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㉑「どん底ホームレス社長が見た闇と光」

第10章 言霊

本当の友情

 これまで山あり谷ありの苦難の道を越えてきました。失敗の繰り返しであり、神経をすり減らすことばかりでした。まるで、小船で荒海に出るような苦難の道程。私が苦難に陥ると、去っていった人もいます。気落ちして弱っている自分に甘い言葉を掛けてきた人もいます。今まで私が築いてきた人脈を横取りしようとした人もいます。

 そんな中で、私なりに本当の友情とは何か?と考えたりもしました。困っている時に助けてくれるのが本当の友情と言いますが、果たしてそれだけでしょうか? 自分のことを思い、受け入れてくれる存在かどうかは心で感じるものです。

 私が苦しんでいる時にありがたかったのは、ちょっとした心遣いの言葉でした。何気ない言葉、壁を破る勇気と希望を与えてくれる前向きな言葉にどれほど助けられたことか。お金や物ではないのです。もちろん、お金も必要でした。しかし、それ以上に気遣ってくれる言葉に触れることが、一番の宝物でした。

 何でも相談できる人がいることは、当たり前のことではありません。本当に幸せなことです。愚痴ばかり言っていると、運気も下がってしまいます。困難の渦中にいる人は、孤独感にさいなまれやすいものです。だからこそ“自分は一人ではない”と気付けば、どれほど希望となるでしょうか。自分のことを分かってくれる人がいる、それだけで生きる力が湧いてくるものです。

 他人から裏切られ、傷付けられた人の多くは、復讐心に燃えるでしょう。心に余裕がなくなると次第に不安なことばかり考えてしまいがち。このような状況では当然のことながら感謝の気持ちは湧いてくるはずもありません。実際にまったく余裕がない人がたくさんいます。しかし、友情に感謝することは、精神的な回復力を高めてくれるのです。


信じる力

 言葉に心があるかどうかを判断するのは難しいものです。魑魅(ちみ)魍魎(もうりょう)が溢れかえっている社会にあって、本当を見分ける目を養うことが大切。詐欺に関わるニュースを目にしない日はありません。詐欺師というのは、本当に言葉巧みに心の中に入ってくるものです。それを防ぐには、家族構成や仕事内容、友人関係等、うかつに他人に話さないことです。少しでも隙があれば、そこに入り込んできますからね。

 しかし、社会に出て仕事をしていると、何も話さないというわけにはいきません。そこで、大事なのが相手をよく観察することです。相手を疑うということではありません。自分の身を守るためには自己防衛も必要です。その人にどんな友人がいるか、どんな仕事をしてきたか等をよく観察してみてください。対話を重ねていくと本当の相手の心が見えてきます。

 最初から親しくなる必要はありません。距離を少しずつ詰めていけばいいのです。私が詐欺にあったのは、すぐに他人を信じてしまったからです。友人の紹介だからといって、他人を信じることは以ての外。大きな失敗から私が学んだことです。

 対話を通して本当に相手を信じられると確信してから自分のことを話せばいいのです。対話といっても、こちらから話すだけでなく、まず相手の話をじっくり聞くようにしてください。日々、何を思い、何に悩み、どこを目指しているのか。すると、自身と相手と共通の価値創造に道が開けていきます。相手の“心の鏡”に、こちらの真心を映し出せば必ず通じると思います。

 人との出会いは、相手はもちろん、自らの心も大きく揺さぶります。実現したい目標や決意を話し合ってみてください。勇気と希望の言葉の力によって人生は変わり始めますから。未来がどうなるか、それは誰にも分かりません。但し、「未来の果は現在の因にあり」ということは分かっています。だから今、目先にとらわれず、希望の未来へ、できることから挑戦したいものです。

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