6人組が9人組になった、あの日
2月24日放送「真夜中にハロー!」第7話。
アンジュルムが全員で登場!!
(平山さんは出演対象ではない)
曲は「大器晩成」でした。
アンジュルムにとって大切な曲ですよね。
何度聴いてもイントロからわくわくします。
”どん底”の6スマ時代
大器晩成は、スマイレージが3期メンバーを迎え
グループ名をアンジュルムに改名してからの
初めてのシングルでした。
今やアンジュルムといえば、明るくてオシャレで媚びない、ハロプロでも女子受けNo.1と言えるグループ。
女優の蒼井優さんはじめ、芸能界にもアンジュヲタは多いです。
加入と卒業を繰り返すスタイルを早くから採択し、オーディション出身者の歴代人数も娘。の次に多いグループです。
しかし、3期メンバーが加入した当時は、今とは全く様子が違いました。
あの時の3期加入も、グループの改名も、
今だからこそ「よかった」と言える。
でもそんな今だからこそ、
増員と改名を決めた当時の「お知らせ」を
改めて見てみてください。
見ていて本当に苦しい・・・
今やもう新メンバーが毎年入ってくるのが当たり前になったアンジュルムですが、このときの「メンバー増員」の決断がどれだけ重いものだったか、ひしひしと伝わります。
6スマってなんなん?
アンジュルムの前身グループであるスマイレージには、大きく分けると「4スマ」と「6スマ」の時代があります。
4スマ時代(2009~)の「日本一スカートの短いアイドルグループ」というキャッチフレーズは、ハロヲタ離脱期にあった私でもテレビでよく耳にしていました。
しかしその頃は、モーニング娘。も黄金期を過ぎてプラチナ期と(のちに)呼ばれる時期で、ハロプロ全体がブームの沈静期にあったといえます。
沈静期ハローの末っ子グループだったスマイレージ。
初期メンバー卒業という危機を乗り越えて6スマ時代(2012~)となってからも、状況は厳しいものでした。
ライブにお客さんが入らない。
全然売れない。
スタッフに怒られてばかり。
活動のモチベーションも上がらない。
その頃は特に、2期メンバーが実力不足だとやり玉にあげられることも多かったように思います。
時代の流れとか、他にもいろんな要素はあったろうに気の毒でした。
ハロプロの中でも末っ子グループ、末っ子グループの中でも後輩メンバーであるスマ2期。苦労も人一倍多かったと思います。
行くも地獄、行かぬも地獄
「お知らせ」の動画からもわかるように、3期メンバーの追加はお世辞にも前向きな決断とは言い難いものでした。
あやかのん(1期の2人)は自分たちから提案したと言っていますが、私にはそうは見えません(笑)
1期の2人が卒業したら、
グループ自体が続けられないのでは。
増員は受け入れがたい、
かといって今の体制では未来が見えない。
しかもグループは改名。
増員したところで、「スマイレージ」ではもう無理だと言わんばかり。
解散と解体、どっちがいいの?くらい差し迫った選択です。
ほんとよく乗り越えたよね。
私だったらこの世の終わりみたいに泣きます。
奇跡の起爆剤
そして、ハロプロ研修生から
室田瑞希さん、相川茉穂さん、佐々木莉佳子さん
が3期メンバーに選ばれ、
グループ名は中西香菜さん考案のアンジュルムが採用され、
新体制に生まれ変わって初のシングルが
この「大器晩成」だったのです。
