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中検準一級に2ヶ月で合格した話(学習歴〜戦略)


第104回の中国語検定準一級を受験し、つい先日一次試験の合格発表があったのですが、無事合格していました!初の中検受験で準一に一発合格はそう多くないと思いますし、中検準一級は対策などの情報があまり多くないので、自分の経験をまとめてみたいと思います!

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中検準一級の出題内容

初めに、まだ出題内容を知らない人のために簡単に中検準一級の基本的な情報についてまとめます。

  • リスニング、筆記がそれぞれ100点、合格点数はそれぞれ75点以上

  • ただし、合格点は難易度に応じて70点になることがある

  • リスニングは前半50点分が選択問題、後半50点分が書き取り(听写)

  • 筆記は大問1〜5まであり、1〜3の56点分が各2点のマーク、後半4、5の44点分は和訳、中訳の記述問題

  • 一次試験合格者には二次試験の面接が課される

  • 一次試験の合格率は12~20%、二次試験の合格率は90%超え

中国語学習歴

[まとめ]

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  • 受検当時は学習歴約4年半

  • 5ヶ月の留学経験あり

  • 中検を受験する2年前にHSK6級に合格

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僕は受検時大学5年生で、第二外国語として中国語を勉強し始めました。「2ヶ月で」というのは中検に特化した勉強の期間で、始めて2ヶ月ということではないので、すでにタイトル詐欺感がありますね、、(ごめんなさい)

大学1年〜3年の夏までは、授業で週に3コマ程度履修していました。1年の終わりにHSK4級、2年の冬頃にはHSK5級にも合格しています。大学での学習ペースに合わせているだけだったので、それなりにゆっくりしたペースで5級まで来たと思います。

大学3年の夏〜翌年1月までは、北京大学の対外漢語学院で留学をしていました。半年のみの語学留学ですが、日本にいるときと比べてリスニングとスピーキングは相当できるようになりました。

留学を始めて3ヶ月目に受験したHSK6級が7割強の得点でした。可もなく不可もなく、という成績で、リスニングは7割を切っていました。

帰国後の大学4年では1年間週に1〜2コマ大学の授業を履修しました。ですがこの時は留学経験者と初学+αくらいの履修者がいて、実力を伸ばすというよりキープするための勉強しかしていませんでした。

大学5年は全く授業もなく、普段中国語を使うこともなく、ほぼ1年ブランクができました。

学習開始時の実力

準一級過去問での得点

上に載せた画像は準一の過去問を解いた時の点数表です。103回から遡るように解きました。最初ほぼ対策0の状態で103回を解き、その後『トレーニングブック』を進めながら102、101回まで解きました。

3セットといたところで全く合格に及ばないことを悟り、過去問は一旦やめて語彙の習得とトレーニングブックでの勉強をはさみ、一通りやってから第100回以前の問題を解きました。

過去問の得点表アップ

準一の筆記は100点中56点分がマークの問題で、こちらは自己採点で確実な点数が出せます。勉強を本格化する前に103〜101回の3セットを解きましたが、平均は33点ほどでした

読解がメインのHSKと違い中検は知識問題がほとんどなので、暗記しないと高得点は望めません。留学はしたものの中検で問われる知識的にはそんなに成長はしておらず、筆記試験にはそれほど大きな影響はないと感じました。

一方のリスニングはHSKが1回しか読まれないのに対し、中検は2回読まれ、かつ内容もそれほど難しくないため、最初から選択については高得点を取ることができました。リスニングは話の大義が理解できることが準一を受ける前提で、その上でいかに听写でミスを減らせるかが勝負になります。

目標点の配分と戦略

筆記の傾向と対策

準一の出題内容で重要なのは、成語、慣用句の知識です。これを取れるようにならないとかなり合格は厳しいです。しかし、成語と慣用句は無限にあり、たくさん覚えても必ず知らないものが出題されます。イメージとしてはこの2つをある程度覚えきったら大問1(読解)で10問中1~2問、大問3(主に成語と慣用句)で8問中6〜7問取れるようになる感じです。大問2も成語や慣用句はよく出ますが、そのほかの語彙も出るので「いくつ正解できる」という基準の設定はしにくいです。

後半の和訳・中訳の問題は全部で44点ありますが、和訳の問題はそれほど難しくありません。大問1の読解が読める程度ならそこまで苦労しないと思います。作文も24点中20点以上取るのは厳しいでしょうが、全体の合格点である75%(18点)ならそこそこ可能なレベルと考えました。(得点の計算については別に書きます)

そのため目標は、合格点75点に対して前半の知識問題で42/56、後半の記述問題で33/44とし、主に知識問題に学習時間を割くこととしました。

リスニングの傾向と対策

表をみても見てもわかるとおり、リスニングの選択問題50点分は安定して高得点を取ることができると考えました。「留学に行ったから」と言われたらぐうの音も出ないのですが、HSK6級のリスニングで7割もある人なら太刀打ちできるレベルで、リスニング編の『トレーニングブック』よりも本試の方が簡単なため、やはり多くの受験者にとって比較的ハードルは低い設問だと思います。

一方で、書き取りの問題はかなり難しいと感じました。実は本番まで知らなかったのですが、準一級の書き取りは聞いたら直に解答用紙に文章を書かねばならず、下書きやメモを取る暇はありません。したがって、意味がわかる程度では不十分で、すぐに字を思い出して綺麗な字で書くだけの練習も必要です。

以上の理由から、リスニングはほぼ書き取りに絞って勉強をしました。時間はないので1つの音源を何度も聴いたり、全文ディクテーションするなんてことはできませんから、知ってる字をすぐに書けるようなトレーニングをしようと考えました。

リスニングの目標点は、選択45/50、書き取りが30/50としました。現実的に選択問題を満点取るのは厳しいので、そこに甘んじず書き取りで及第点をとることを目標にしました。

学習する上での目標

これらの考えから、具体的にやるべきこととして以下のような目標を立てました。

最低限の目標

  • キクタン上級編の単語を全て「見たら意味がわかる」状態にする

  • キクタン中級・上級編、トレーニングブックに出てくる成語を全て「見たら意味がわかる」状態にする

  • キクタン慣用句編の語彙を全て「見たら意味がわかる」状態にする

  • トレーニングブックのSTEP1、2の問題を全て解けるようにする


可能なら達成したい目標

  • 暗記した語彙を全て「漢字で書ける」状態にする

  • 日本語の意味を見て暗記した成語を全て思い出せる状態にする

  • 日本語の意味を見て暗記した慣用句を全て思い出せる状態にする

2ヶ月でこれらの目標を達成するのは確かに難しく、ちまちま勉強していては間に合いません。次の投稿で具体的な勉強について書こうと思います。

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