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Nutrient Deposits 育成年代で養い、貯蔵すべき食の自己管理能力 〜必要エネルギー量の視点から〜

Writer

廣松千愛:Chiyori Hiromatsu

廣松さんプロフィール

管理栄養士/健康運動指導士

2015年3月 立命館大学 スポーツ健康科学部 卒業
2018年3月 兵庫県立大学 環境人間学部食環境栄養課程 卒業

立命館大学にてスポーツ科学や運動生理学を学んだのち、管理栄養士免許を取得。学生時代にイタリアやカナダにてアスリートやパフォーマーの食事について学び、卒業後、フリーランスの管理栄養士としてプロ野球選手寮やBリーグチームの食堂にて献立作成や調理を担当。現在は、プロ選手やオリンピックを目指す陸上競技、バスケットボール、射撃、トライアスロンなど多様な競技の選手を調理と栄養マネジメント両面からパーソナルでサポート。Jリーグユースチームやサッカーチームでのチームサポート、ジュニア選手への食育、スポーツ栄養に関するコラム執筆、レシピ監修なども幅広く行う。同時に、国際オリンピック委員会のスポーツ栄養学位を取得中。海外のスポーツ栄養情報を日本人選手に合わせ、サポートに活かしている。

【サポート実績】
2017年~2019年 Bリーグチーム食堂 管理栄養士 献立作成・調理
2017年~2019年 プロ野球選手寮 献立作成・調理 
2019年~ Jリーグユースチーム 管理栄養士
     トライアスロンナショナルチーム合宿帯同
2020年〜 日本オリンピック委員会 強化スタッフ

SNS
Twitter: https://twitter.com/chiyori_h
Instagran: https://www.instagram.com/chiyori.nutrition


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5月1日よりPITTOCK ROOMアドバンスコースが開催されました。

今月のアドバンスコースへの入会は5/6まで可能で、その場合通常1480円/月のところ、note購読だけの場合と同じ1000円/月で移行できます。つまり実質アドバンスコース代は無料です。

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現在100名ほどの方がアドバンスコースへ参加しています。
より深くPITTOCK ROOMを活用したい方はぜひどうぞ!

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 栄養と競技におけるパフォーマンスには相互関係にあり、高いレベルで競技をしていれば、それに応じた特有の食事をとる必要があります。一方、食事面でも目標を立て、こだわりを持って取り組んでいれば、トレーニング効果を高めることや試合で最上のパフォーマンスを発揮することに繋がります。
 青年期は成長が著しく、体組成や代謝やホルモン、臓器機能の成熟など身体的な発達も大きい時期です。さらに、将来の健康に影響を与える”Nutrient Deposits” を蓄えるときでもあります。Depositsとは日本語で「預金」という意味があり、育成年代での食事や栄養に関する意識、習慣が子どもたちの未来を左右することは間違いありません。
 
 育成年代のアスリートの食事に関するガイドラインは国際的にも少なく、正解がないため、私たち管理栄養士も選手の心身の成長に合わせて最適解を導くようにしています。ここでは、スポーツ栄養の研究がさかんなオーストラリアのスポーツ栄養士会より出されている青年期アスリートの栄養に関する方針(※1)をベースにお伝えしていきます。ここでいう青年期アスリートとは、運動強度が比較的高く、継続的にトレーニングを行っている12〜18歳のアスリートのことを指しています。

はじめに青年期アスリートにはどのくらいのエネルギー量が必要かについて述べていきます。成人であれば以下の①~③を足してエネルギー消費量を見積もり、それに応じてどのくらいのエネルギーを摂るべきかを算出します。青年期にはさらに④の成長に必要なエネルギーが消費されるため、この部分も必要なエネルギー量としてプラスされなければなりません。                               

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