たんぱく質は内側から美容をサポート
美容において、内側からのケアが重要であることは理解されていますが、
近年、若年層のダイエット傾向や、粗食にしたり、
肉食を避ける人が増えたり、高齢者に関しても、たんぱく質不足【質的な栄養失調】が増加傾向にあります。
今回、美容と健康の観点からたんぱく質がいかに重要な役割を果たすか
みていきましょう。
ビタミン不足は肌荒れ等の症状として現れやすく
比較的自覚しやすいものですが
たんぱく質不足に関しては気づきにくい傾向になります。
それは体内である種類のたんぱく質が不足しても、
別のたんぱく質が分解されてできたアミノ酸から合成されて
不足分が補わるため、症状がすぐに表れにくいからです。
しかし、たんぱく質は体のあらゆる部位で必要とされています。
摂取量が不足すると思いがけないトラブルや
深刻な病気を引き起こす可能性もあるので
不足するとどういう状態になるのか知っておく事はとても大事な事です。
① 筋肉への影響
・肥満のリスク
筋肉のうち骨格筋が減ると基礎代謝量が減少する為太りやすくやせにくい
・サルコペニア
筋肉量が減少すると体が疲れやすくなり活動量が減るため
・フレイル
活動量が減る事で、心身の虚弱状態を招きやすく、
寝たきりになる危険性も増大
・糖尿病や動脈硬化のリスクが増加
筋肉が減ると筋肉でブドウ糖を消費する量が減って、
血糖値が上がりやすくなる
② 血液・骨(歯)への影響
・貧血
血液成分のヘモグロビン等も減少し、
鉄分の吸収も弱まることから貧血も心配
・骨がもろくなる(骨粗鬆症)
・歯が弱くなる
骨の基質はコラーゲンというたんぱく質で出来ているので不足すると、
骨や歯に影響
③ 皮膚・髪・爪への影響
・シミ・シワ
皮膚やコラーゲンやエラスチンといったたんぱく質から出来ており、
その材料となるアミノ酸が不足して代謝回転(ターンオーバー)が
うまくいかなくなる事で、色素が沈着してシミの原因となったり、
弾力失われシワの原因になったりする可能性がある
・皮膚炎
角質層に含まれるケラチンというたんぱく質が足りなくなると、
外側からの刺激から肌を守るバリア機能がうまく働かずに皮膚炎等の
原因となる
・抜け毛
・薄毛
・爪のトラブル
ケラチンは髪の材料でもあるので、たんぱく質の摂取不足は抜け毛や
薄毛にもつながる。また爪の主成分のケラチンの為、爪が薄くなって
割れたり、もろくなってはがれたり、二枚爪になったりといった
トラブルが起こりやすくなる
④ 酵素・ホルモン・免疫・精神への影響
・酵素ホルモンの分泌不足、免疫機能の低下(感染症にかかりやすくなる)
・集中力・思考力の低下
・うつ病などの心の不調
体内には消化酵素、アルコールを分解する酵素など、
多様な働きをする酵素や身体の機能を調整する各種のホルモンがあり、
これらもたんぱく質不足により、消化不良、血糖値の上昇、女性の月経
異常などさまざまな不調を招き、また免疫をつかさどる抗体が十分に
つくられないと、かぜやインフルエンザといった感染症にかかりやすく
なります。また神経伝達物質であるドーパミンやセロトニンなどにも
影響し、集中力や思考力が低下したりとうつ病など心の不調を招いたり
する恐れもあります。
ほんとにたんぱく質不足により影響は
気づかぬうちに、身体にでてくるので
自分の体からの声を見逃さないように、
自分を観察する目も養っていきたいですね。
たんぱく質が重要とわかったけれども、ただ、たんぱく質だけとればいいというものではなく、糖質やビタミン等と一緒にとることにより体にいきわたるので、毎食バランスよく食事がやはり大事になってきます。
逆にいえば、常にたんぱく質を含めた栄養をたっぷりとれば、
身体に必要な栄養が常に行き届く状態となるので
年齢を重ねても健康的な美しさを保つ事ができるのではないでしょうか!
まさしく、
たんぱく質は「体の内側から美容をサポートする重要な要素」です。
今やコンビニでもスーパーでも、
気軽に高たんぱく食品が手に入る時代です。
・おにぎり(さけ かつおぶしなど)
・ギリシャヨーグルト
・サラダチキン
・焼き鳥
・ゆで卵
などなど、食の選択をする時には、たんぱく質を意識してみましょう。
参考文献:「たんぱく質 プロテイン最高の取り方 大全 上月正博」