


そして二つの村、二つの石へとわかれて、山の上と山の下に住んだのだった。



それから、長い月日がながれいまはもうこの争いを知るものはいなくなっていた。



そんなある日、何日も日照りが続いた。



「たかい村」の村人達は必死に石に祈ったが一向に雨が降る様子はなかった。



困った村人は、食料を捜しに山の下に降りてみようと考えた。




山の下には荒くれものが住んでいるから行かない方がよいといつしか村の中には言い伝えがあった。



けれど2日前に最後の米をたべてしまって村人はお腹が空いていた。



もう行くしかないと言う事で、石の守り人が石をもって山を降りることになった。



一方その頃「ひくい村」でも同じ事がおこっていた。



こちらでも野蛮人が住むと言われている山の上へ、食料を捜しに石の守り人がお守りの石をもって旅に出ていた。



歩いて行くとちょうど山の中腹でお腹が空いてうごけなくなった。



「ひくい村」の守り人は最後の食料のおにぎりを一つ持たせてもらった。
これ以外は村にはもう食料はなかった。



これを食べて早く山をのぼって食料を探さねばとおもって食べようとしたところ、、
木の陰から音がした。
音のするほうに行ってみると。



そこには人が倒れていた。



話を聞くと「たかい村」からきたと言うがお腹がすいてうごけないといっていた。



「ひくい村」の守り人は恐ろしかったが、その人におにぎりを半分分け与えた。



そして「たかい村」の守り人がもっていた、村の最後の水を分けてもらい二人は元気をとりもどした。


そんなとき、突然大きな音ととともに座っていた地面が割れ二人は中に吸い込まれてしまった。



はっと気付くと二人は大きな洞穴の中にいた。


「暗くてようみえんな」
「火をともして見よう」



明るくなった洞窟の中には先へとつづくみがあった。



おそるおそる進もうとしたとき、二人は石を懐からおとしてしまった。



二つの石はコロコロコロころがっていった。



慌てておいかける二人。



走って走って走り抜いた。



その先に石はあった。



思いっきり走ったせいで火は消えていたが
石は弱々しく光っていた。



石の近くにいって驚いた。



二つあったはずの石がひとつになっていた。



くっついたのだ。



それはつぎめもなく、あたかも初めからひとつでしたと言わんばかりに美しい球体になっていた。



びっくりしたのも束の間。



二人は村の事をおもいだした。



はやく食料を探して戻らねば。



出口を探そうと火をともした。



そうするとそこには沢山の食べ物と、沢山の水が入った水ガメがあった。



二人はそれを背負うと、もう石は持てなかった。
石はその場に置いておき、外にでた。



外は雨がふっていた。


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