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欧州サッカー連盟の栄養コンセンサスに基づいたサッカー選手のトレーニング時の糖質摂取

Writer

廣松千愛:Chiyori Hiromatsu

廣松さんプロフィール

管理栄養士/健康運動指導士

【サポート実績】
2017年~2019年 Bリーグチーム食堂 管理栄養士 献立作成・調理
2017年~2019年 プロ野球選手寮 献立作成・調理 
2019年~ Jリーグユースチーム 管理栄養士
     トライアスロンナショナルチーム合宿帯同
2020年〜 日本オリンピック委員会 強化スタッフ

SNS
Twitter: https://twitter.com/chiyori_h
Instagran: https://www.instagram.com/chiyori.nutrition


2020年にUEFA(欧州サッカー連盟)からサッカー選手の栄養コンセンサス(※1)が発表されました。このコンセンサスでは栄養の専門家以外にもアンチドーピングの観点からのスポーツドクター、現場を知るコーチの意見も反映されており、より現場に応用しやすい形になっています。また、男子エリートサッカー選手の他にも青年期サッカー選手、女子選手、キーパーなどの栄養についても別途触れられています。様々なトピックが含まれているのですが、今回は成人サッカー選手のトレーニング時の栄養摂取の中から糖質についてまとめました。


サッカーは大きくプレシーズン、シーズン、オフシーズンの3つに分けられますが、運動量にも違いが出てきます。また、ポジションや試合頻度、試合出場時間、体組成の調整や怪我のリハビリの必要があればこれらによっても変わってきます。糖質が肝臓や筋肉にグリコーゲンとして蓄えられ、運動する時のエネルギーになりますが、摂取量を考える際にはトレーニングの目的を把握しておくことが重要です。

週に2回、週に5回トレーニングを行うシーズン期の場合、1日のエネルギー消費量の平均はフィールドプレーヤーで約3500kcal(※2)、キーパーの場合はこれより約600kcal少なかったという報告があります(※3)。この時、体重1㎏あたり4〜6gの糖質摂取で体重は変化しませんが、試合に向けてエネルギー源を貯蔵したり、試合後にエネルギー源をリカバリーしたりするためには体重1㎏あたり6~8g/㎏くらいまで糖質摂取量を増やすことがすすめられています。

以下にシーズン前、シーズン中(週1回の試合)、シーズン中(試合頻度が多いとき)、オフシーズンに分けて糖質摂取量の目安を示しています。トレーニングに関する内容が多く記載されており、トレーニングにより栄養摂取を変えていくことを求められていることが分かります。

廣松さん18-2


【シーズン前】

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