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43歳の勉強 ~コスパのいい買い物~

 昨日は仕事帰りにスーパーに寄って、半額になった天ぷらを買って帰ったという話をしましたが、いつものことですが、半額のシールを貼っているもともとちょっと高い食べ物に心が惹かれてしまいます。

 そして、GOTOキャンペーンは一律35%引き。安さを求めるはずのキャンペーンを利用して、若干高い目のところに宿泊してしまう。ついつい写真のように夕陽が水平線に沈むさまを見ながら本を読むという宿泊に憧れてしまいます。

 通常は安い方を選択する指向があるのに、割引になると反対の選択をするという指向。いったいこれはどうゆうわけなのでしょうか。

 今、診断士試験に向けてミクロ経済学を今読んでいます。消費の理論の中に限界効用加重限界効用限界効用逓減の法則という言葉が出てきます。今日は、この言葉を使って、なぜ半額の少しよいものを買うのかを考えてみようと思います。

 言葉の意味を少し説明をすると「限界」とは1単位あたりのことを指し、「効用」とは満足度です。なので、「限界効用」とは1つあたりの満足度と言うことです。
「加重」という言葉は重みを加味するということなので、「加重限界効用」とは1円あたりの満足度、すなわちコスパのこととなります。
「逓減」とは次第に減っていくということで、「限界効用逓減」とは同じものを買うと少しずつ値打ちがさがってくるということです。

かき揚げとエビ入りかき揚げ

 私は、かき揚げが好きです。でも、かき揚げにエビが入ったものがもっと好きです。でも高いから、いつもは買えないものとします。
 かき揚げは100円、エビ入りかき揚げは150円します。
 かき揚げは100円で110の満足度がありまして、
 エビ入りかき揚げは150円で135の満足度があるとします。
 この場合、1円あたりの満足度はかき揚げが1.1でエビ入りかき揚げは0.9となりますから、この場合はかき揚げを選択することとなります。
 この1.1や0.9が「加重限界効用」と呼ばれるもので、高いほど効用が高い。すなわちコスパがいいと呼ばれるものです。

 いつも同じものばかり買っているとその値打ちはすこしずつ下がります。たまにだとそうでもないですが、毎日、かき揚げばかり食べていると、1日目より2日目、3日目とだんだんと満足度が落ちてきます。ついに100円で100の満足度と下がってきます。逆に、普段食べることができないエビ入りかき揚げが美味しそうでたまらなくなってきます。150円で150の満足度に上がってきます。
 このように食べる回数が増えることで徐々に満足度が下がっていくことを「限界効用逓減」と言います。

 そして、ついに上の例では、6日目には、エビ入りかき揚げをとってしまうわけです。この時点では、おそらくかき揚げの満足度は98となり、エビ入りかき揚げの満足度は153と1円あたりの満足度が逆転してしまっているわけです。だから、たまにはいいものを食べようって意識が働くわけです。

 いいものを食べると、今度はその満足度が下がります。
 エビ入りかき揚げの満足度は下がり、かき揚げの満足度が上がるということで、バランスがとれる状態が続きます。ある意味、こうした状態は幸せな状態であって、満足度がちょうどいい具合になっています。

 しかしです。

 ここで、このバランスを一撃で崩してしまう出来事が起きてしまいます。
 夕方7時以降に繰り広げられる怒涛の「半額値引き」攻撃です。

 この出来事により、満足度が均衡していた状態だと
 かき揚げは50円となり満足度は100のまま
 エビ入りかき揚げは75円となり満足度は150のまま

「加重限界効用」いわゆるコスパで考えると、どちらも同じになります。1円あたり2.0ですから。でも、いつも夕食には1枚しか食べないとしているのですから、角度を変えて考えてみると、かき揚げ50円でいつもの50の満足度に+50の満足度を得ていると考えられます。

 一方のエビ入りかき揚げ75円でいつもの75の満足度に+75の満足度を得ていると考えると、1枚あたりの追加分の満足度はエビ入りかき揚げの方が高くなります。これは「限界効用」で評価していることになります。

 きっと私は、半額という異常事態を前にすると、コスパが大事とか言いながら、実は上記のようにそのものの価値や満足度が高く感じられる方を選択しているのです。これは、言い換えればGOTOキャンペーンにおいても普段よりもいいところに泊まろうとしたことも同じなんだと思います。

※天ぷらの例示は、ちゃんとした経済学的に言うと少し違うかもと思いますので、限界効用という言葉だけでも慣れてもらえたらと思います。

#43歳 #勉強 #中小企業診断士 #経済学 #限界効用

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