見出し画像

中国語検定準一級の対策について

中検準一級に合格してから約半年が経過しました。個人的な経験談は色々書きましたが、いまいち汎用性のある対策方法をまとめ切れていなかったので、今一度もう少し一般化させてまとめてみようと思います。

【5本に分けて書いたロングバージョンはこちら↓】

筆記対策

中検準一級の筆記問題は大問が1〜5に分かれていて、そのうち1〜3が選択形式、残り4、5が記述問題となっています。

知識問題

1〜3の選択問題は56点分の知識問題となっており、単語、慣用句、成語関連の問題が出題されます。ここで44点程度取り切れれば、全体の合格点である75点を狙うことができます。

独学で合格を目指す場合、以下の教材があればとりあえず合格が狙えます。

  • 単語:キクタン中国語(上級編)

  • 慣用句:キクタン中国語(慣用句編)、トレーニングブック

  • 成語:キクタン中国語(中級編・上級編)、トレーニングブック

その他には、『汉语口语习惯用语』や『中国語四字成語・慣用表現800』を使う人も多いようです。

是非こちらもご参照ください!


中検を受験する人はみなさんトレーニングブックを活用しています。これに出てくる成語と慣用句を全て覚えれば、合格の可能性は格段に上がります。トレーニングブックに載っていない知識問題も実際には非常にたくさん出てきますが、事実上トレーニングブックに出てくる知識を抑えるのにかかった時間が、中検準一級に合格するまでの対策期間になると言って過言ではないでしょう。

トレーニングブックは問題を解く形式であるため、覚えるのに最適化された教材ではありません。索引を活用して成語もリストを作り、繰り返し目を通すことで暗記することをおすすめします。

記述問題

大問4、5の記述問題は4が和訳、5が中訳となっています。こちらは大問1〜3に出題される成語や慣用句の知識があれば、他に暗記するものはありません。目標点は32/44程度です。

和訳はそれほど難しくなく、大問1の読解問題が理解できれば過去問を10セットやっておく程度で合格点は狙えます。凝った日本語は使わず、直訳を基本として典型的な訳語を使うことを意識するといいでしょう。この点は公式の模範解答を見ればどのくらいのレベルが求められているかわかります。

中訳はやや難しいですが、採点が易しいので過剰な心配は要りません。こちらは成語などの知識を多用するというより、過不足なく、専門用語は適切なものを使いながら訳出することが求められます。

いい構文、訳語が見つけられない場合は、元の日本語の文に使われた熟語やより意味が広い言葉を使って「主語・動詞・目的語」で並べておけば大きな失点にはなりません。上手にできるところは中国語らしい表現を使い、難しいところは日本語からの直訳に頼る、という方針で練習しましょう。

リスニング対策

リスニングでは、大問1と2でどんな能力が問われているのかきちんと区別してください。選択問題で構成される大問1は大枠を使う能力、大問2は書き取りで詳細に聞き取る能力が問われています

選択問題

選択問題のレベルは筆記に比べたらあまり高くないですが、中国での生活経験が全くない方は苦労するかもしれません。HSKでリスニングだけ極端に点数が低い方は、基本的なところから見直す方が近道だと思います。HSK6級でも7割くらいは取れるなら、聞き方を工夫すれば得点につながります。10問中1ミスの45/50を目標にすると後が楽です。

中検はHSKと違い音声が2回流れるので、1回目は全体像の把握と選択肢の聞き取り、2回目で詳細を聞きとる意識が重要です。

「全体像」とは具体的に以下の項目を理解するイメージです。

  • 話のテーマは何か

  • 話の転換点や意外性はどこにあるか(段落の頭や疑問文、「但是」「其实」に注目)

  • その転換点や意外性を説明するときどんな例を出した

例えば104回のリスニング問題は手塚治虫についてですが、「手塚治虫の話だ」とわかるだけで1つ目の問題は解けるようにできています。

文章を聞かなくても②がほぼ答えだろうと分かります。

その他も、細かい文章の聞き取りよりも、大枠が追えているかが問われていて、1回目でどんな話が出てきたか聞き取り、問題文を理解できれば2回目でしっかり狙い撃ちできる出題方式が取られています。

最後は「与本文内容相符的(不相符的)是以下哪一项?」という問で、比較的細かなことが聞かれます。1回目に問題を確認したら「大体どのあたりに出てきた内容だ」と考えながら、2回目で正確に聞き取るようにしましょう。

対策する上で使う教材は、過去問がベストですがトレーニングブック(リスニング編)も非常に良いです。リスニングのトレーニングブックは個人的に中検に関係なく使いやすくてお気に入りです。

トレーニングブックは若干本試験より難しく、選択問題の聞き方が複雑です。成語や慣用句の知識はたくさん活用できて、分量もかなりあるためおすすめです。

長期戦を見込むならトレーニングブック、短期間で勝負するなら過去問でいきましょう。

書き取り問題

書き取りは一度ナチュラルな速度で全体が読まれた後、2回書き取る部分が読まれます。

1回目はどこが書き取り対象かわからないまま流れまが、聞いている中でパッと書けなさそうな単語はメモしておくといいです。書き取りはスピード勝負なので、できるだけ手を止めないで書くことを目指しましょう。

書き取りは全ての単語を聞いて書く必要があります。1文字間違えるか抜かすかすると-1点、句読点の過不足、誤りも-1点と想定して学習すると実際の点数が予想できます。

書き取りはトレーニングブックが本番と全く違う形式で収録されているので、過去問を使って対策するのがお勧めです。

過去問について

過去問は書籍の形式で販売もされていますが、掲載数が少ない他昔のものを買うとお金がかかりすぎるため、高電社のWebサービスに課金するのがいいと思います。

過去記事紹介

以上、包括的な対策について書きました!

中検の対策ってあまり情報がなくて大変ですよね、、僕は以前にも個人的な中検準一級体験談をたくさん書いているので、よかったら参考にしてください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?