南道路の呪縛と間取り①
間取りを決めるためにインスタを見ていると、便利な家事動線、中庭のあるお家、老後に便利な平屋など、多くの人が間取りのアイデアを投稿しています。
どのお家もそれぞれ暮らしやすそうで、しかも素敵で、家アカウント歴5年以上の夢だけ広がり、無知なわたしは、とにかくクローズ外構の中庭のある平屋に住みたい!と思っていました。
今回は人がいいという暮らしを真似しても必ずしもいいとは限らないという当たり前の初歩的なお話です。
南道路と北道路の土地
Instagramのいいお家に住んでいる人と、今から自分で建てるお家の条件の圧倒的な違いというと、土地です。
そりゃ、200坪以上の広大な土地あって、周りに遮るものもなければ別です(笑)
土地探しをしていて気づいたことがあります。
同じ新興住宅地の中の土地でも、日当たり抜群な南の道路に接している土地の方が高く売りに出ている傾向にあり、一般的には南道路の土地が人気があるということなのでしょう。
しかし、もちろん南道路の土地だけじゃなく、東西南北様々な向きの土地が出てきます。
大手HMで土地を探していたときはなんとなく南道路を希望していましたし、担当の方も南道路の土地を探してくれていました。
でも、人気のある南道路の土地なんてほんの一握り。
しかも、価格や場所、大きさ等全部が揃ったところなんて見つかるはずもなく、途方に暮れていたところでした。土地検索サイトの徘徊、一刻も早く土地を見つけて家を建ててほしいHMの担当者との連絡で疲弊していました。
ですが、今の工務店は少しスタンスが違いました。
と営業さんは言うのです。
土地にこだわらない家づくり
なぜ大手HMが南道路を推していたのか
わたしなりの考察です。偏った考えかもしれませんが…。
大手は建物価格がまあそれなりに高いです。実例見学行っても、真四角の総2階や真四角の平屋などシンプルな建物ばかり。インスタの現実離れした豪華なお家は、そりゃたくさんあるかと思いますが…見学会や知り合い含め、積水、三井、ハイムのお家はみんな四角でした。
値段は聞きませんでしたが、知り合いの企業オーナーのお宅はおそらく億邸だと思われます。尚且つ地元で人気の一等地、HMの建築条件付きなので、たぶん土地代も坪30万円くらいはしているはず…
(※それが悪いとは言ってませんし、思っていません。質感や仕上がりの丁寧さ、アフターフォローなんかはさすが大手という感じでしたよ。)
建物は、凸凹していない方がもちろんお安いので、シンプルな形になりやすい(予算的にL字などは難しい)のだと考えました。
そうなると、住宅密集地では北道路の土地で南側はすでに家があり、南からは光が入らない。そのため、南道路の南側が開けている土地の方が採光的に優れていてシンプルでいいのでしょう。
工務店が南道路を推さない理由
一方で工務店では、L字、コやロの字の形のお家が実例でもたくさんありました。(リンクの実例集がとても素敵なので見てみてください。)
これは、一般的に大手と同じ坪単価でも工務店の方がやれることが多いというのも一つ要因としてあると思います。
(※一方で、構造の弱さ等には注意が必要。別途記載。)
なぜ住宅密集地でL字、コやロの字のお家がいいのか。
北道路の問題点は、南側にどーんと建物が立っているとそれに遮られて光が入ってこないことです。
ですが、例えば建物の形をL字などにして、南側の家と距離が取れるのであれば、採光はあまり問題になりません。
また、コの字やロの字にして真ん中の中庭に光が落とせれば明るくなる、と助言も別の工務店から頂きました。
いずれにしろ、
が採光にとって重要なのです。
ここから南道路にこだわらない土地探しがスタートしました。
隣家との距離
では、具体的にどれくらいの距離を隣家と取れたらいいのか?
前提として、太陽は夏の方が高く、冬の方が低くなります。条件によっては夏の暑い陽だけはギリギリ入るけど、冬の柔らかくて暖かい陽が入らず暗くて寒いなんてことになりかねません。
参考にさせてもらったブログです↓
結論だけをまとめると
この条件をもとに土地を探しました。
選んだ土地
そして、我が家が選んだ土地はこんな感じ。
今まで建物があったところを更地にして、2区画で売り出していました。
実はこの土地、最終的には建てなかった大手HMの担当の方が持ってきてくれました。感謝している気持ちと、申し訳ない気持ちが…
初めて持ってきてもらった時、わたしは(ちょっと狭めかなと思いつつも)場所的には気に入っていたのですが、夫がなんとなくピンときておらず、一度保留にしていました。
山がある方が北!となんとなく刷り込み教育されている我が県。そして、当時未公開の土地だったため、詳細資料がまだなく、
"北道路だけど特に①は建物がかなり前に出ていて南からの採光がばっちりです!"
との謳い文句で持ってきてもらっていました。
一度保留にしたこの土地でしたが、南道路ではないけど、やっぱり見てきた土地の中で、条件的に1番いい!となり、再度候補に上がることに。
この辺りは住んでいるアパートが近いため、何度も通って、昼、夜、晴れの日、雨の日何度も見に行きました。
のちに発覚したことが2つ。
実は接地道路の方角が、真北ではなく、真北東であったこと。
→そうなると実は①の土地は、完全に南側が開いておらず、東側が主に開いている。
土地②は東側が開いておらず、南側が開いている土地である。①の前の店舗は店の奥に駐車場をとっているため、夜に行くと車のライトがかなり眩しい。
→高い塀を建てる必要があるORカーテンは閉めっぱなし。
これは以前大手HMの実例を見に行った時、施主さんが言っていたことなのですが、玄関ドアや玄関とリビングの境のドアにガラスが入ったものを使用したら、道路に車が通るたびに眩しい。しかもテレビを見る向
きだから、カーテンをつけようか検討している。とのことでした。
そして②の土地に決めました。
偉そうに南側の隣家との距離についてを記載してきましたが、実はこの土地にその議論が必要不可欠だったかと言われると、土地の東側の一部は隣家に被っているため朝日までばっちり入れるならもちろん必要ですが、南側が開けているためそこまで心配することはない土地ということがわかります。(※今更)こんなのは我が家だけかもしれませんが、ちゃんと確認しないとダメです。
何が言いたいかっていうと、南道路の土地じゃなくても、建物の形を工夫できれば採光問題も怖くない!ということです。
この土地に決めたということが前提として、住み良い暮らしをするためには、ある程度土地によって間取りが決まってきてしまうのではないかというお話を次回書きます。
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