20代独身から始める「ゆる終活」
はじめに
あなたは終活について、一度でも考えたことがありますか?
終活とは、人生の総括を行い、人生の最期を迎えるにあたっていろいろな準備を行うことを意味する言葉です。
書店ではエンディングノートというものが売られており、一時期反響を呼びました。
相続関係や財産管理、遺品整理のやり方や葬儀の希望などを1つのノートに書き留めておくことで、将来自分が故人になった時に、遺族がスムーズに亡くなった後の手続きを行えるようにするのです。
終活という言葉を聞くと、ネガティヴに感じがちだし中高年がやるものだと思いがちですが、10代、20代が考えても全く遅くはないのです。事実、私は25歳から書き始めました。
この記事では、ゆとり世代やZ世代──概ね20代〜30代で現在独身である人が考える終活について、私なりの視点でお話したいと思います。
終活の意義
誰でも必ず人生の終わりを迎えるので、終わりについて考えておくことは何も不自然ではありません。
人間は死というものから無意識に意識を逸らして生きていますし、心のどこかで「自分は80歳、90歳くらいまで生きるのではないか」と思っている節があります。でも、もしかしたら不慮の事故や病気で若いうちに亡くなるかもしれないのです。
その時に遺された家族や友人が慌てないように、「もしもの時にこうしてほしい」と伝えたり、準備をして書き留めておくことは大切なことだと思っています。
①SNSのアカウント管理
SNSをやっていると、有名人を中心に、アカウント主が死去したことを代理人の家族などが報告している光景を見たことがあると思います。
Facebookは自分が亡くなった時に家族や友人から追悼アカウントというリクエストをしてもらうことで、故人アカウントという扱いにする設定をすることができます。
私は自分が亡くなったらアカウントを削除してほしい方針です。同じくFacebookをやっている友人に勇気を出して伝えました。大抵の人は「縁起でもない」と言うものですが、その友人は黙って聞いてくれました。
Facebookに限らず、亡くなった後のSNSの運用については、信頼できる家族や友人に自らの遺志を託すと言うのも1つの手です。
②臓器移植の意思表示について
私は免許証の裏に臓器提供の意思表示をしています。家族とも「もし私が何らかの事情で亡くなったら脳死・心停止を問わず肝臓を除いた臓器提供を希望している」旨を伝えています。
肝臓を除いているのは、私が日ごろから向精神薬を飲んでいるので提供できる状態ではないかもしれないという判断です。
実際に臓器提供できるかどうかは私が脳死か心停止状態になった時に医師がどう判断するかによるかと思いますが、私が亡くなった後も使えるものは必要とする方に使ってあげて欲しいと思います。
初めて話した時、母親に関しては「そんなことを言わないで」と取り乱していました。お腹を痛めて産んだ子供が死後のことを話しているのだから、当然の感情だと思います。
しかしながら、いざという時に臓器移植の意思表示を家族と話し合っておくことはとても大切なことです。
③葬儀に呼んで欲しい人
これは終活の一環として考えておかなければならないことですよね。
私は今ひとりっ子の独身であり、親戚ともほぼ疎遠なので、両親が亡くなれば誰が遺体を引き取るのかと言う問題が生じてきます。
恐らく両親の方が先に亡くなる可能性が高いでしょうから、もし私が独身のまま亡くなることがあれば、誰が亡骸を引き取るのかという問題が生じてきます。
ただ友人や知人も遠方に住んでいるので、仕事や子育てを蔑ろにしてまで葬儀に参列して欲しいとか死後の手続きをしてほしいとは思っていません。現在進行形でどうしようか悩んでいる最中です。
未だに確固とした結論が出ていませんが、全く考えないよりは、少しでも考えておく方が良いとは思っています。
その上で、もしもの時のためにも近所付き合いを大切にして、信用に値する近所の方や友人を作っておいた方が良いと言う結論に至りました。
もし自分が亡くなった後の手続きがどうなるかについて、より専門的に詳しく知っておきたい方は、司法書士の先生に相談されるのも1つの手です。
④財産管理
これは独身の人にこそ降りかかってくる問題ですが、両親もすでに亡くなってしまった独身のひとりっ子の人が亡くなると、財産は国庫に帰属します。
何年も働いて大切に貯金しても、死ぬまで使わなければ結局国のお金として吸収されてしまうのは複雑な気持ちです。
もしもや私が独身のまま亡くなった場合は、障害者支援のNPO法人に財産を全額寄付という形を取りたいと思っています。
障害を持つ人たちの生きづらさを身をもって知ったからこそ、障害者がより生きやすくなれるような世の中に少しでも貢献したいという思いからです。
このことについてはエンディングノートに既に書き留めていますが、まだ知人友人に相談できてないので、いずれは明かす方針です。
おすすめのエンディングノート
これに関しては実際に自分で見て合うものを選ぶのが一番ですが、一例として私の使ったものをご紹介します。
「百人百想」という無料でダウンロードができるエンディングノートがおすすめです。
Excelで書くこともできますし、pdfから印刷して書くこともできます。ご自身が使いやすい方を選んで使ってみてください。
終活というよりは自分史要素も強いので、これまでの人生を振り返る形でも、気持ちがナイーブになりすぎず気軽に書きやすいと思います。
私も含めて、まだ若いと葬儀のことや相続などを「さぁ考えよう」と思っても中々想像がつき難いですが、自分史のことや、もしもの時に誰に連絡して欲しいかなどの書きやすい切り口から書くことができる、20代30代の若年層向けのエンディングノートも発売されています。
エンディングノートに決まった書き方や順序はありません。
自分が書きやすいと思えるエンディングノートを、ぜひ探してみてください。
おわりに
若い人でも終活について考えることは、もしもの時に遺された人たちが慌てずに手続きができる助けになります。
自分自身の終活について考えてみると、まだまだ検討する余地が多いです。
少子化が進む昨今ですが、この先も生涯独身で生きる人が増えると思われます。
配偶者や子供がいる方は、普段から話し合っておくと良いですね。
人は1人では生きられないように、1人では死んだ後の手続きはできないからこそ、今生きているうちに考えておく必要があります。
自分の人生を振り返りながら、自分がいなくなった後の世界を誰かに託す。
人生の終わりを考えることは、これから生きていく人への優しさのバトンタッチであると、そういうふうに私は思います。
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