質の高いトレーニングをするには?
こんにちは。パーソナルトレーナーのHiromiです。
今回は、効果的なトレーニングをするために情報を集めている方や、有益な情報を発信したい!!と思っているトレーナーさんや理学療法士の方向けの記事です。
自分でキャッチした情報を、「ふーん、そういうことだったのか!」と思って、自分の中で昇華するなら他人へ被害は与えないかもしれないです。
でも、もしそれが誤情報で、他人に勧めた場合、最悪他人を傷つける可能性がありますよね。自分はまだよくても、他人を傷つけたくないですね。できるだけ正しい情報を蓄えていくことは自分にとっても相手にとってもかなり有益になります。できるだけいい知識を蓄積していきましょう〜!
これまでトレーニングの情報を集めてきて10年以上になる、私なりの情報の見極め方をお伝えしていきます。
ちょっと読みにくい内容かもしれませんが、手書きの図を用いたり、最後はちゃぶ台がひっくり返るようなまとめになっていたりしますので、最後までお読みいただけると嬉しいです^ ^
それでは!例えばあなたが最近、「知りたい!と思った情報」や、「初めて知った情報」を思い浮かべながら読み進めてみましょう。「これはダイエットに超効く!」とか、「腰痛はこれで一発で治る!」とか、そんな情報でしょうか。その情報が、本当に他の人へおすすめしても大丈夫なものか、見極めていきましょう。
では、スタート!
1. 情報をキャッチするきっかけは?
みなさんの情報収集源ってどこでしょうか?
・知人
・SNS(Twitter, Instagram, facebook)
・Youtube(個人, 企業, スポンサー広告動画)
・ネット記事(新聞社, それ以外の企業, 個人, スポンサー広告記事)
・ブログ(Note, アメーバ, はてブ, 個人サイト)
・ラジオ(各局)
・雑誌(編集者)
・本(企業, 団体, 個人)
・論文(ネット, 学術誌)
・新聞(新聞社)
・テレビ(各種テレビ局)
挙げてみるとたくさんありますね^ ^;
ではこれらの情報の元手は何でしょうか?
企業や団体が発信したものだろうと、個人が発信したものだろうと、結局最終的な情報を流す文章やコンテンツを作っているのは「人」だと思います。
では「その情報の根元の人」を信じれますか?
情報のほとんどは、見たこともない人からの情報かもしれません。テレビで流れている情報も、「テレビに映っているタレントさんからの情報」というよりは、「テレビ局の局員さんが作った情報」の方が多いかもしれません。Youtubeで流れている情報も、「話しているモデルさんからの情報」というよりは、「企業のスポンサーの社員さんからの情報」が流れていることもあります。
では「その情報の根元の人」が何をもとに情報を伝えているのか、考えてみましょう。
2. 何を根拠にそれを言っているかの大別2つ
大きく分けて、2つあると思います。
①経験(事実と主観的な意見の混合)
②知識(学問としての事実や客観的な統計データ)
経験とは、例えば「朝、バナナだけ食べるようにしたら痩せました。」とか、「このサプリ飲んだら、腰痛が全くなくなった!」、「このアプローチで100人腰痛を治した。」など。
「その人が経験して得られた事実」や主観的に「感じたこと」になります。
一方、知識とは、例えば「このプログラムを、こういう人に行うと、こうなる、という研究結果がある」、「この検査では〇〇という結果が示せる」など。
その人が、というよりは、「過去の研究者の方々が行なった研究結果によって得られた事実」や客観的な「データ」になります。
経験で得られた事実は、その人とほぼ同じ体質・性格・環境など一致したとしても、効果が得られるかわかりません。
反面、知識で得られた事実は、過去何年もの歴史で築かれてきた学問から導き出された事実であり、条件が一致すれば効果が得られる可能性が高くなります。
どちらかというと、知識が根元の情報の方が信頼性があるかもしれません。
これは本題とは関係ない雑談ですが、経験と知識についてとても面白い記事を見つけたのでどうしてもシェアさせてください!!↓
3. 原因に対する対策
さらに掘り下げてみましょう。
では、あなたが「痩せるために効果的な方法の情報」を探しているとしましょう。
ロジックよりも「効果」を最優先しやすい派の人は、特にお読みいただきたいです☆
「これは即効痩せる!」
もし、自分が痩せたい!と思っていたら、興味もちますよね!そんな言葉が近くで聞こえたら、耳が大きくなる感じ。
でもそんなとき、一旦落ち着いて、客観的に考えてみましょう。
自分が太っている原因はなんだろう?
