小説の世界に入り込む

この記事はTUT Advernt calendar 9日目の記事です。


はじめに

どうも、ぴっさんです。B4、2系です。
突然ですがみなさんに質問です。読書、してますか?

技科大生のみなさんはインターネットが上手なのでSNSや動画、ゲームなどから様々な情報を得ていることと思います。ですが、それらのコンテンツの充実によって、「読書をする」ことが少なくなってきているのではないでしょうか。

しかしやめられない、止まらない

そこで、今回の記事では色んな種類の書籍がある中で小説に焦点を当てて、読むことのメリットと、私が読んできた小説の中で良かったものをいくつか紹介したいと思います。よろしくお願いします。



小説を読むメリット

こんなこと、ググればどこにでも書いてあるだろととは思いますが、自分なりに良かったなと思うことについて3つ紹介します。

①自己形成に役立つ

小説のシナリオでは、起こった出来事だけでなく、その時の登場人物の心情や価値観などの移り変わりが描かれています。1冊につき1人の人生を追体験できるとして、10冊読めば10人の人生を見ることが出来ます。自分の人生なんて1回きりなので、小説を読んで他人の生き方や根底にある考え方を知ることができるなんて…お得ですね。

他人の人生を見て、想像して感じ取った先に何があるかというと、自分自身の考え方が影響されることが挙げられます。主人公の失敗を見て、「自分はこうならないようにしよう」だとか、経験のなかったことに対して「あの登場人物はこうして対処していたな」とか。

このように、考え方を補強し、足りない部分を埋めてくれることが良い点だと思います。
私はこの積み重ねで自分というアイデンティティを形成するものだと思っているので。なりたい自分になるためのツールとして最強です。

小説は、映像とは違い人物の見た目や風景などを想像しながら読むものなのである意味都合のいいようにイメージすることが出来るのも魅力的だと思います。

イメージするのは常に最強の自分



②コミュニケーション能力の向上

先程、自分の考え方を補強してつよつよになったところで、どのようにアウトプットされるのか。個人によりますが、私は他人に共感しやすくなったと思います。

小説では読者ではなく、登場人物(他人)の視点で物語が進行するため、自然と登場人物の立場で物事を考えるようになります。感情移入なんかが最たる例だと思います。

他人に共感することは、リアルな人間関係において重要な要素です。この人の考え分かる~!って人と関わっていきたいのが人の性だと思います。認められた時は、心を許しやすいですし。逆に考え方を1ミリも理解できない…みたいな人だと良質な関係を築くまでに大いに時間を要することでしょう。

小説は大体が複数の人間による関係の移り変わりが描かれます。読むことで共感性はもちろん、人との関わり方が上手になり、さらに言えば社会性を育むことにつながります。

うんうん、彼氏が悪いね


③読み終えた後、スッキリする

良い映画やアニメを観た後、「クゥ~~~~~良かったァ…..」って心が晴れやかになる時、ありますよね。もちろん、小説にもあります。

リーサルがある時のローウェンさん(シャドウバースより)

この心が晴れやかになる時というのは、ストレスフリーであることだと思います。
実際に、ストレスが下がったという報告もあります。イギリス・サセックス大学で行われた実験で、被験者に「読書」「音楽鑑賞」「1杯の紅茶・コーヒー」「散歩」「TVゲーム」をそれぞれ試してもらったところ、最もストレスが解消されたのは、読書だったそうです。読書でしか得られない栄養ってあるんですね。
この実験、面白いことがありましてわずか6分の読書でもストレスが60%軽減されたそうです。とんでもないですね。

