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詩を書くことをやめないで  

いつもの朝 クローゼットを開いたら
似合う服なんか 本当はひとつもないって気づいて 
夏至の長い一日を ベッドに座って過ごしたね
 
ジョギングをやめて 会社をやめて 結婚をやめて 
もう やめるものがなくなってしまって 
降りそそぐ日差しが 噴水に乱反射する見ていたね
 
だれひとり来なかった ホームパーティ
自慢のイタリアンが冷めていくのを 
ワインを抱いたまま ただ眺めていたね
 
この世界から出ていけばいいんだと気づいて
午前三時 国道の熱いアスファルトに 
裸足で飛び出していったね
 
何をしても 
何をしなくてもいいよ 

だけど
詩を書くことをやめないで
詩を書くことだけは やめないで

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