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【レシピ】ハラースレー(鯉のスープ)

街中がクリスマスの音楽で溢れる季節になりました。あちこちでイルミネーションもあって、今年も終わりなんだなぁと実感しています。

ハンガリーではクリスマスに鯉を食べる習慣があります。クリスマスに鯉、これはチェコ、ポーランドやオーストリアの一部でも共通の習慣なんだそうです。
ハンガリーではやはりハンガリーらしく、パプリカ粉で味付けをしたハラースレー(Halászlé)を食べます。
ハンガリーは内陸国なので、クリスマスでなくても鯉を食べる習慣があり、このハラースレーもポピュラーなハンガリー料理として季節を問わず食べられています。
日本では一部の地域を除いて鯉を日常的に食べることはないので、いつかクリスマスに大人数作ってみたいと思っていました。先日イベントで10年越しで叶えることができました。今回はその時のレシピです。こちらのレシピ(ハンガリー語)を参考に日本でも作れるようにアレンジしました。

・材料(約10名分)
・鯉…1匹(全体で1.5kg、可食部700g〜1kg程度)
・玉ねぎ…中2個
・にんにく…4片
・パプリカ粉…大さじ2
・塩…大さじ1.5
・こしょう…適量(ホールでも粉でもお好きな方で)
・鷹の爪(乾燥したもの)…2本
・水…2リットル

・作り方
1. 玉ねぎとにんにくを全てみじん切りにする。鷹の爪は種を取り除いで適当な大きさにちぎる。鯉は鱗をとって三枚おろしにし、身を適当な大きさに切り分け、塩を振っておく。

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2. 大きめの鍋に玉ねぎ、にんにく、パプリカ粉、塩、こしょう、鷹の爪と鯉の頭、中骨、尾、内臓(あれば)を入れて、水2リットルを入れ、火にかけ強火で30分煮込む。
※鯉の身の部分はまだ入れません。鯉の中骨〜尾は適当な大きさに切り分けてください。胃は苦いらしいので、入れない方が良いかもしれません。

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3. 30分立ったところで一度ザルにあけ、スープと具の部分を分ける。

4. ザルにあけた具の部分をスプーン等で鯉の身をほぐしながらすりつぶし、具の部分をザルでこし、濾したものをスープに足す。
※内臓を含めてスープの出汁になるので、ここは丁寧に行ってください。

5. スープを火にかけ、煮立ったら切り身を入れ、さらに10分煮込む。

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ハラースレーはhalász(漁師)+lé(スープ)という名の通り、鯉以外の魚でも作ることができます。ハンガリーだとナマズや淡水スズキでも作られます。

実は…私自身はこのハラースレーに良い思い出がなく…ハンガリーで食べたものが泥臭くて美味しくなかったのですが、今回は鯉がとても良いものだったので、鯉そのものの味がよく出ていてとても美味しかったです。

クリスマスになぜ鯉?という話ですが、諸説あるようで、一つは宗教的な理由。魚はキリストと信者のシンボルであり、1960年代にクリスマスの肉食が解禁された際に魚食が広まった、というもの。
もう一つは験担ぎのようなもので、鯉の鱗がコインに似ていることからお金をもたらす、魚がまっすぐ進むことからその勢いで家族で来年を迎える、というような意味があるそうです。


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