したがって、小説を読むことは日々のストレス解消にも有効であることが分かります。


読んでよかった本まとめ

ここからは布教です。
小説を読むメリットをなんとなく感じて頂けたところで、私が「読んだことで自分がすごく成長した気がする」と思えた小説をいくつか紹介します。

『カラフル』

「おめでとうございます! 抽選にあたりました! 」 生前の罪により輪廻のサイクルからはずされたぼくの魂が天使業界の抽選にあたり、 再挑戦のチャンスを得た。 自殺を図った中学三年生の少年、小林真の体にホームステイし、 自分の罪を思い出さなければならないのだ。 ガイド役の天使のプラプラによると、父親は利己的で母親は不倫しており、兄の満は無神経な意地悪男らしい。 学校に行ってみると友達がいなかったらしい真に話しかけてくるのは変なチビ女だけ。 絵を描くのが好きだった真は美術室に通いつめていた。 ぼくが真として過ごすうちに、しだいに家族やクラスメイトとの距離が変っていく。 モノクロームだった周囲のイメージが、様々な色で満ちてくるーー。


中学2年の時に読みました。これ、読んだ人は割といるんじゃないかなと思います。かなり有名な作品です。中高生の時に読むべき本という感じです。文章が平滑で読みやすく、読後はそっと背中を押されたような爽やかな気持ちになります。
人生はホームステイ、もっと気楽に生きようと思える1冊です。


『そして、バトンは渡された』

森宮優子、十七歳。継父継母が変われば名字も変わる。だけどいつでも両親を愛し、愛されていた。この著者にしか描けない優しい物語。 「私には父親が三人、母親が二人いる。 家族の形態は、十七年間で七回も変わった。 でも、全然不幸ではないのだ。」

高専5年の時に図書館で借りて読みました。第16回本屋大賞受賞作。一般的に「複雑な家庭環境」で片付けられてしまいそうな生い立ちだけど、本書にはあたたかさが常にあるように感じます。読んでいる期間はとても穏やかな、ほんのりと温まる1冊です。著者である瀬尾まいこ先生の書く話は包まれるような温かさのある本が多いです。おすすめ。


『恋とそれとあと全部』

片想い男子とちょっと気にしすぎな女子。二人は友達だけど、違う生き物。
一緒に過ごす、夏の特別な四日間。
めえめえ(瀬戸洋平)は下宿仲間でクラスメイトの女子サブレ(鳩代司)に片想いをしている。
告白もしていないし、夏休みでしばらく会えないと思っていた。そのサブレが目の前にいる。
サブレは夏休み中に遠方にあるじいちゃんの家に行くのだが、それはある〝不謹慎な〟目的のためだった。
「じゃあ一緒に行く?」
「うん」
思いがけず誘われためえめえは、部活の休みを利用してサブレと共にじいちゃんの家を目指す。
夜行バスに乗って、二人の〝不謹慎な〟そして特別な旅が始まる――。

今年、豊橋から東京への高速バスでの暇つぶしに「恋愛系の小説読みたいなあ」と思い買いました。
『君の膵臓が食べたい』で知られる住野よる先生著。
独特な言い回しが好きで、めえめえとサブレのもどかしいやり取りが青春を感じさせてくれます。私は実は狡い人間なんだと、言いづらいことに向き合う姿勢にグッと来ました。それを言えたらどんなに良いことか。
淡いひと夏の思い出とともに、ひとつずつ言葉を自分の中に落とし込んで理解しようとすることの大切さと難しさを学んだ1冊でした。


『推し、燃ゆ』

『推し、燃ゆ』(なぜかリンク上手く表示できなかったのでこちらで)

推しが燃えた。ファンを殴ったらしい――。

第164回芥川賞受賞作&2021年本屋大賞ノミネート、我々オタクに親しみのある「推し」というタイトルで知っている人も多いのではないかと思います。
推し活を自己の「背骨」と位置付けて盲目的に追いかける女性オタクの話。私自身オタクなので、「推すこと」について深く考えさせられる1冊でした。個人的に技科大生に強くおすすめしたいです。刺さる人はいると思います。


おわりに

いかがでしたか?
たまには、小説を通していろんな人物の半生を覗いてみてはいかがでしょうか。きっと、「今日も頑張ろう」って思うきっかけになるはずです。

余談ですが、逆アドカレにてもう1本書いてます。激キモ怪文書なので温度差で風邪をひかないように気を付けて、よかったらお読みください。
(9日昼までには公開します!遅れてしまい申し訳ございません。)

では、ここまで読んで頂きありがとうございました。良き読書ライフを!

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