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部長(男性)が2ヶ月の育休を取れた5つの理由

ピリカの管理部長の三井です。男です。
この記事で伝えたいことはたったこれだけ。
「みんな育児休業は積極的にとろうね!(とれる仕組みをつくるのだ。雇用保険からお金も出るよ!)」

さて、弊社では就業規則を作って以来、法に則って育児休業制度が整っているのですが、制度が整っているからと言って実際に取れるかどうかは別の話というのが、残念ながら今の世の中。

しかし、実際に使えない制度などあってはならない!
大手企業じゃなくても、男性でも、管理職でも、その気になれば育児休業を取れるんだ!
と、ひっそりと意気込んで、私自らが会社初の(ついでに男性、管理職での)育児休業を2ヶ月とりました(正確には8週間)。
2ヶ月というのは改正前の育児介護休業法の「パパ休暇」という制度的な制約もあったのですが、どちらかというと妻が出産のダメージからある程度回復して外出したり、動けるようになるまでの期間は育児休業をとろうと考えていました。

私が育児休業に入る際の会社の人的状況としては、全体の従業員およそ50名弱、管理部の常勤フルタイムは私を除いて2名(経理労務担当1名、総務法務担当1名)、パートタイム(問い合わせ対応)が1名。しかもフルタイムの2人は入社してから10ヶ月の方と3ヶ月の方。
管理業務に外注は使わず、経理も給与計算もすべて内製。他の部署に事務担当がいるわけでもなく、私を含めても合計4人でいくつものサービスを持っている会社全体のバックオフィスを回していたのだから、ただでさえ工数カツカツな状況。

そんな中で、私が育児休業をとりました。とらせていただきました。(全方位に大感謝)私は様々な業務がある中で、業務の引継ぎや業務の標準化がかなり難しいと思っているのですが。私がいなくなった際には引継ぎや業務の標準化の不足があるから、何か問題が起きるのではないかと自分の仕事ぶりを反省しながらも思っていました。しかし、育児休業から帰ってきた時に、社長や他部門から話を聞いてみると、「特に大きな問題は無かったよ」と言っていただけました。

おお、マジですか。良かった。私や管理部に遠慮してそう言っているのかと思い、聞き方を変えて聞いてみても、どうやら本当に大きな問題がおきなかったようです。これはなぜだったのか。

育児休業中の平日に、私用で大手引越業者や不動産屋を回っている時に「今日お休みですか?」「いやいや育児休業中なんですよ」「え、うちも制度はありますけれど実際にとれている人はいないですねぇ…いい会社ですね」と言っていました。おうおう、大企業も中小企業も普通に育児休業とろうぜ。
特にスタートアップの方々にそういう育児休業をみんながあたり前にとる気運が高まって欲しい。だから少しでも参考になればと、振り返って言語化してみました。

理由① 管理部メンバーが優秀だったから

これは間違いない。もしかしたらこれに尽きるかもしれない。優秀な人を採用できて本当に良かったなぁ、過去の自分達よ!
でもこれで終わってしまったら、採用頑張りましょうで終わってしまう…笑
ちなみにその優秀さを特にどこに感じているのかというと、マニュアルや仕事の文脈(経緯や関係性)を読み取れることと、自ら考えて他の方から見ても妥当な判断ができること、仕事を自律的に遂行する能力があったことが主な要因だと思います。

他の理由も考えてみました。

理由② かなり前から伝えていたから

社長や経営メンバーよりも早く、安定期に入る前に部門のメンバーには伝えていました。7月に子どもが生まれることがわかっていて、その前の年の年末にはお伝えしていました。これは仕事の進め方(フローの作り方や共有方法)や心構えにも影響があったと思います。

理由③ 元々1人しかできない業務を無く(そうと)していたから

原則として面倒だとしても、必ず2人以上で業務を担当していました。それは育児休業に限らず、もともといつでも長期休暇をとる体制を整えようとしていたからです。当然共有の時間がかかることはあるし、主担当が不明瞭になったりしたこともありますが、困った時に相談しながらできたり、多数の目で業務をアップデートできたりとメリットも大きいです。