グループにとって3回目のデビュー曲といえる大切な曲です。
(インディーズ→メジャー→改名)
大切な曲なのでもう1回MV貼ります。
もうほんと、今思えば全てが奇跡でした。
3期の人選も、
グループの改名も、
第1弾シングルが大器晩成なのも、
全てが良い方向に転びました。
何よりこの、曲の良さですよね。
キャッチ―で耳に残る。
今までのスマイレージとは全くカラーの違う曲。
鮮烈で、多くの人に衝撃を与えたと思います。
後世に語り継ぎたい中島卓偉さんの偉業です。
スマの過去を封印した
その後しばらく、アンジュルムは大器晩成に続く「応援歌」の方向性を踏襲します。
乙女の逆襲
七転び八起き
臥薪嘗胆
出すぎた杭は打たれない
ドンデンガエシ
スマイレージ時代には「ザ・アイドル」な可愛い路線の曲が多かったのに対し、イメージをガラッと変えて「強さ」を前面に出しました。
6スマ時代の苦しさ悔しさを全て晴らすような強いキーワードの詞と、攻めの力強い曲調。
グループの精神状態ともリンクした「強気」の新曲が出るたびに、メンバーの表情や目にもギラギラした力が宿っていきます。
見ている私たちもワクワクさせられました。
リーダー和田彩花さんのカリスマ性に磨きがかかったのも、この頃です。
グループはあやちょを中心に、尋常ではない結束力でまとまっていました。
ビヨーンズのときにも書いたのですが、全員で方向性を共有しているグループというのは、本当に強いです。
増員や改名を不安がって泣いていた頃が嘘のように。
6スマ時代を自ら葬り去ってしまうのではないかと思うほどに。
全員で「アンジュルム」に没入し、決して振り返らず、今に続く土台を作り上げた時代だったと思います。
6スマのファンにとっては複雑な思いもあったかもしれません。
しかし今思えば、この時期に6スマ時代を一度強く否定しないと、グループは次へ進めなかったのだと思います。
4スマも6スマも、
「アイドル」や「ハロプロ」がギュッと詰まった良曲・名パフォーマンスだらけです。
欠かせない歴史の一ページ。
今だからこそ、ぜひ聴いてみてください。
「9人組」の不思議な魅力
個人的にアイドルグループは5人組が最強、9人組が次に強いと思っているのですが、私がそう感じるようになったきっかけが、大器晩成の9人のフォーメーションでした。
この曲は一貫して3・3・3のフォーメーションが組まれていて、これが黄金比のように美しい。
3人でセンター+シンメの小グループを作り、その小グループが3つあることで全体にもセンター+シンメができる。
美しい・・・
ほんとに1回MV観て・・・
じゃあ3人組がいいかというと難しいんですよね。
後藤真希、松浦亜弥、藤本美貴という最強ソロアイドル3人で結成した「ごまっとう」が、グループとして強いかと言われると難しい。
3人組には、ゼニガメ、ヒトカゲ、フシギダネくらい奇跡的なバランスが求められます。
その点9人組は「大きな3人組」感覚でバランスが取りやすい構成です。
全員1列に並んで良し、4:5の2列も良し、3×3の3列も良し、V字や三角形を作っても良し。
あらゆるフォーメーションが見やすく、一目で全体を把握しやすい。
そのため、7人組よりも9人組のほうが人数が多いのに、メンバー全員の顔と名前が一致するのは9人組のほうが早いです(私だけ?)。
6→9は飛躍する?
