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芥川賞作に生成AI活用で驚いた話


 第一印象、スラっとされててお美しいですね。
 今のAIシーンは全体的には企業活用が推進されていたり今後の投資も巨大化していきそうな雰囲気は漂っているのですが、国内ではイラスト系を中心に創作分野は反対派が多い印象をもっていました。

 その国内創作で巨頭とも言える芥川賞はそれの持つ地位から厳かで制作過程にもこだわりそうなイメージがあったので今回の件は結構衝撃です。いかにも重々しく保守的に見える存在が、世間の喧騒を尻目にあっさりAIの活用を認めたというのは中々どうしてやるじゃないかと笑ってしまいました。
九段氏があっさりAI活用を話したのはもちろん作品内容との関係性の強さもあるでしょうけど、それを話すことで受けるであろうものを歯牙にも掛けない気丈さと見えました。立派ですね。
 
 考えてみれば芥川賞を取れるような作品なんてAIだろうと誰に書かせようとそう作れるものではなく、ひとえに九段氏の卓抜した才能と努力あってのことなのでそのアイデアを見事な形にしたことを純粋に讃えたいと思います。

 自分はAIについて好意的なスタンスですが、それ以上に活字文化に愛を抱いています。いい意味で作品を見るという姿勢で芥川賞が運営されている事に信頼を深くしましたし(選考時即決だったそうです)、こういった柔軟さがあれば今後もいい作品が生まれていくだろうなとホッとしました。


 本当は執筆工程がどうのではなく、まず受賞作の「東京都同情塔」を読んで、作品の内容を語るところから始めるべきでしたが衝撃が大きかったのでつい記事を書いてしまったことを謹んでお詫びします。この度はご受賞大変におめでとうございました。

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