理由④ 大きく方針等を共有し、コロナ禍においても毎週1回出社し細やかなコミュニケーションを取っていたから

これはメンバーが優秀だから出来ることかもしれませんが、大きく方針を共有していた(我々は何を目的に、どういう気持で仕事をしているのか)というのと、普段から相互理解をはかっていたから突発的な出来事にも対応ができたのかと思います。「三井さんならこう考えるかも」と想像しながら仕事をしていたと言っていました。

理由⑤ 権限を明確にし、また決裁のタイミング等を明確にしていたから

部長代理をたてる検討もしていたのですが、社内制度の兼ね合いもあり役職としての代理はたてず、私の判断で私の権限を一部メンバーに付与したり、部内の決裁を社長にお願いしたりしました。そして例えば私が実務上おこなっていた押印(もちろん社長の承認を経て)については社長のお力を借りて、週に一回の出社のタイミングに合わせていただいたり、社内に決裁のタイミング等を周知して協力していただきました。

いま育児休業を経て、振り返って思うのは、ポジティブな意味で、自分がいなくてもある程度会社は回るという自信になったことですね。管理部のメンバーからは、「きっと周りから見ると鬼の形相で、目を血走らせながらも業務を遂行していました。でもこの期間を乗り切ったということが自信にもなりました」とも言っていただきました。いやぁ、本当に頭が上がらないですね!

あと工数的な意味でも心的な意味でも普段から余裕や余白は本当に大事だと思います。ひとり抜けるのだから、そりゃ影響は当然ありますよ。その工数をどうやって分担するのか。もともと工数カツカツな上に分担の仕事が振ってくるのも辛いですよね。だから通常時からルーティンには上限8割くらいで、残り2割の余裕(現在業務の改善や新規企画や勉強)は持っていて、いざという時にその2割を使えたらいいですね。あとは小宇宙を燃やせ!

(男性の管理職が)育児休業をとったことがある。というのは、自分としても会社としてもポジティブな要素が満載でした。
そして、おそらく社内の誰もが育児休業を取りやすくなったことでしょう。
ぜひ、みんなにもあたり前に育児休業を取得して欲しいと思っています。

おまけ

いったいあなたは育児休業中何をしていたのですか?という話。
育児休業は出産予定日の一週間ほど前からいただいていて、その一週間は家の片付けをして子供用のスペースをつくったり、ベビーベッドを設置したり、妻の出産準備のために荷物を揃えたり、ベビーマットを組み立てたり、退院後のために子どもの服やオムツやミルクなどを揃えたりしていました。出産にはコロナ禍だったので立ち会えなかったし、初めて子どもに会えたのも退院の時だったのは残念ではありましたが、病院には何回か行きました。病院食を味気なく思っていた妻のために「のりたま」を届けたりもしました。退院した妻と子どもに花束プレゼントしたりもしました。

退院してからは、妻と子どもと同じ部屋で寝てました。ジーナ式の育児スケジュールが見事にハマった模様で夜泣きで起きるということはほとんど無かったですね。遅めに起きて、昼ごはんを食べ、買い物行ったり、子どもを抱っこして歩き回ったり、抱っこスクワットしたり、子どもをお風呂に入れたり、オムツ替えたり、ミルクつくって飲ませたり、Oisix作ったりしました。ひと通りは子どもの世話を出来るようになったと妻からもお墨付きをいただきました!

残りの時間は走りに行ったり、リングフィットアドベンチャーやったり、フィットボクシングやったり、将棋フォーカスを見ていました。睡眠時間が不規則だった(極端に短かったわけではない)のと会社のことが気になっていた以外は、とても健康的な2ヶ月間になったかと思います。

ちなみに、ぶっちゃけた話、管理職なので何かあった際に対応できるようにPCは会社返却せずに、そのままにしておき、その気になればいつでも連絡がとれるようにしてありました。また何かあった場合の連絡方法も決めておきました。(全くと言っていいほど連絡はありませんでしたけれど)
本当は物理的に会社とは連絡がつかないようにした方が、育児休業取得者と会社の双方にとって良いと思っています。