Ep.6 朝の電話
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※経緯は前の記事をお読みください
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世界線が一変した次の日の朝。
一本の電話が来た。私が取り逃がしてしまい、妹さんが取った。
病院からだった。。。
病院からの電話と言っても大したことじゃない、そんなことを願った。けれど
『脳が再出血しているかもしれません、すぐ来てください』
緊急呼び出しだった。
すぐタクシーを捕まえて皆で病院へ向かった。
(なかなかタクシーが捕まらなくて焦ったことを覚えている、、)
病院のICUに向かい、先生の話を聞いた。
『医師全員で見解をだしたところ、再出血ではありませんでした。』
その言葉を聞いて少しほっとした。
『ですが、見たところ手術後から脳の圧が高く浮腫もあり脳梗塞に近い状態になってます。見たところ脳全体が機能してないですし、脳幹がやられているように見えます。』
医師は最悪のことを想定した発言してくる、、と思う。。
『回復は難しい可能性が高いです。』
私は医師に“そんなことは言わないで!助けて!絶対!”と言う目つきをするしかなかった。
『回復する可能性もありますよね?まだ分かりませんよね?』
おそらく医療従事者であればこの状況がどのくらいのものなのか分かっていたと思うけど、私達の気持ちを察してくれたのか、確定したことは言えない、医師としても頑張ると言ってくれていた。
、、、状況は厳しい。
特に辛かったのが、原因も分からないこと。
医師に何度も
『この若さで脳出血はほぼほぼありえません。持病もないですし。』
と言われた。医師としても出会ったことのないケースに近いようだ。私もだんだん頭が痛くなってくると、“奥様も出血することは無いですから!安心してください。”とお墨付きをするくらい。。
面会ついては、ICUにもかかわらず、時間制限なくある程度自由に来て良いことや家族であれば子供も含め人数制限も緩和してくれることを提示してくれた。
(本来ICUの面会時間は数時間で1日2人、子供は不可と厳しく決まっていた。)
この特別な扱いが夫の病状と直結してないことを願った。
(医療従事者は分かっていたとは思う。)
実はこの日も家族室で待機してても良いと言われたけど、昨日あまり寝てなくて疲れていることもあったし、次の日の朝また来ると夫に話しかけて、家で寝ることにした。
『緊急呼び出しはやめてね!』
なんて妹さんがチャーミングにお願いしていた。
この日の夜は、不安が襲いかかってきて、初めて“いのちの電話”を使った。担当者さんのカウンセリングがとても上手くて、“夫に会いたい、話したい、触れたいよー”と吐き出し、パニックが少し落ち着いた。
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