週末読み物シリーズ:かえるさんが鰻好き⁉️
何かうなぎ食べたい!
と思ったら昔書いた記事をnoteで紹介したくなりました〜キャリアの話
良い話過ぎますが、実話です。
カットしないでください 笑
少し前の記事になりますので悪しからず〜
🐸
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
『証券界とウナギは切っても切れない関係なのでこれからウナギを食べに行く』
こんな投稿を以前したら
証券会社10年くらいいましたが証券界とウナギの関係が深いなんて初めて聞きました
とのコメント。
いやいやいや
僕にはとにかくいろいろな思い出がある。
そんな証券マン、元証券マンも多いはず。
■鰻の基礎知識
僕は名古屋出身だから腹開きのウナギを蒸さないでそのまま炭火で焼く『地焼き』が好き。
好きというか東京に出るまでそれしか食べたことがなかった。
しかし 東京のウナギはご存知の通り、背開きのウナギを蒸してから焼くのが一般的。
ではどこから腹と背が変わるのか?
これが浜松、天竜川あたりなのである。
もともと腹開きは切腹を意味すると考えられ関東のほうでは敬遠されていた。ちょうど静岡あたりは関東の文化と西の文化がちょうどミックスする地域らしい。
腹開き&蒸さないで焼く蒲焼がよい点は、香ばしさが増すこととウナギの脂の部分のみ柔らかくなりトータルで見ると食感の違いが楽しめる。
とは言うものの関東風が悪いわけではなく蒸してやわらかくなった蒲焼も今では美味に感じる。
クレディスイス時代は近いこともあり納会の後、野田岩いって鰻重と白焼プラスシャンパン🍾なんてこともやった。
基本的にウナギが好き
それ故今はこだわりがヤバい。
有名なひつまぶし(櫃まぶし) は名古屋型で蒸さないで皮を焦がすまで焼く焼き方。
その方が身が型崩れせずまた炭火の香ばしさが加わり向いていて、ある意味ウナギの究極的な食べ方といえる。
ちなみにひつまぶしは、 あつた蓬莱軒 が1987年に登録商標をとっているらしい。
僕は名古屋出身だが圧倒的に うな丼派。
それも中にウナギが隠れている 『中入れ』タイプ が一番の好みだ。
■初めての資金導入
ウナギと僕が非常に濃密な時を過ごしてきたという話をいくつか紹介したい。
先ほども書いたが、まず大前提として
証券業界とウナギは切っても切れない非常に深い関係
にあり
ウナギ=縁起が良いもの、めでたいもの
であることを理解していただきたい。
日興証券に入社して何故だか四日市支店に配属になった。
土地勘がなく知り合いも少ない土地で個人営業職。
折しも バブル崩壊や証券不祥事直後の1992年 、飛び込み営業を何100件しても顧客ができずに毎日ふてくされていた5月のある日、ちょうど5月病と世間では言われる時期に唯一飛び込み営業で仲良く話ができるようになったマグロ屋の社長に
これ、なんでも好きなものにせぇ
といわれて 生まれて初めて飛び込みで新規客ができた。
10万円という今となってみればすごい資金導入金額ではないが、とにかく生まれて初めて人のお金を預かることができてものすごく嬉しかった。
ただ支店に帰ると先輩はせいぜい
良かったね~
おめでとう~
でも10万円って少ないね 苦笑
なんてディスられてるのか褒めてくれたかわからないくらい。
でもその時の上司だった営業次長は
よーやったわ✨
ウナギでもご馳走せなあかんなぁ❗️
と言って夜近くの鰻屋でご馳走してくれた。
その時、彼の話は
俺の若いころはこうだった
とか
一円でも客の金は客の金
だとかまあ言ってみればどこにでもある話だったが、なんとなく彼のペースに乗ってしまい、こちらも
客ができなくてつらかったこと
や
同期や先輩に負けたくないこと
など1人苦しんでいた思いを全部打ち明けて涙ながらにウナギを食べた。
今となって考えるとそういう気持ち全て見透かされていたのかなと思う。
彼はその後も僕が 大きな仕事を約定すると昼や夜にその鰻屋に連れて行ってくれた。
時に週3回同じ店に行くこともあったが 笑
連れて行ってもらえることに誇らしい気がしてならなかった。
そんな至福の時間のために仕事をとにかく頑張った。
残念ながら彼は僕がロンドンにいる時に病気でこの世を去ってしまった。
その訃報を聞いたときわざわざ帰国して一人で四日市まで行きそのウナギを食べた。
やっぱり涙がでてきた…
■ロンドン勤務を勝ち取った
時は 1996年ロンドン転勤が決まったとき。
就労ビザ取得のため1ヶ月ほど本社で時間をつぶしていた。
本社人事部の担当に役員が昼飯を誘ってくれたから行こうと誘われ行ったのが神田きくかわである。
同じように就労ビザ待ちしていた同僚数人と一緒に行ったのだが、担当役員が一緒だったこともあり見苦しい大アピール大会💦
僕が何よりもびっくりしたのはウナギの尻尾がお重からはみ出していたこと。
役員になるとこんなウナギが毎日食べられるのですか?
唯一僕が役員にした質問である。
その答えは
ウナギは納会と発会でしか食べない。
今日ここに連れて来たのは、君たちのような若い人間がわが社を将来支えてくれるようになる、今日はその門出の日だと思ったからだ。
歯を食いしばってがんばれ。
結局その何年後かに会社を辞めてしまったから、彼の期待に応えられなかったが、その後の証券人生で常に顧客の為、業界の為に仕事をしようと決めたきっかけになった実話
ちなみにその時一緒にウナギを食べた同僚の誰よりも出世でき幸せな証券人生を送ることが出来た。
ウナギには僕の証券界での夢、希望、挫折が全て詰まっている。
■鰻価格が高騰?
日本に帰国して東京で働くようになりなかなか『地焼き』のうなぎを食すことが少なくなった。
そもそもウナギを食べる機会が減ったような気がする。
ウナギは高いから?
ウナギでお祝いするほどの成果が出ていない?
稚魚が不漁だとのニュースも見たし何となく希少な感じもする。
今日食べた上うなぎ丼が約7000円。
炭焼 うな富士 有楽町店
名古屋で一番行列ができる鰻屋の東京支店。
東京の一等地でお店を構えていることもあるが、さすがにこの値段だと普段使いにこの店に行こうという気はあまり起きない。
やはり特別な日限定だ。
平賀源内が知り合いの鰻屋用販促キャッチコピーから始まったとの説もある『土用の丑の日』にウナギを食べる習慣。
当時は一皿200文(現在の価値に換算すると4000円程度)で売られていたことを考えると昔から高級な食材。
それ故 特別な日に食べるものという意味とうなぎ登りというゲン担ぎもあり証券界と深いつながりができたのもよく理解できる。
それにしても美味かったな、今日のうな丼 笑
これでマーケットがうなぎ登りになれば7000円なんて安いものだ!
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