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5 生体腎移植ドナーを経験して(5) ドナーになるためには

腎移植にいたるまでの話をしよう。

レシピエントは娘。
カミさんも僕も両方とも、ドナーになりたいと考えていた。

カミさんは再婚で、娘は連れ子だったため、ぼくと娘は血が繋がっていない。

「臓器移植」と聞くと、遺伝子的なことが一致していないと移植できないのではないか、と思われがち。
当事者になって知ったが、現在は免疫抑制剤が発達していて、血液型が一致していなくても移植できるそうだ。
(ちなみに娘と僕は、同じ血液型)

生体腎移植ドナーになるためには、さまざまな条件がある。
・6親等以内の血族、配偶者、3親等以内の姻族であること。
→養子縁組をしており、1親等❣️

・精神科医などの第3者による自己意思による提供であることの確認。
→精神科医による面談をされた。移植によって、自分と娘に精神的繋がりが生まれれば、という想いを話した。

・腎提供に相応しくない心理的、社会的背景が無いことの確認。
→どうやら謝礼金や借金返済など、金銭目当てで無いことの模様。

・年齢が20歳以上70歳以下。
→手術当時で55歳。バッチリ👌

・血圧140/90mmHg未満。
→だいたい120台後半/80台後半。これまたバッチリ👌

・肥満がなくBMI 30kg/m2以下。
→これが僕はギリギリだった😆28〜29。セーフ❗️

・GFR 80mL/min/1.73m2以上。
→これがクレアチニン測定だけでは基準を満たしておらず、精密検査を受けることに。結果、通常よりかなり良好なGFR数値であることが判明☺️良かった良かった。

・蛋白尿150mg/day未満。
→まったく問題なし❗️

・糖尿病がなくHbA1c(NGSP) 6.2%以下。
→これまたまったく問題なし❗️

ドナーが僕に決まってから、全身スクリーニングをするかの如く、たくさんの検査を受けた。

造影剤を入れてのCT検査は、身体がカーッと熱くなる体験をした。
けっこうリスクがあるみたいで、検査が始まる前に「気分が悪くなったら、すぐに言ってくださいね」と何度も念押しされた。


たびたび仕事を休んで病院に行くことになったが、なかなか休みを取ることが難しい学校現場では、「病院に行く」はパワーワード。
大手を振って休めるので、かえってリフレッシュできる貴重な時間となった。

手術の時期については、ぼんやりと「年明けから梅雨頃の間になりそう」ということだった。

まだまだ先かなあ。
そんな感じでのんびりと構えていた。

とりあえず、自分がドナーになることが決まって以降、願掛けの意味も込めて断酒した。
血液検査で肝臓の数値だけが、少し高めだったのと、少しでも健康な臓器を提供したい、という想いだった。

(つづく)


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