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英会話から学ぼう: プレゼンテーション編

本記事では、英語によるプレゼンテーションの仕方を紹介します。ビジネス英会話の講義で習ったものですが、日本語で行う時も十分役立つと感じました。プレゼンテーションを控えとると言う方の参考になれば幸いです。

1. プレゼンテーションの準備する

プレゼンテーション資料を作る前に、以下点を明確にしましょう。

1. Topic
 何について話すか。
2. Purpose
 プレゼンテーションを通じて達成したいことは何か。
3. Audience Focus
 聞き手が気にしていることは何か。
4. Audience Background
 聞き手の属性
5. Scope
 どこに焦点を当てて話すか。

新技術の導入を提案する場合を例にとります。この場合、Topicは「新技術を導入すべきか否か」、Purposeは「導入すべきと説得する」こと、などになります。

Audience Focusはとても重要です。主に「関心」と「心配事」が該当します。チームメンバーなら「関心」は新規性やスキル向上で「心配事」は慣れるまでの時間や既存コードへの影響、マネジメント層なら「関心」は導入費用と導入効果、「心配事」は非採用によるモチベーション低下や他社へ後れを取ることなどになるでしょう。誰が相手なのかで、プレゼンテーションの中身が変わります。

Audience Backgroundは説明の仕方と度合いを左右します。「情報量」「価値観」「コミュニケーションスタイル」などで構成されます。例えば技術に明るいメンバーに詳細な説明は不要です(「情報量」)。導入に際し新規性を好む人もいればどれだけ枯れているかを気にする人もいます(「価値観」)。要点だけ説明してザクっと意思決定する人もいれば、なるべくメンバーの意思を尊重したい人もいます(「コミュニケーションスタイル」)。

ScopeはPurposeを達成するために必要です。端的に、聞き手は「賛成派」なのか「否定派」なのかです。「否定派」の場合、話す範囲をなるべく狭くしないと同意を取り付けるのは難しいです。少しずつでもPurposeを達成していくことが重要なので、現状を鑑みてPurposeが達成できそうな話題は何か?サイズはどれくらいか?を検討しましょう。

2. プレゼンテーションを設計する

準備が終わったら、プレゼンテーションの設計に入ります。プレゼンテーションには基本的なテンプレートがあります。

「問題」 - (「原因」) - 「解決策」

問題が既に共有されている場合は、解決策1/2/3と列挙するタイプもあります。特に解決策を提示するものでない場合は、話題1/2/3と列挙する形になるでしょう。いずれにしても構造化されていることが重要です。

大まかな設計が完了したら、内容の作成に入ります。相手を説得する形のプレゼンテーションは基本論理的でないと話になりません。説得するための論理(Reasoning)も、基本的なテンプレートがあります。

Inductive: 帰納的論理
 観測される事例から論理を構築する
 例: 新技術は同業他社80%で導入済み、90%が効果を実感。故に効果あり
Deductive: 演繹的論理
 根源的な法則から論理を構築する
 例: 新技術はAを高速化するため、A上で稼働するB/Cも高速化される
Causal: 因果推論
 原因-結果の法則から論理を構築する
 例: 新技術はXの耐障害性を向上させるので後続Yの停止時間も削減される
Analogical: アナロジー
 ある事例で観測された法則を他に適用する
 例: 競合Xは新技術でパフォーマンス向上させたため同じ我々にも効果あり

演繹的論理以外は何らかのデータ(Evidence)を基にします。Evidenceを集める際は注意が必要です。

・収集したサンプルに偏りはないか
・新規性はあるか
・信頼できる情報源からとられているか

Evidenceに基づきReasoningを構築していきましょう。

3. プレゼンテーションの練習をする

プレゼンテーションは生ものです。完璧な準備と設計、つまり「脚本」があっても素晴らしいプレゼンテーションになるかは実際どう演じられるかにかかっています。

プレゼンテーションを始める際の手順は以下4点です。「聞く気にさせる」「集中させる」ことが目的です。

Get the Audience’s Attention
あなたのプレゼンテーションが重要であることをまず伝えましょう。
Make the Objective Clear
プレゼンテーションの目的をはっきりさせましょう。
Establish Credibility
経歴などを伝えることで、あなた自身を信頼してもらいましょう。
Build Rapport (Ice Break)
親しみを持ってもらうことで、あなた自身を信頼してもらいましょう。

プレゼンテーションを終える際の手順は以下6点です。「ピーク・エンドの法則」というものがありますが、終わりの印象はプレゼンテーション全体の印象に大きく影響を与えます。

Summarize
プレゼンテーション全体を要約します
Reinforce Central Idea
一番言いたいことを強調します
Dramatic Statement
感情を揺さぶる言葉で注意を引きます
Appeal to Action
次の行動を促します
Be brief
自信をもって!
Invite questions
質問を聞きます

Dramatic Statementは真新しい項目と思います。例えば、「もし今新技術を導入しなければ、他社が技術カンファレンスで生き生きと新技術について発表して拍手を受ける傍ら、我々は聞き手に甘んじて公開することになるでしょう」というような文言です。基本的に映像がイメージできるようなセンテンスが効果的らしいです。「エンド」で、感情を揺さぶるためのテクニックですね。

Be briefも重要です。最後「ハァ、終わった・・・」と気が抜けた状態でいたら「ピーク・エンドの法則」によりプレゼンテーション全体の印象も気が抜けたものになります。終わりまで「これが正しいんや!」とビシッとしていることが重要です。

プレゼンテーションが終わった後待っているのは、質問回答です。質疑応答がたどたどしいと「ピーク・エンドの法則」により(以下略)なので、準備をしっかりしておくことが重要です。

Q&Aのプロセスは以下5点です。

Clarify
 質問の内容や意図を明確にします
Amplify
 質問の内容を聞き手全体に共有します
Answer to the Whole Audience
 聞き手全体に対して答えます
Confirm
 回答が十分かどうか確認します
Invite the Next Question
 次の質問を募集します

Clarityは個人的に特に重要だと思います。Confirmの結果をYesで確定させるためには、まず意図を明確にする必要があります。プレゼンテーションは常に1:Nなので、Amplify/Answer to the Whole Audienceは大人数に対して行う時は特に意識したいです。

プレゼンテーション全体を強調するためには、ジェスチャーとヴォーカルも重要です。同じ曲でも、素人が歌うのとアーティストが振り付きで歌うのとで全然印象が違うことからもわかるでしょう。プレゼンテーションというと「脚本」の方に集中しがちですが、「演じ方」も同じくらい重要です。しっかり練習て臨みましょう。

以上が英会話から学ぶプレゼンテーション実践講座でした!

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