わからない場合は、まず見つけられる原因を探してみましょう。
原因もわからずに、即実践したとして、結果がでなければ、「全然これ効かないじゃん!嘘つき!」と思ってしまいますよね。効かなかったから、他のものを試そう。試したけど効かなかった。人によってはこの悪循環の繰り返し。。
効果が出にくい場合、原因に対する対策をとれていないからかも。
何か課題を解決するときは、まずは感情は置いといて、客観的に評価して原因をみつけてみましょう。
①評価
(例:PFCバランス・カロリー1週間記録)
↓
②原因分析
(例:Fが高い・カロリー低すぎ)
↓
③目標設定
(例:PFC=○:○:○・カロリー適正範囲)
↓
④実践
(例:食事コントロール)
↓
⑤再評価
(例:PFCバランス・カロリー1週間記録)
↓
①〜⑤繰り返し
↑例えば、理想の流れはこんな調子です。
でも、どうでしょう。こんなの面倒くさい!と思った方もいるのではないでしょうか。人によってはこういう作業が好きな人とそうでない人に分かれます。そんな方はトレーナーさんにお願いして、初めのうちは一緒に分析していくことをおすすめします!サポートがあれば、難しく考える負担が減りますね。
もしくは、その分野で信じれる人を見つけてみましょう。
さっきの話に戻ります。
「その情報の根元の人」が知識をもとに伝えていたとして、その知識はどこからきているでしょうか。
4. 本は5年前、論文は3年前、学会は1年前
信頼のある学問を学んできたかどうかは、わかりやすいのは「資格」や「学歴」だと思います。
でも、私は資格や学歴で人を判断するのはナンセンスだと思っています。常に学問は最新のものへ入れ替わりますから、昔の学歴や昔とった資格はとったときは輝いているかもしれませんが、年数を重ねるごとに錆びついていきます。
スポットを当てるのは、
得られた知識が錆びないように、その人が常に「磨いているか」
だと思います。過去の栄光にあぐらをかかずに、今もなお、勉強しているのか。
学問の最新情報は常に入れ替わっています。
私たちが小学生の頃、歴史の教科書に載っていたことも、新しい発見によって、全く違う歴史になっていることもありますよね。
学問の最新情報は、その分野で研究している研究者の方々が1番ご存知かもしれません。信頼が高いのはどうしても、大学の研究機関、公的な研究機関かと思います(これは私の偏見かもです、すみません)。
だとしても、情報を発信する人は常に研究者とは限りませんよね。
これは私の先輩から聞いたもので、アバウトな情報ですが、情報が私たちの手元に届いたころには、もう昔の情報になっている、と言っていました。その先輩によると、こんなイメージです。
本は5年前、論文は3年前、学会は1年前の情報
厳密ではないでしょうけれど、だいたいそうなのでは、と思います。本を出版する、となってから翌日に公に出るのではなく、内容構成のミーティングや校閲、審査などで時間がかかるかと思います。論文も研究結果がでてから文書に示して学会で発表するまでラグがあります。今の時代は、昔よりは手元に届くまで、スピードアップしているかもしれませんね。
情報を見るときには、それがいつ発信されたのか、を見るようにしましょう。1990年代のものよりは、現在に近い情報の方が信頼性が高くなります。
その方がどんな出どころから知識を述べているのか、なんとなく想像してみるのも、信じるか信じないかの指標になるかもしれません。
5. 広まっている情報はわかりやすい
では最後に、なぜ質の高い情報も、誤った情報でも世間に広まるのか、を一緒に考えて見ましょう。
私は、SNSや自分で情報発信を始める前は、「えー!なんでこの方法が広まるんだろう?こんなことさせたら余計腹筋使えないし、変な癖がつくだけなのに。。」「いやいや、これでは効かないのに!!」とか、今考えると大変失礼なことを思っていました。すみません。
でも今はこう思います。「なるほど、こんな伝え方だと、わかりやすいのか!私もこんな伝え方で発信してみよう〜!」
誤っていようが、いまいが、その時代の人に注目されやすいワードやコンテンツ、そして何より「わかりやすい」ということが広まるきっかけの1つかと思います。
