考える肉

卵巣 卵管 子宮内膜 小さいかわいい女の子
子守唄で聞いた国をお前はずっと探している
赤色 桃色 茶褐色 弱くてやさしい女の子
夢を叶える魔法使いを探してお前は旅をする
肉の色の虹 赤黒い空高く 誰もが幸せな国がある
藁と鉄パイプ 獣の爪を無邪気に振りかざすお前は少年のようでおぞましい
青い鳥を見つけたら幸せだと信じるお前はわたしの住む森に侵入して奥へ奥へと進んでいく
橙色の空が黒く染まっていく頃 緑の煙を吐いてお前は小鳥を捕まえる
(小鳥は女の身体をしていた 小鳥は柔らかくて小さくてか弱い女の身体を震わせていた)
獣の爪を食い込ませると簡単に赤黒い雫が滴る
鉄パイプで殴って藁を詰め込む 可哀想な空っぽの女体………………………
お前の脳味噌は赤黒く光り食らった女の血を吸収して大きく膨らんでいく
大きく、大きく、大きく!巨大な気球になって空に浮かぶまで膨張を止めない

お前が信じた魔法使いはとっくにとっくにとっくに死んでいて青い鳥を育てるはずだった少女は初潮が恐ろしくて泣いている。赤い靴を無くしたわたしは何処にも行けないような気持ちになって瓶詰めされた桃色の薬を飲む。空に浮かんだ赤黒く光る脳味噌がいずれ破裂してしまうことを誰もが密かに知っている。

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