ハロプロで同じく6人→9人の道をたどったのが、つばきファクトリーです。
6人でインディーズデビューし、なかなか突き抜けたパフォーマンスができずにレッスンの先生にダメ出しされるシーンもあったつばき。
メンバーを追加し9人体制になったあと、見違えるようなパフォーマンスで鮮烈なメジャーデビューを飾りました。
決して6人時代が悪かったわけではないのですが、6スマ同様、「増えたのに引き締まった」ような、不思議な変化が起きました。
また、事務所は違いますが、ジャニーズ事務所のSnow Manもデビュー前に6人→9人に増員しています。
このメンバー追加も、当時かなりつらい状況での決断だったと聞きます。
ともすれば今までの6人体制を否定することになりかねないショッキングなテコ入れですが、6人組→9人組への体制変更でチャンスを掴んだグループが何組も出ているのは、不思議な法則だなと感じます。
いろいろエモいぞ大器晩成2022
偶然で一瞬の9人体制
先述の通り、9人組には特別な感情を持っている私。
「真夜中にハロー!」第7話では、
大器晩成をリリース時と同じ9人のフォーメーションでテレビ披露するというのが、まず個人的に一番アツいポイントでした。
ここ数年のアンジュルムは8人か10人の体制が多かったように思うので、新鮮さと懐かしさを感じます。
笠原桃奈さんが卒業し、平山遊季さんが加入するまでの、ほんの一瞬だけの9人体制。
このドラマでしか見られない特別なパフォーマンスだったと思います。
佐々木莉佳子さん
この曲でデビューした3期の佐々木莉佳子さん。
新メンバーでいきなりセンターに立っての堂々のパフォーマンスには、当時も度肝を抜かれました。
あれから7年。
あなたは本当にかっこよくなった。
最年少だった莉佳子が、この曲で後輩を引き連れて大きな背中でセンターに立つ姿。
いつ見てもグッときます。
リーダーと新メンバー
さらに、ラスサビ前の見せ場。
ここは当時、和田彩花さん(リーダー)から室田瑞希さん(新メンバー)へ繋ぐソロパートでした。
9期加入後は、竹内朱莉さん(リーダー)と松本わかなさん(新メンバー)がパートを引き継いでいます。
あのときの3期と同じく、3人で加入した9期。
いろいろ重なってグッときます。
ドラマでもわかなちゃん、やってくれました!
みんながきみの登場を待っていた!
ありがとう!最高!
竹内朱莉さん
そして、唯一スマイレージ時代からのメンバーである竹内さん。
本当にありがとう。
カリスマ絶対神だったリーダー・和田彩花さんを中心に、尋常ではない結束力でまとまっていたアンジュルム。
精神的支柱の和田さんが卒業するタイミングで、グループは大きく揺れました。
私は先ほど「全員で方向性を共有しているグループは強い」と書きました。
ビヨーンズが全員で見ている方向性とは、例えば「寸劇アイドル」というような、概念なのだと思います。
対して当時のアンジュルムは、リーダー和田彩花という人に向かってまとまっていたのではないかと私は思っています。
人がもつ具体性・唯一性は、パワーが強い。
その分、人頼みになると代わりがきかない。
和田さんの卒業で道標を見失ったメンバーは多かったと思います。
竹内さんたち2期は先述の通り、スマイレージ時代からものすごく苦労してきました。
「解散か解体か」の地獄を乗り越えたメンバーです。
あれだけしんどい時期を乗り越えたのに、また目の前に大きな壁が現れた。
普通はもう心も折れるし、自分の進退を考える機会になっても何ら不思議はありません。
同期もみんな卒業を選ぶ中、竹内さんは一人グループに残り、リーダーを引き継いでアンジュルムの第2章を作っていくことを選んでくれました。
6スマ、改名、アンジュ2章。
歴代メンバーみんな居なくてはならない存在で、どの瞬間を切り取っても魅力的なグループです。
でもやっぱり竹内朱莉なくして今はない。
ほんとに偉大です。ありがとう。
たけちゃんの顔を見ると安心します。
10人でまた「新章」へ
今や毎年新メンバーを迎えるアンジュルム。
「真夜中にハロー!」には間に合わなかったものの、年末にハロプロ研修生から平山遊季さんを新メンバーに迎え、10人体制で2022年を始動しました。
いや、かっこよすぎかて。
この体制で2~3年やってるやろ、くらいの安定感。
大器晩成が3回目のデビュー曲なら、
「私を創るのは私」は、アンジュ第2章を歌った4回目のデビュー曲です。
新年&新体制でこの曲を披露するのもまたアツい。
The ANGERME
でもアンジュルムって、毎年が「新章」みたいなもんですよね。
決して流れを止めないグループ。
この歌詞がまさに、アンジュルムの「イズム」じゃないかと私は思います。
どんな変化の中にあっても、アンジュルムはアンジュルム。
The ANGERME!
今年のアンジュルムも目が離せません。
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