その人にとっては、聞き慣れたことばでも、(例「股関節の屈曲可動域が狭いと腰で代償して腰部の椎間が圧迫される」)
その分野の知識がほとんどない人はとってもわかりにくいことばになります。(私もまだまだなのですが)
そんな専門用語をわかりやすく解説している人ほど、多くの人が納得しやすいので、広まりやすくなると思います。
そのため、正しい情報を広めたい!と思っている人は、多くの人に届きやすい言葉やコンテンツで広めるといいかもしれません。
反対に、情報を受け取る側の方々は、「なるほど!」と受け止めたあとに、他の人の意見や情報も探してみて、自分なりの裏付けをするといいかもしれません。
私自身も、詳しくない分野に関しては、とっつきやすい言葉に、はっと目を向けることは多々あります。
例えば、精神面に関する知識が浅いのですが、前回の記事でも「科学的根拠をもとにした」という言葉に惹かれたことを語っています↓
本で情報を得た上で、更に自分でも調べて再確認の作業をしました。
6. ものごとに絶対はない
さて、最後にどんでん返しをするようなまとめをします。
私なりの情報の見極め方を書いてみましたが、結論、こう思います。
統計はあくまでも統計。ケースバイケース。
情報が誤っていたとしても、結果的に体が元気になった。結果オーライではないでしょうか。
その人にとって、本当に必要だったのは、その正しい情報ではなく、少しでも運動するきっかけが必要だったのかもしれません。
だから、情報源がわからないにせよ、自分の信じたモノを信じ通して、実行してみることも、何かしら経験となり、新たな学びが生まれます。結果オーライなのです。
人が信じる能力って本当にすごくて、プラセボ効果ってご存知でしょうか?
プラセボ効果:効き目のある薬を服用していると本人が思い込むことによって、病気がよくなること。
病院に勤めているとき、実際にプラセボ効果で調子がよくなる患者さんを見た私は、目が点になりました。
「なんだ、こんなものでも人の体ってよくなるのか。」(もちろん原因によりけりの効果です。)
ゴリゴリに”科学的根拠”の優先順位が高く、四六時中、論文や文献をあさっていた私が、登っていた崖からすべり落ちるとともに、論文をあさりすぎることに嫌気がさしていた心の闇がスッと消えていきました。
それからの私は、「科学的な根拠、根拠」と言い過ぎないようになりました。
たしかに、科学の事実に反する事例はいくらでもあります。人の体はいくつもの組織や構造が影響し合っているから、1つのアプローチだけが効くのではなく、アプローチ方法はいくらでもあるのです。
人の体って本当に不思議・・・。
・・・だから面白い!!!!
それからというもの、ネット上やテレビなどの情報を広い心で見るようになりました。
これを感じるまでは、誤情報を撃退するぞー!と背中に旗を掲げて走っていたのですが、今は旗は上には挙げているけれど、歩いて、自分の周りの方々へ少しずつ伝えているようなイメージです。
走っていたら、近くの人にも伝わらないし、いろんな考え方があって、いいじゃないか。
私の視点から見て首をかしげる情報だったとしても、その人が信じた情報なら、それでいいのです。その人のお悩みの解決の術になったなら、それでいいのです。
私のおじいちゃんはTV通販の〇〇や〇〇、毎回会うたびに、満面の笑みで私に1時間、嬉しそうに紹介してくれます。おじいちゃんはこう言います。
「これは健康に1番効くんだ。」
それでいいのです。
まとめ
自分が信じたものを信じて全うする。
自分が信じたもの、認めたものだから、間違っていてもしゃあない、という広い心の受け止め方で情報を見極める。深く考えすぎず、自分がいいと思うものが効果的!結果よければOK。という気持ちで、情報を取捨選択していけばいいのかな、と思います。
そんなこの記事も、経験をもとに書いているのでした。
最後までお読みいただきありがとうございます!
「一生使える体へ」をコンセプトに今後も情報発信、活動に努めます。本や勉強、イベント会場費用など活動のために使わせていただきます。サポートしていただけるととても嬉しいです。ありがとうございます。